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会社名検索で悪い口コミが目立ったときの初動診断|何から対処するか優先順位を決める方法

部署:人事・採用担当者部署:広報・PR担当者部署:経営者・責任者レベル:実践レピュテーション管理口コミ対策、風評被害対策、口コミ分析
会社名検索で悪い口コミを見つけた担当者が、パソコンとスマートフォンを確認しながら初動対応を考えている様子

会社名を検索したとき、悪い口コミや「怪しい」「ブラック」といった検索候補、否定的な記事が目立つと、すぐに削除したくなるかもしれません。

ただし、最初に考えたいのは「消せるかどうか」ではありません。まず、①誰の判断にどれだけ影響するか、②今すぐ動く必要があるか、③誰が修正できる情報か、の3点で状況を分けます。

そのうえで、口コミ返信、公式情報の修正、掲載元への対応、検索結果全体の改善、専門家への相談のどこから着手するかを決めます。

この記事では、すでに会社名検索でネガティブ情報が見えている企業向けに、最初の一手を判断する方法を整理します。

炎上・風評被害の予防から初動、法的対応、回復までの全体像は、企業の炎上・風評被害対応の全体像で整理しています。

最初の結論|初動は「影響度・緊急度・修正可能性」の3軸で分ける

会社名検索でネガティブ情報が見つかったときは、表示された言葉の強さだけで対策を決めないことが重要です。

最初に「影響度」「緊急度」「修正可能性」の3軸で整理すると、どこから着手すべきかを判断しやすくなります。

会社名検索のネガティブ情報を影響度・緊急度・修正可能性の3軸で診断し、最初の対応を決める図

ネガティブ情報を見つけたら、表示内容の強さだけで決めず、影響度・緊急度・修正可能性の3方向から初動を判断します。

診断軸 確認すること 優先度が上がりやすい状態
影響度 誰が、どの判断の前に見る情報か 問い合わせ、応募、商談、取引判断の前に見られやすい
緊急度 時間とともに被害が広がっているか なりすまし、個人情報、脅迫、急速な転載、実害がある
修正可能性 誰が情報を変更・削除できるか 自社管理情報、掲載元の誤記、規約違反が疑われる投稿など

同じ「悪い情報」でも、最初の対応は異なります。

自社サイトの会社情報が古いのであれば、自社で修正できます。実際の利用体験に基づく低評価口コミであれば、削除申請よりも事実確認や返信、サービス改善が先になることがあります。

一方、なりすましや権利侵害が疑われる投稿であれば、表示内容を保存したうえで、掲載元への報告や専門家への相談を優先した方がよい場合があります。

影響度|「誰の判断に影響するか」で優先順位を決める

影響度を見るときは、投稿の言葉の強さだけではなく、その情報を誰が、どのタイミングで見るのかを確認します。

広報、経営、採用のそれぞれで、同じ口コミが持つ意味は変わります。

たとえば、商品やサービスの利用を検討している人が会社名や評判を検索した際、第三者の口コミは比較材料の一つになります。

2024年に公表されたオンラインレビュー研究のメタ分析では、156研究、214の効果量、69,006件の観測を統合した結果、レビューに関する複数の要因と購買意向との関連が確認され、なかでもレビューの肯定・否定の方向性は比較的大きな関連を示しました。

この研究は日本企業の会社名検索だけを対象にしたものではありませんが、第三者レビューを「見られているだけの情報」として扱わない方がよいことを考える材料になります。

採用でも第三者情報は無視できません。

2019年に米国の大学生148人を対象に行われた実験では、第三者による企業レビューの肯定・否定が企業の魅力度評価に影響し、その評価が応募意向と関連しました。対象国や被験者が限定された研究であり、日本の採用活動へそのまま当てはめることはできませんが、求職者が企業自身の発信だけでなく第三者情報も判断材料にする可能性を考える参考になります。

初動では、次の3点を確認します。

  • 誰が見る可能性があるか:見込み客、求職者、取引先、既存顧客など
  • どの判断の前に見られるか:問い合わせ、応募、商談、契約、来店など
  • 1か所だけか、検索結果や口コミ、SNSなど複数の場所で同じ不安が見えるか

ここで行うのは、平常時の網羅的なブランド監査ではありません。

いま見えているネガティブ情報が、事業上の判断にどこまで近い場所にあるかを確認するための初動診断です。

緊急度|不快さではなく被害の進行性で判断する

緊急度が高いのは、単に評価が低い場合ではなく、時間の経過によって被害が広がりやすいケースです。

なりすまし、個人情報の公開、脅迫、権利侵害が疑われる投稿、急速な転載、取引や採用への具体的な支障などが確認されている場合は、通常の口コミ返信より先に対応先を切り替える必要があります。

緊急度 状態の例 最初の対応
高 権利侵害の疑い、なりすまし、個人情報、脅迫、急速な拡散、実害 URLや画面を保存し、掲載元への報告や必要に応じた専門相談
中 検索上位で継続して見える、複数媒体で同じ不安情報が見える 事実確認後、公式情報修正・返信・掲載元対応などを選ぶ
低 単発の低評価、実体験に基づく不満、露出範囲が限定的 事実確認、返信、サービス改善などから検討

インターネット上の名誉毀損やプライバシー侵害などについて、法務省は削除依頼の方法や法務局への相談窓口を案内しています。自力での対応が難しい場合、法務局が削除依頼方法を助言し、人権侵害に該当すると判断した情報についてプロバイダなどへ削除要請を行う場合もあります。

また、情報流通プラットフォーム対処法では、対象となる大規模プラットフォーム事業者に対し、権利侵害情報の削除申出を受けた場合の調査・通知などに関する義務が定められています。施行規則では、原則となる通知期間が7日とされていますが、これは「7日以内に必ず投稿が削除される」という意味ではありません。

修正可能性|最初の対応先を5つに分ける

次に、「誰がその情報を直せるのか」を確認します。

初動では、削除方法や検索対策の細かな手順まで決める必要はありません。まず、次の5つのうちどこへ進む問題なのかを分けます。

会社名検索のネガティブ情報を問題の種類ごとに5つの初動対応へ振り分けるフロー図

同じネガティブ情報でも、実体験の口コミ、情報の誤り、規約違反、検索上の問題、権利侵害では最初に進む対応先が異なります。

対応先 向いている状態 最初にすること
口コミ返信 実体験に基づく不満で、明確な規約違反とは判断しにくい 事実関係を確認し、必要なら公開返信
公式情報修正 自社サイトや公式プロフィールの情報が古い・不足している 自社が管理できる情報を修正
掲載元・プラットフォーム対応 虚偽、スパム、なりすまし、規約違反が疑われる URLや画面を保存し、該当規約を確認して報告
検索結果全体の改善 投稿そのものを消せないが、古い・偏った情報が検索で目立つ 正確な公式情報や現在の情報を整える
専門相談 権利侵害判断、複数媒体への拡散、重大な信用問題、対応先が判断できない 状況と経緯を整理して相談

Google ビジネス プロフィールでは、低評価だからという理由だけで口コミが削除されるわけではありません。

Googleは、削除対象をポリシーに違反する口コミとしており、単に内容が気に入らないという理由で報告しないよう案内しています。一方、口コミへの返信は、利用者の意見を尊重していることを示す手段として案内されています。

そのため、実際の利用体験に基づく厳しい口コミに対しては、「削除できるか」だけを考えるのではなく、事実確認、返信、現場改善を組み合わせる方が適している場合があります。

反対に、実体験に基づかない投稿、報酬と引き換えの口コミ、複数アカウントを使った評価操作、競合他社を傷つける目的の投稿、なりすましなどはGoogle マップのポリシーで禁止されています。

ケース別|最初に進む対応先

低評価口コミや古い会社情報、なりすまし、検索上位記事、SNS拡散などケース別の初動対応を整理した図

Google口コミで削除対象になり得る条件や申請・再審査の具体的な手順は、Googleの悪い口コミを削除する方法で確認できます。

最初に取る行動は、低評価口コミ、情報の誤り、なりすまし、検索上位表示、複数媒体への拡散など、起きている問題によって変わります。

実際の顧客から低評価口コミが投稿された場合

最初に確認するのは、投稿者を攻撃する材料ではなく、社内で確認できる事実です。

利用履歴、問い合わせ履歴、現場で起きたことを確認し、明確なポリシー違反が見当たらない場合は、削除だけを目的に動くより、返信や業務改善を検討します。

公開返信では、個人情報や社内だけで保有している顧客情報を書き込まず、感情的な反論を避けます。

Googleも、否定的な内容であること自体を削除理由とはしていません。

自社や第三者サイトに古い会社情報が残っている場合

自社で管理できるページであれば、まず現在の会社情報へ修正します。

第三者サイトに古い住所、事業内容、役員情報などが掲載されている場合は、掲載元の訂正窓口を確認します。

検索結果だけを見て対処するのではなく、元になっているページの情報が現在も誤っているのかを先に確認することが重要です。

Googleも、検索結果への表示と掲載元サイト上の情報を別のものとして扱っており、元サイトにある情報そのものを消すには、原則としてサイト管理者側での対応が必要だと案内しています。

身に覚えのない口コミやなりすましがある場合

最初に、対象URL、投稿日、アカウント名、表示内容、確認日時が分かる状態を残します。

その後、利用しているサービスの規約を確認し、該当する報告窓口から対応します。

Google マップでは、実体験に基づかない投稿、なりすまし、評価操作などが禁止されています。

「身に覚えがない」というだけで削除が確定するわけではないため、どのポリシーに該当すると考えるのかを分けて確認します。

ネガティブな記事やページが検索上位にある場合

この場合は、「掲載元から情報を消したいのか」「検索結果での見え方を改善したいのか」を分けます。

Googleは、検索結果から特定情報を非表示にできる場合がありますが、Google検索から非表示になっても掲載元サイトの情報そのものが削除されるわけではありません。元情報を削除したい場合は、掲載元への対応が基本になります。

削除の対象になりにくい情報であれば、現在の正確な会社情報や公式情報を整理し、検索する人が古い情報だけで判断しない状態をつくる方向を検討します。

この段階では、具体的な削除申請方法や検索順位を改善する施策まで決める必要はありません。

検索・口コミ・SNSなどで同じ情報が広がっている場合

複数の場所に同じネガティブ情報が見えている場合、1件の口コミへ返信するだけでは問題が残ることがあります。

まず、どこが情報の発端なのか、どこまで転載・引用されているのかを確認します。

そのうえで、自社が直せる情報、掲載元へ依頼する情報、専門判断が必要な情報を分けます。

検索結果、口コミ、SNSなど複数の場所に広がり、広報・採用・営業など複数部門へ影響している場合は、一部署だけで判断せず、対応方針をまとめる必要があります。

自社対応と専門相談の境界

自社で対応しやすいのは、事実関係が確認でき、対象が限定され、修正・返信する主体が明確なケースです。

たとえば、自社サイトの古い情報、通常の顧客口コミへの返信、公式プロフィールの修正などは、社内で進められることがあります。

会社名検索のネガティブ情報について、自社で対応しやすいケースと専門相談を検討するケースの境界を比較した図

修正主体と問題範囲が明確なら社内で進めやすい一方、権利侵害の判断や複数媒体への拡散などは専門相談を検討します。

一方、次のような場合は専門相談を検討します。

  • 名誉毀損やプライバシー侵害など法律上の判断が必要
  • 同じ情報が複数サイトやSNSへ広がっている
  • 採用辞退、取引停止、問い合わせ減少など具体的な影響が出ている
  • 経営者や従業員の個人情報が掲載されている
  • 削除、返信、公式情報修正、検索対策のどこから着手すべきか判断できない

法律上の判断や相手方との交渉が必要な場合は、弁護士など適切な専門家への相談が必要です。

検索結果の見え方、口コミ、公式情報、複数媒体にまたがるブランド上の問題を整理したい場合は、検索やレピュテーション対策の専門会社へ相談する方法があります。

初動で避けたい5つの対応

会社名検索で悪い情報を見つけた直後ほど、対応を急ぐあまり問題を広げることがあります。

1. 事実確認前に強い反論を公開する

社内で事実を確認する前に投稿者を否定すると、訂正が必要になったり、やり取り自体が拡散されたりするおそれがあります。

2. 低評価口コミをすべて削除対象と考える

否定的な口コミでも、規約違反でなければ削除対象にならない場合があります。Googleも、気に入らないという理由だけで報告しないよう案内しています。

3. 表示状態を残さずに連絡する

後から状況を整理できるよう、対象URL、画面、確認日時、検索語などを残してから対応先を決めます。

4. 良い口コミを不自然に増やして打ち消そうとする

Google マップでは、報酬付き口コミ、評価操作、否定的な口コミだけを避けるための選別的な依頼などが禁止されています。

5. 1つの画面だけを見て結論を出す

同じ問題でも、検索候補、検索結果、口コミページ、SNSでは原因や修正主体が異なります。「どこに出ているか」を確認してから対応先を選びます。

初動診断チェックリスト

会社名検索でネガティブ情報が目立ったら、次の順番で確認します。

  • [ ] 問題となっているURL・検索画面・投稿内容を保存した
  • [ ] いつから表示されているか分かる範囲で確認した
  • [ ] 顧客・求職者・取引先のうち誰に影響するか整理した
  • [ ] 現在、具体的な問い合わせ・採用・取引への影響が出ているか確認した
  • [ ] 自社情報の誤り、実体験の口コミ、規約違反の疑い、権利侵害の疑いを分けた
  • [ ] 自社修正、口コミ返信、掲載元対応、検索結果改善、専門相談のどこへ進むか決めた
  • [ ] 法律上の判断が必要な内容を社内だけで断定していない

すべてを一度に解決する必要はありません。

初動の目的は、問題を完全に消すことではなく、間違った対応先へ進まないことです。

まとめ

会社名検索で悪い口コミやネガティブ情報が目立ったときは、「削除できるか」から考えるのではなく、次の3軸で状況を整理します。

  • 影響度:誰のどの判断に影響するか
  • 緊急度:時間とともに被害が広がっているか
  • 修正可能性:誰が情報を変更・削除できるか

そのうえで、口コミ返信、公式情報修正、掲載元・プラットフォーム対応、検索結果全体の改善、専門相談のどこから着手するかを決めます。

実際の不満なら返信や業務改善、古い公式情報なら自社修正、規約違反が疑われる投稿なら掲載元への報告、権利侵害の判断が必要なら法律の専門家への相談というように、問題の種類によって最初の一手は変わります。

検索結果、口コミ、SNSなど複数の場所に問題がまたがり、自社だけでは優先順位を決めにくい場合は、対象URL、検索画面、発生時期、現在困っている影響を整理したうえで無料相談を利用すると、どこから対応すべきかを切り分けやすくなります。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • Google「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」
    ポリシー違反口コミの報告条件、審査について参照。
    Google ビジネス プロフィール ヘルプ

  • Google「ユーザーからのクチコミを管理する」
    口コミ返信の考え方について参照。
    Google ビジネス プロフィール ヘルプ

  • Google「禁止または制限されているコンテンツ」
    虚偽投稿、なりすまし、評価操作、インセンティブ付き口コミ等のポリシーを参照。
    Google マップ ユーザー投稿コンテンツポリシー

  • Google「Content removal options outside of Google Search」
    検索結果からの非表示と掲載元での削除の違いを参照。
    Google Search Help

  • 法務省「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」
    誹謗中傷・プライバシー侵害時の削除依頼、法務局への相談について参照。
    法務省

  • e-Gov法令検索「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」「同施行規則」
    大規模特定電気通信役務提供者による申出対応・通知期間について参照。
    e-Gov 法令検索・法律
    e-Gov 法令検索・施行規則

  • Qiu et al. “How online reviews affect purchase intention: A meta-analysis across contextual and cultural factors.” Data and Information Management, 2024. DOI: 10.1016/j.dim.2023.100058
    オンラインレビューと購買意向の関係を考える補助資料として使用。
    ScienceDirect

  • Carr, C. T. “Have you heard? Testing the warranting value of third-party employer reviews.” Communication Research Reports, 2019. DOI: 10.1080/08824096.2019.1683529
    第三者による企業レビューと組織魅力度・応募意向の関係を考える補助資料として使用。
    Taylor & Francis

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