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ホームページ制作会社の保守契約更新|実績・費用・権限を評価

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Webサイトの保守契約書と対応履歴を確認しながら契約更新を検討する企業担当者のデスク

Webサイト制作会社との保守契約を更新するか判断するときは、月額費用だけを見るのではなく、現在の契約期間で何をしてもらったのか、障害時に対応できるのか、自社が必要な管理権限を持っているのかまで確認することが重要です。

結論として、更新前には「対応実績」「障害・セキュリティ対応」「更新作業」「追加費用」「権限」「バックアップ」「改善提案」「引き継ぎ可能性」の8項目を確認します。その結果から、現状のまま継続するのか、条件を変更して継続するのか、別の会社も検討するのかを決めると判断しやすくなります。

保守契約の更新は「継続・条件変更・乗り換え検討」の3つに分けて判断する

Webサイトの保守契約は、「更新する」「解約する」の二択で考える必要はありません。

保守契約だけでなく、公開後の運営をどこまで内製し、どこを外部へ任せるかから見直す場合は、オウンドメディア運営の体制構築の考え方も確認してください。

Webサイトの保守契約を継続、条件変更、乗り換え検討の3つに分ける判断フロー

保守契約は更新か解約かの二択ではありません。現在の問題が契約条件の変更で解消できるかまで確認すると判断しやすくなります。

現在の制作会社に大きな問題がなければ、そのまま継続できます。一方、対応範囲や費用だけに問題があるなら、契約内容を見直して継続する選択肢もあります。

確認したいのは、次の3つです。

  • 継続:現在の対応内容、費用、権限管理に大きな問題がない
  • 条件変更:制作会社自体を変える必要はないが、対応範囲や費用、報告方法などを見直したい
  • 乗り換え検討:対応品質や管理体制に継続的な問題があり、現在の契約条件を変えるだけでは解決しにくい

この判断をする前に、現在の保守会社の実績を事実ベースで整理します。

「なんとなく対応が遅い」「月額が高い気がする」といった印象だけではなく、実際の依頼内容、対応日時、追加費用、障害発生時の動き、更新履歴などを確認します。

更新前に確認したい8つの項目

保守契約を見直すときは、契約書だけではなく、現在の運用実態まで確認します。

確認項目 確認する内容 見直しが必要になりやすい状態
対応実績 依頼内容、回答、完了までの流れ 依頼が長期間止まる、完了状況が分からない
障害・セキュリティ対応 不具合発生時の連絡先、初動、原因確認 緊急時の責任範囲が不明
更新作業 CMS、テーマ、プラグインなどの更新状況 更新状況や更新後確認が分からない
追加費用 月額外で発生した作業と理由 追加料金の基準が毎回異なる
管理権限 CMS、サーバー、ドメイン、解析ツール等 制作会社しか管理できない
バックアップ 対象、頻度、保存先、復元方法 「取得している」以外の説明がない
改善提案 公開後に見つかった問題や次の改善案 作業依頼への対応だけで終わっている
引き継ぎ可能性 契約終了時に自社へ戻せる情報 管理主体や引き渡し範囲が不明

すべての項目で制作会社に高度な対応を求める必要はありません。

重要なのは、何を制作会社が担当し、何を自社が担当する契約なのかが分かることです。

保守契約を見直す6つのSTEP

STEP1|契約書と実際の対応履歴を突き合わせる

最初に確認するのは、「契約上の約束」と「実際に行われた対応」が一致しているかです。

保守契約書や見積書から、現在の契約に含まれている作業を抜き出します。

たとえば、次のような項目です。

  • CMSやプラグインの更新
  • テキストや画像の差し替え
  • 定期バックアップ
  • サーバー・ドメイン管理
  • 障害発生時の一次対応
  • セキュリティ確認
  • フォームなどの動作確認
  • アクセス解析や報告
  • 軽微な修正

続いて、現在の契約期間に実際に行われた対応を並べます。

Webサイト保守契約に記載された対応内容と実際の対応履歴を照合する比較図

更新前には契約書だけでなく、現在の契約期間に実際にどのような対応が行われたかを照合します。

ここで見るのは、依頼件数の多さではありません。

依頼に対して返答があったか、予定どおり完了したか、完了報告が残っているか、対象外の場合にその理由が説明されているかを確認します。

契約内容と実際の対応に差があれば、次回契約では担当範囲を明確にする必要があります。

STEP2|障害やセキュリティ対応は「何か起きたとき」を基準に確認する

日常の更新依頼に問題がなくても、サイト障害やセキュリティ上の問題が発生したときに対応できなければ、保守体制としては不十分な場合があります。

確認したいのは、障害が起きたときの責任分担です。

「障害対応あり」という記載だけではなく、少なくとも次の状態を確認します。

  • どこへ連絡するのか
  • 何を制作会社が確認するのか
  • サーバー側の問題は誰が確認するのか
  • CMSやプラグイン更新後の不具合を誰が確認するのか
  • 復旧作業は契約内か別料金か
  • 原因や対応結果が報告されるか

WordPress公式ドキュメントでは、WordPressを最新状態へ更新することや、更新前にバックアップを取ることが案内されています。WordPressを利用しているサイトでは、「更新作業をしているか」だけでなく、「更新前後の確認や復旧をどこまで担当しているか」まで確認すると実態を判断しやすくなります。

STEP3|バックアップは「取っているか」ではなく「戻せるか」まで確認する

バックアップについては、「毎日取得」「定期バックアップ」といった頻度だけで判断しないことが重要です。

確認したいのは、次の4点です。

  1. 何を保存しているか
  2. どこへ保存しているか
  3. いつの状態まで戻せるか
  4. 実際の復元作業を誰が担当するか

Webサイトのファイルとデータベースをバックアップし復元するまでの流れ

バックアップは取得の有無だけでは判断できません。保存対象・保存場所・戻せる時点・復元担当まで確認して初めて復旧体制を判断できます。

WordPress公式では、一般的なWordPressサイトを完全に復元するには、サイトのファイルとデータベースの両方が必要だと説明しています。単にサーバー内のファイルを保存しているだけでは、サイト全体を復旧できないケースがあります。

保守契約更新時には、「バックアップあり」という項目だけで判断せず、復旧まで含めて責任範囲を確認します。

STEP4|CMS・サーバー・ドメイン・解析ツールの権限を自社で確認する

保守契約を更新するときは、サイトそのものだけではなく、サイトを管理するためのアカウントも確認します。

CMS、サーバー、ドメイン、アクセス解析などWebサイト運営に必要な管理権限を整理した図

Webサイトの管理対象はCMSだけではありません。サーバー、ドメイン、解析・計測ツールまで自社で管理状況を確認できるか整理します。

代表的な確認対象は次のとおりです。

管理対象 確認したい状態
CMS 自社でも管理者権限を確認できる
サーバー 契約主体と管理画面へのアクセス方法が分かる
ドメイン 登録・管理主体と更新方法が分かる
Google Analytics 自社側の管理者がいる
Google Tag Manager 自社側で管理できるアカウントがある
Search Console 自社側で所有権・権限を確認できる

特に重要なのは、制作会社の担当者しか管理できない状態を避けることです。

Google Tag Managerの公式ヘルプでも、管理者が1人しかいない場合は、その人が利用できなくなると管理できなくなる可能性があるため、複数の管理者を用意することが推奨されています。また、アカウント管理は外部代理店ではなく組織内の担当者が行うことも案内されています。

Google Analyticsについても、アカウントまたはプロパティ単位でユーザーと管理権限を設定できます。制作会社だけが管理者になっていないか確認しておくと安心です。

ドメインについても、管理先を変更できる仕組みがJPRSから案内されています。今すぐ変更する予定がなくても、自社のドメインを誰がどこで管理しているかは確認しておきましょう。

STEP5|追加費用は「高い・安い」ではなく発生条件を見る

保守費用を判断するときに、月額だけを見ても適正かどうかは分かりません。

まず、現在の契約期間中に発生した追加費用を一覧にします。

そのうえで、

  • 契約前から対象外と明示されていた作業
  • 想定外の障害や大規模改修
  • 日常更新に近い作業
  • 契約書だけでは対象内か対象外か分からなかった作業

に分けます。

契約外の大きな改修に追加費用がかかること自体は問題ではありません。

見直したいのは、同じような依頼でも料金判断が変わる場合や、「軽微な修正」「保守対応」といった言葉の範囲が曖昧な場合です。

次回契約では、月額内で対応する範囲と、個別見積もりになる範囲を具体化します。

STEP6|次期改善提案は「制作を売り込まれたか」ではなく課題を共有できているかを見る

保守契約では、毎月新しい改善施策を提案してもらう必要はありません。

ただし、サイトを継続的に見ている会社であれば、運用中に見つかった問題や、将来対応した方がよい課題を共有できているかは確認したいポイントです。

たとえば、

  • 古くなったCMSやシステム
  • フォームの不具合
  • 更新しにくいページ
  • 表示速度の問題
  • セキュリティ上確認したい項目
  • アクセス解析や計測上の不足

などです。

これらをすべて保守契約内で改善する必要はありません。

重要なのは、「保守範囲外なので放置する」のではなく、問題を発見したときに発注者へ共有されているかです。

引き継ぎ可能性は、乗り換えを決める前から確認しておく

別の制作会社へ変更すると決めていなくても、現在の契約を終了した場合に何を自社へ戻せるのかは確認しておきます。

確認するのは、具体的な移行作業ではありません。

更新判断に必要な範囲として、

  • サイトデータを受け取れるか
  • CMSの管理者権限を確保できるか
  • サーバー・ドメインの管理主体が分かるか
  • バックアップを確認できるか
  • Google AnalyticsやGoogle Tag Managerなどを自社で管理できるか
  • 契約終了時の引き渡し対象が明確か

を確認します。

JPRSでは、ドメインの管理指定事業者を変更する制度が用意されています。そのため「現在の制作会社が管理しているから変更できない」と決めつけるのではなく、登録者や管理先を確認しておくことが重要です。

具体的に乗り換えると決めた後は、ドメイン・サーバー・CMS・ソース・計測・権利を制作会社間で引き継ぐ手順を確認してください。

継続・条件変更・乗り換え検討を判断する基準

8項目を確認したら、下の表のように整理します。

更新しない判断になった場合は、次の候補を同じ条件で比較するために「ホームページ保守会社を選び直すときの比較方法」へ進むと、対応範囲・緊急対応・バックアップ・権限・費用を整理できます。

判断 状態の目安 次に行うこと
継続 契約内容と実績が一致し、権限・バックアップ・緊急対応も確認できる 現契約を基本に更新する
条件変更して継続 対応自体には問題がないが、範囲・追加費用・報告方法などが曖昧 更新前に契約条件を修正する
乗り換えを検討 対応遅延が繰り返される、必要な権限が不明、復旧体制が確認できないなど 現契約を更新する前に別の支援先も検討する

特に、金額以外の項目で複数の問題が重なっている場合は注意が必要です。

たとえば、

「月額料金は安いが、バックアップの内容が分からず、ドメインの管理主体も不明で、障害時の連絡先も曖昧」

という状態では、料金だけを理由に継続するのは判断材料が不足しています。

反対に、

「対応履歴が残っており、障害時の役割も明確で、権限も自社にあり、必要な作業だけ追加費用になる」

のであれば、多少の追加費用が発生していても継続が合理的な場合があります。

保守契約更新前のチェックリスト

更新前には、次の項目を社内で確認しておくと判断しやすくなります。

  • 契約書・見積書を確認した
  • 現在の契約期間中の依頼履歴を確認した
  • 未完了の依頼を確認した
  • 障害発生時の連絡方法と担当範囲が分かる
  • CMSやシステムの更新状況を確認できる
  • バックアップ対象と復元方法が分かる
  • サーバーの管理主体が分かる
  • ドメインの管理主体が分かる
  • CMSの管理者権限を自社で確認できる
  • Google Analyticsなどの管理権限を自社で確認できる
  • 追加料金になった作業と理由が分かる
  • 次期契約で変えたい条件を整理した
  • 契約終了時に受け取れる情報・データを確認した

この状態まで整理できれば、「なんとなく継続する」状態から、現在の制作会社を続ける理由・条件を説明できる状態へ変えられます。

よくある質問

制作会社から改善提案がないだけで乗り換えた方がよいですか?

改善提案がないという理由だけで、すぐに変更する必要はありません。

現在の契約が「障害対応やシステム更新だけ」を目的としているなら、集客改善やサイト改善の提案は契約外の場合があります。

まず、現在の保守契約でどこまでの対応を期待できるのかを確認してください。

月額保守費が高ければ見直した方がよいですか?

金額だけでは判断できません。

障害対応、バックアップ、セキュリティ更新、日常修正など、含まれている責任範囲によって費用は変わります。

先に作業内容と実績を確認し、その後に金額を評価します。

管理画面へログインできれば権限は問題ありませんか?

CMSだけにログインできても十分とは限りません。

サーバー、ドメイン、Google Analytics、Google Tag Managerなど、サイト運営に必要なサービスが別に存在することがあります。

「制作会社へ依頼しなくても、自社の担当者が管理状況を確認できるか」という観点で整理してください。

乗り換えを検討する場合、すぐに現在の会社へ解約を伝えるべきですか?

先に現在の契約条件と管理状況を確認した方が安全です。

この記事では乗り換え後の移行手順までは扱いませんが、契約終了日、必要な権限、データ、管理主体が分からないまま解約を進めると、判断に必要な情報まで確認しにくくなる場合があります。

まとめ

Webサイト制作会社との保守契約を更新するか判断するときは、月額料金だけを見るのではなく、現在の契約期間に何をしてもらったのかを確認することから始めます。

確認したいのは、対応実績、障害・セキュリティ対応、更新作業、追加費用、管理権限、バックアップ、次期改善提案、引き継ぎ可能性の8項目です。

そのうえで、

  • 問題がなければ継続
  • 内容を直せば解決できるなら条件変更
  • 対応品質や管理体制そのものに問題があるなら乗り換えを検討

という順番で判断します。

特に権限やバックアップが不明な場合は、契約更新前に確認しておくことが重要です。

社内だけでは現在の保守範囲や管理権限を整理しにくい場合は、契約を変更すると決める前に、第三者も交えて現在のWebサイトの管理状況を確認すると判断材料を整理しやすくなります。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • WordPress.org「Updating WordPress」:更新と更新前バックアップの確認に使用。WordPress公式資料
  • WordPress.org「Backups」:ファイル・データベースのバックアップと復元条件の確認に使用。WordPressバックアップ公式資料
  • WordPress.org「Supported Versions」:WordPressのサポート方針の確認に使用。WordPressサポート方針
  • 日本レジストリサービス(JPRS)「ドメイン名の管理指定事業者の変更」:ドメイン管理先と変更可能性の確認に使用。JPRS公式資料
  • Google「ユーザーと権限の管理」:Google Tag Managerの管理者権限確認に使用。Google Tag Manager公式ヘルプ
  • Google「アナリティクスのユーザーおよびユーザー グループの追加、編集、削除」:Google Analyticsの権限確認に使用。Google Analytics公式ヘルプ
  • IPA「安全なウェブサイトの作り方」:Webサイト運用時のセキュリティ対策・アクセス管理の確認に使用。IPA公式資料

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