検索ブランド相談室 | 検索と評判の専門メディア

法人向けサービスの料金ページ|価格・プラン・追加費用を整理

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
BtoBサービスの料金ページを7つの情報項目から設計するイメージ

BtoBサービスの料金ページを作るときは、金額だけを載せても比較しやすいページにはなりません。「その金額でどこまで依頼できるのか」「追加費用は何で発生するのか」「最終的な見積額は何によって変わるのか」まで整理する必要があります。

特に、案件ごとに価格が変わるコンサルティング、制作、運用代行などでは、すべての金額を固定表示できない場合があります。その場合も、料金レンジ、価格を左右する条件、標準的な提供範囲、見積もりの確定条件は整理できます。

この記事では、BtoBマーケティング・Web・営業企画担当者が、自社サービスの料金情報を実際の料金ページへ落とし込む手順を解説します。

本記事は個別テーマに絞っているため、上位の全体設計を確認したい場合は、メディア戦略・コンテンツ企画の全体像も参照してください。

BtoBの料金ページでは「金額」ではなく7つの情報をセットで整理する

料金ページで最初に整理したいのは、「いくらか」だけではありません。見込み客が自社と他社を比較するときに、価格と提供内容を同じ条件で理解できる状態を作ることが重要です。

最低限、次の7項目を確認します。

掲載項目 ページで答えること
基本価格 いくらから利用・依頼できるか
課金単位 月額、年額、1人、1件、1ページ、1プロジェクトなど
含まれる範囲 基本料金で何を提供するか
含まれない範囲 基本料金だけでは対応しないものは何か
追加費用 何を追加すると、どのように費用が増えるか
価格の変動条件 人数、利用量、ページ数、期間、機能、対応範囲など何によって金額が変わるか
見積条件 どの情報がそろえば正式な金額を提示できるか

たとえばkintoneの料金ページでは、3つのコースについて1ユーザーあたりの月額料金だけでなく、最小ユーザー数、利用できる機能、オプション、料金シミュレーション、FAQまで確認できる構成になっています。価格と「その条件で何を使えるのか」が同じページ内で対応しています。

料金ページを作る際は、「価格表を作る」のではなく、「価格と提供条件の対応表を作る」と考えると情報不足を防ぎやすくなります。

料金ページを作る前に、自社の料金体系を4タイプに分ける

掲載項目を決める前に、自社サービスの価格がどのように決まっているかを整理します。BtoBサービスは大きく4タイプに分けて考えると設計しやすくなります。

BtoBサービスの料金体系を定額・プラン・従量・個別見積の4タイプに分類した図

料金ページの見せ方を決める前に、自社の価格がどの仕組みで決まっているかを整理します。

料金タイプ 代表例 ページで中心にする情報
定額型 月額固定のサービス 金額、契約期間、提供範囲
プラン型 Standard、Proなど プラン別料金、機能差、対象企業
従量型 人数・件数・利用量で変動 基本料金、単価、計算条件
個別見積型・複合型 制作、コンサル、システム開発 料金レンジ、内訳、変動要因、見積条件

実際のBtoBサービスでは、複数の料金方式を組み合わせる例もあります。

freee会計の法人向け料金ページでは、企業規模に応じた複数プランを示しながら、一部プランには従量課金を組み合わせ、大企業向けプランは個別問い合わせとしています。さらに比較表では人数や追加メンバー、従量料金なども確認できます。

そのため「すべてのサービスを同じ料金表に押し込む」のではなく、料金が決まる仕組みを先に分類してから表示方法を決めます。

STEP1|基本料金と「含まれる範囲」をセットで決める

最初の作業は、Web担当者が料金ページの文章を書くことではありません。営業資料、見積書、契約内容を確認し、実際に顧客へ提示している料金の単位と提供範囲を整理します。

たとえば「月額30万円」と表示する場合は、少なくとも次のような条件まで確認します。

  • 対応する業務は何か
  • 月何時間・何回まで含むか
  • 制作物は何点までか
  • 打ち合わせ回数に上限があるか
  • レポートや分析は含むか
  • 専任担当者は付くか
  • システム利用料や広告費など別途費用があるか

金額と範囲を切り離すと、「30万円でどこまでやってもらえるのか」が分かりません。

受託型サービスの掲載例として、サイトエンジンのBtoBサイト制作サービスでは、要件定義、ページデザイン、WordPress設定、ライティング、図表制作、インタビューなどを項目ごとに分け、最低発注額やオプション、見積例まで掲載しています。金額だけではなく、何に費用が発生するかを分解した例です。

ここで扱うのは、価格・プラン・基本料金に含まれる範囲・追加費用・見積条件など、料金を判断するための情報開示です。対象企業、対応範囲、料金、実績、契約条件、対象外条件までを同じ基準で並べるサービス全体の比較は別テーマへ切り分け、本記事は料金情報の整理までを扱います。

STEP2|複数プランがある場合は「機能数」より違いが分かる比較表にする

プランが複数ある場合は、機能を大量に並べるだけでは選びにくくなります。

最初に「どの企業にどのプランが向いているのか」が分かり、その後に詳細機能を確認できる順番にします。

比較軸の候補は次のとおりです。

比較軸 記載例
想定対象 小規模企業、中小企業、大企業
基本料金 月額、年額
基本料金に含む範囲 利用人数、機能、作業量
上限 人数、件数、容量
サポート メール、電話、専任担当
初期費用 あり・なし
契約条件 最低契約期間、更新単位
追加料金 追加ユーザー、追加機能、追加作業

kintoneでは各コースについて「どのような利用目的向けか」を示したうえで、料金、最小ユーザー数、利用上限や機能を比較しています。価格だけではなく、自社にどのコースが合うかを判断する材料が同じ表の中に置かれています。

料金比較表の目的は、最も高いプランへ誘導することではありません。見込み客が自社の条件を当てはめて候補を絞れる状態を作ることです。

STEP3|追加費用と「含まれないもの」を先に洗い出す

料金ページで見落としやすいのが追加費用です。

「月額10万円〜」と表示していても、実際には初期設定、データ移行、追加ユーザー、カスタマイズなどが必要になるなら、それぞれを分けて記載します。

BtoBサービスで確認したい代表例は次のとおりです。

  • 初期設定費
  • 導入支援費
  • 追加ユーザー費
  • 従量課金
  • オプション機能
  • カスタマイズ費
  • 外部サービス利用料
  • 追加制作費
  • 交通費・実費
  • 契約範囲外の追加作業

すべての項目を載せる必要はありません。自社サービスで実際に発生するものだけを整理します。

freee会計では基本プランの金額に加えて、追加メンバーや経費精算、受発注書類などの従量料金を比較表内で示しています。

また、makeshop BtoBでは、基本となるプランと、標準機能だけでは対応できないカスタマイズを分け、複雑な要件については個別見積としています。

「追加料金があります」とだけ書くのではなく、「どの条件になると追加料金が発生するのか」を説明することが重要です。

STEP4|完全な価格公開が難しい場合は「価格が決まる仕組み」を見せる

コンサルティング、Web制作、システム開発、業務代行などでは、案件ごとに作業量が変わり、一律の価格を表示できないことがあります。

料金情報が見つからない場合に見込み客が追加検索・比較・離脱へどう動くかの調査結果は、料金情報が見つからないときの見込み客行動調査で確認できます。

その場合は、無理に固定料金を作るのではなく、次の情報を組み合わせます。

固定価格を出しにくい理由 代わりに掲載する情報
案件規模で変わる 料金レンジ
作業量で変わる 1件・1ページ・1時間などの単価
要件で変わる 価格を左右する要件
複数要素の組み合わせ 基本費用+オプション
初回相談後でないと確定しない 概算と正式見積の確定時期
大型案件のみ個別対応 標準プランと個別見積の境界

固定価格を公開できないBtoBサービスでも料金レンジや変動要因を示す判断フロー

固定価格を決められない場合でも、料金レンジや価格を左右する条件、正式見積のタイミングは説明できます。

たとえばカロアデザインのBtoBサイト制作ページでは、依頼内容によって金額が変わる前提で参考価格帯を示し、費用を設計費と制作費に分けています。さらに、設計後に正式な制作費を算出するケースがあることも説明しています。

このように、最終金額を固定できなくても、「どの程度の範囲になりやすいか」「何によって価格が変わるか」「いつ正式金額が決まるか」は説明できます。

重要なのは、価格を公開するか非公開にするかを一般論として議論することではありません。自社の料金体系で公開可能な情報を、比較に使える形まで具体化することです。

STEP5|「○円〜」と書く場合は、その金額が成立する条件を書く

「10万円〜」「月額5万円〜」という最低価格は分かりやすい一方、それだけでは実際の予算を判断できません。

「〜」を使う場合は、最低価格が成立する条件も近くに記載します。

たとえば、

「月額10万円〜。対象1サービス、月4本の記事制作を基本とし、取材・撮影・追加分析は別途見積」

という形です。

月額10万円からという料金だけの表示と対象範囲まで示した料金表示の比較

「○円〜」と表示する場合は、最低価格が成立する条件を近くに示すと、自社の場合の費用を判断しやすくなります。

この書き方なら、見込み客は「10万円」という金額だけでなく、自社の要件では何が追加になりそうかを判断できます。

サイトエンジンの料金掲載でも、「○円〜」の単価とともに対象となる作業単位を分け、オプションと具体的な見積例を掲載しています。

料金の下限を目立たせることより、下限と実際の見積条件を矛盾させないことを優先します。

STEP6|料金ページと営業見積もりの条件を一致させる

料金ページを公開する前に、Web上の表記と営業が実際に出している見積書を照合します。

確認する対象は最低でも次の4つです。

  1. Webサイトの料金ページ
  2. 営業資料
  3. 見積書テンプレート
  4. 契約・申込時の条件

料金ページ・営業資料・見積書・契約条件の料金情報を一致させる関係図

価格や提供条件を変更した場合は、Webページだけでなく営業資料・見積書・契約条件まで同時に確認します。

たとえば料金ページには「初期費用なし」と書かれているのに、商談では毎回導入支援費が必要になる状態は避けます。

料金ページで「月額10万円〜」と書いているものの、実際の案件の多くが30万円以上になる場合も、最低金額の成立条件が現在の実態と合っているか確認が必要です。

価格変更時の運用も決めておきます。

  • 誰が料金ページを更新するか
  • 営業資料をいつ更新するか
  • 見積書テンプレートを誰が管理するか
  • 過去顧客と新規顧客で条件が違う場合、どう扱うか

料金ページは一度作って終わるコンテンツではありません。商品設計や営業条件が変われば、Web側も同じ内容へ更新する必要があります。

料金ページはこの順番で構成すると整理しやすい

実際のページ構成は、次の順番を基本形にすると整理しやすくなります。

1.料金の全体像

最初に、料金体系が定額・プラン・従量・個別見積のどれに近いかを説明します。

「基本料金+利用人数に応じた従量料金です」

「案件規模によって費用が変わるため、参考レンジを掲載しています」

など、一文で理解できる表現にします。

2.基本料金・プラン

金額と課金単位を表示します。

3.プラン比較または料金内訳

複数プランなら比較表、個別見積型なら作業内容別の内訳を配置します。

4.基本料金に含まれるもの

料金だけでなく提供範囲を明記します。

5.追加費用・オプション

追加条件と費用を整理します。

6.金額が変わる条件

人数、件数、期間、ページ数、機能、カスタマイズなどを説明します。

7.料金・見積例

実際にあり得る条件を使い、概算の組み合わせを示します。

8.よくある質問

最低契約期間、支払方法、解約、追加費用、見積期間など、料金に直接関係する質問をまとめます。

makeshop BtoBの料金ページでも、目的の確認からベースプラン、費用感、カスタマイズ、機能別料金へ進む順番が用意されています。複雑な料金体系では、単純な料金表だけでなく「どの条件から確認すればよいか」という順序も情報設計の一部になります。

公開前に確認したい料金ページのチェックリスト

料金ページを公開する前に、次の項目を確認してください。

  • 基本料金が分かる
  • 課金単位が分かる
  • 各プランの対象企業が分かる
  • 基本料金に含まれる範囲が分かる
  • 含まれない範囲が分かる
  • 追加料金が発生する条件が分かる
  • 初期費用の有無が分かる
  • 最低契約期間などの条件が分かる
  • 個別見積になる条件が分かる
  • 「○円〜」の最低価格が成立する条件が分かる
  • 料金ページと営業資料・見積書が一致している
  • 見込み客が自社条件を当てはめて概算を判断できる

すべてのサービスで詳細な価格を完全公開できるとは限りません。

それでも、「何が価格を決めるのか」「何が含まれるのか」「どこから個別見積になるのか」を整理すれば、料金ページとして提供できる情報は増やせます。

料金ページの掲載項目を自社で整理するときに使える実務資料を探している方は、無料ダウンロード資料もご活用ください。

無料資料一覧:/media/download/

BtoB料金ページについてよくある質問

料金を公開できない場合、「お問い合わせください」だけでもよいですか?

金額そのものを掲載できない場合でも、料金体系、価格を決める要素、標準的な提供範囲、見積もりに必要な情報、正式な金額が分かるタイミングは掲載できます。

「お問い合わせください」を結論にするのではなく、問い合わせ前に判断できる情報をどこまで増やせるかを確認してください。

「○円〜」という表記は使わない方がよいですか?

使用できます。ただし最低価格だけを掲載するのではなく、その価格が成立する対象範囲や条件を併記します。

価格が大きく変動するサービスでは、最低価格よりも「標準的な料金レンジ+価格が変わる条件」の方が説明しやすい場合もあります。

料金ページにはFAQも必要ですか?

料金に関する疑問が繰り返し営業へ寄せられている場合は、FAQへ反映する価値があります。

支払方法、最低契約期間、初期費用、追加費用、契約変更、見積もりに必要な情報など、料金判断に直接関係する質問を優先してください。

まとめ

BtoBサービスの料金ページは、価格だけを表示するページではありません。

基本価格、課金単位、含まれる範囲、含まれない範囲、追加費用、価格の変動条件、見積条件までを整理し、見込み客が「自社の場合はいくらくらいになり、何を受けられるのか」を判断できる状態を目指します。

作成手順は次の順番です。

  1. 自社の料金体系を分類する
  2. 基本料金と提供範囲を整理する
  3. プラン差を比較できるようにする
  4. 追加費用と除外範囲を整理する
  5. 個別見積の場合は価格の決まり方を示す
  6. 最低価格の成立条件を明記する
  7. Web・営業資料・見積書の条件をそろえる

すべての価格を公開できなくても、料金ページの情報量をゼロにする必要はありません。

まず自社の見積書や営業資料から「何に対して料金が発生しているか」を洗い出し、料金ページへ移せる情報を整理するところから始めてください。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • 「料金」サイボウズ株式会社 kintone
    2026年9月9日確認。料金、3コース、最小ユーザー数、機能・オプション等の料金ページ構成を確認。 kintone料金ページ

  • 「法人向け会計料金プラン」freee株式会社
    2026年9月9日確認。プラン料金、従量課金、追加ユーザー、エンタープライズの個別問い合わせ等を確認。 freee会計 法人向け料金プラン

  • 「BtoBサイト制作代行サービス」サイトエンジン株式会社
    2026年9月9日確認。最低発注額、作業別料金、オプション、見積例を確認。 サイトエンジン BtoBサイト制作代行サービス

  • 「事業成長に繋がるBtoBサイト制作」カロアデザイン
    2026年9月9日確認。参考価格帯、設計費・制作費の内訳、概算から正式見積までの考え方を確認。 カロアデザイン BtoBサイト制作

  • 「BtoB ECサイト構築の料金・費用」GMOメイクショップ株式会社
    2026年9月9日確認。目的、ベースプラン、費用感、カスタマイズ、個別見積を組み合わせた料金ページ構成を確認。 makeshop BtoB 料金ページ

‹ 親記事: メディア戦略・コンテンツ企画とは?ゴール設定からテーマ選定・編集方針までを体系的に整理

関連記事

関連テーマ