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採用代行・RPOへ相談する前に準備する7項目|職種・人数・媒体・ATS・選考体制を整理

部署:人事・採用担当者部署:経営者・責任者レベル:実践採用 DX、採用サイト、採用ブランディング採用マーケティング
採用代行・RPOへの相談前に必要な情報をデスクで整理する人事担当者の手元

採用代行・RPOを検討し始めても、「外注したい範囲がまだ決まっていない」「何を準備して相談すればよいか分からない」という段階は珍しくありません。

初回相談の前に、正式な要件定義まで完成させる必要はありません。まず整理したいのは、採用したい職種・人数・期限と、現在使っている求人媒体やATS、選考の流れ、候補者対応、社内で困っている業務です。

この記事では、RPOへの相談を具体化するために必要な情報を7項目に分け、今すぐ準備するものと相談後に決めればよいものを整理します。読み終えた時点で、外注範囲が未確定でも初回相談へ持ち込める「相談前メモ」を作れる状態を目指します。

初回相談では正式な要件定義まで完成させなくてよい

採用代行・RPOへの初回相談で重要なのは、依頼内容を完全に決めることではなく、「何を採用したいのか」「今どこで困っているのか」を相手が把握できる状態にすることです。

RPOは、求人媒体の運用、スカウト、応募者対応、面接日程調整、採用データの整理など、支援会社によって対応範囲が異なります。そのため、相談する企業側が最初から外注範囲を一つに絞り込む必要はありません。

むしろ初回相談では、情報を次の3つに分けておくと話を進めやすくなります。

状態 整理方法 例
決まっている そのまま共有する 営業職を3名、12月までに採用したい
分かっている 現状を共有する 求人媒体2つとATSを利用中
決まっていない 相談事項として残す スカウトと応募者対応のどちらを外注するか未定

「未定」を無理に決めてから相談する必要はありません。

初回相談の目的は、現在地を共有し、どの業務に外部支援を使う余地があるかを整理することです。詳細なKPI、成果物、責任分担、契約条件などは、その後の要件整理で具体化できます。

RPOへの相談前に準備する7項目

初回相談の前には、採用目標だけでなく、現在使っている媒体やATS、応募から採用までの状況、社内の選考体制まで確認しておくと、相談内容が具体的になります。

すべてを正確な資料にまとめる必要はありません。分かる範囲から、次の7項目を一枚に整理してみてください。

RPOへの初回相談前に整理する採用目標、媒体、ATS、採用状況、選考体制など7項目の全体図

初回相談では、7項目すべてを確定させる必要はありません。分かる情報と未確定の情報を一枚に集めることが準備の第一歩です。

項目 最低限整理する内容 不明でも相談できる内容
1. 採用職種・人数・期限 職種、採用予定人数、希望時期 詳細な人物像、細かなKPI
2. 現在の募集方法 求人媒体、スカウト、人材紹介、自社採用サイトなど 各施策の細かな評価
3. ATS・管理方法 ATS名、スプレッドシート等の利用状況 外部共有の具体的な設定
4. 現在の採用状況 応募、面接、内定、承諾のおおよその件数 精密な歩留まり分析
5. 社内選考体制 誰が書類確認・面接・採否判断をするか 詳細な役割分担表
6. 候補者対応 誰が連絡し、どこで負担や遅れがあるか 新しい連絡ルール
7. 外注候補 任せたい業務、困っている業務 最終的な外注範囲

1. 採用職種・人数・期限

最初に整理するのは、「誰を、何人、いつまでに採用したいか」です。

最低限、職種名、雇用区分、勤務地、目標人数、希望する採用時期が分かれば、相談の起点になります。

たとえば「中途採用を強化したい」だけでは、必要な支援量を判断しにくくなります。

一方で、「東京勤務の営業職を3名、12月までに採用したい」と分かれば、現在の応募状況や媒体、採用担当者の工数と照らして話を進められます。

詳細な採用ペルソナや職種別KPIまで作り込めていなくても、初回相談は可能です。

2. 現在使っている求人媒体・採用チャネル

現在の募集方法を一覧にします。

たとえば、次のようなものです。

  • 求人媒体
  • ダイレクトスカウト
  • 人材紹介会社
  • 採用サイト
  • SNS
  • リファラル採用
  • ハローワーク

ここでは「成果が良いか悪いか」まで結論を出す必要はありません。

どの媒体を利用しているか、いつから使っているか、誰が運用しているかを共有できれば、RPO側も「既存施策を引き継ぐのか」「新しい施策が必要か」を確認しやすくなります。

3. ATSと応募者情報の管理方法

ATSは、Applicant Tracking Systemの略で、応募者情報や選考状況を管理する採用管理システムです。

RPOへ応募者対応や面接調整、進捗管理を任せる場合、現在のATSをそのまま利用するのか、どの情報まで共有するのかが実務上の重要な確認事項になります。

初回相談前には、少なくとも次を確認しておきます。

  • 利用しているATS名
  • 応募者情報を管理している場所
  • 現在の管理者
  • 外部アカウントを発行できるか
  • CSV等でデータを出力できるか
  • 過去の応募者データが残っているか

この段階で権限設定まで決める必要はありません。

ただし、応募者の個人データを外部事業者へ取り扱わせる場合、委託元には委託先への必要かつ適切な監督が求められます。個人情報保護委員会は、委託する業務に必要のない個人データを提供しないことや、委託先の安全管理措置を確認することも示しています。

そのため、「ATSを使っている」という情報だけでなく、「どの情報を外部と共有することになりそうか」まで相談項目に入れておくとよいでしょう。

採用担当、ATS、RPO間で応募者情報を共有する際の範囲とアクセス権限を示した図

ATSを外部と共有する場合は、システム名だけでなく、どの応募者情報を誰が扱うのかまで確認します。

4. 応募から採用までの現在地

応募数、面接数、内定数などの数字が分かれば、相談時に共有します。

ただし、初回相談前に精密な採用分析まで終える必要はありません。

たとえば直近3か月について、

  • 応募は月20〜30件程度
  • 書類選考で大きく減っている
  • 面接設定に時間がかかっている
  • 内定は出るが承諾につながりにくい

といった情報でも十分に会話の材料になります。

数字が取れていない場合は、「現在は集計できていない」と伝えること自体が重要です。

RPOへ何を依頼するかを考えるときは、改善したい数字だけでなく、そもそも現状を測定できる状態かどうかも確認する必要があります。

5. 社内の選考体制

次に、「現在、誰が何を担当しているか」を簡単に整理します。

業務 現在の担当者
求人票の作成 人事
応募者の確認 人事
書類選考 現場責任者
面接日程調整 人事
一次面接 部門責任者
最終面接 役員
採否判断 採用責任者・役員
候補者への連絡 人事

ここで重要なのは、「作業」と「判断」を分けることです。

採用業務を候補者連絡や日程調整などの作業と選考基準や採否判断に分けた役割整理図

RPOへの相談では、外部へ任せる作業だけでなく、選考基準や採否判断の責任者も整理しておくと役割分担を決めやすくなります。

厚生労働省は、採用選考について、応募者の基本的人権を尊重し、応募者の適性・能力に基づく基準で行うことを基本としています。

候補者への連絡や日程調整などを外部へ任せる場合でも、採用基準や採否判断を誰が担うのかは明確にしておく必要があります。

また、外部事業者が求人者と求職者の間に入り、自らの判断で情報を選別・加工したり、意思疎通を加工したりする場合は、業務内容によって職業紹介に該当することがあります。厚生労働省は個別サービスの該当性について都道府県労働局への確認を案内しています。

2026年9月14日から適用される職業紹介事業の業務運営要領も公開されています。業務範囲を決める際は、依頼先が必要な許可等を備えているかを含め、実際のサービス内容に応じて確認することが重要です。

6. 候補者対応で困っていること

採用代行を検討するときは、社内担当者の工数だけでなく、候補者から見た選考体験も確認します。

たとえば、

  • 応募後の返信が遅れる
  • 面接日程の調整に時間がかかる
  • 担当者によって案内内容が異なる
  • 選考状況の連絡が遅れる
  • 候補者から同じ質問を繰り返し受ける

といった状況です。

採用選考に対する応募者の受け止め方は、その企業への評価とも無関係ではありません。

Hausknechtらのメタ分析では、86の独立サンプル、計48,750人を分析し、選考を肯定的に受け止めた応募者ほど企業を好意的に評価し、内定受諾や他者への推奨の意向も強い傾向が報告されています。

また、Chapmanらが71研究・667の関係を分析したメタ分析では、採用担当者の行動や採用プロセスへの認識などが、企業への魅力度や応募・受諾に関する意向と関連していました。

海外研究を日本企業へそのまま当てはめることはできませんが、RPOへ候補者対応を任せる際に、「処理件数」だけでなく候補者への連絡方法も共有すべき理由を考える材料になります。

7. 外注したい業務の候補

最後に、外部へ任せたい業務を仮置きします。

ここでも一つに決める必要はありません。

たとえば、

  • スカウトだけ任せたい
  • 応募者対応と面接調整を任せたい
  • 媒体運用からまとめて相談したい
  • 採用データの整理から相談したい
  • 何を外注すべきか自体を相談したい

という状態でも構いません。

「外注範囲が決まっていないから相談できない」のではなく、どこに負担や課題があるかを持ち込んで、支援可能な範囲を確認するのが初回相談です。

準備する情報は「必須・あると良い・相談後」の3段階に分ける

初回相談のために、詳細な資料を何週間もかけて作る必要はありません。

情報を3段階に分けると、準備しすぎを防げます。

RPOへの初回相談前、あると相談しやすい情報、相談後に具体化する項目を3段階で示した図

詳細なKPIや正式な業務範囲まで相談前に決める必要はありません。まず現在地を共有し、詳細は相談後に具体化します。

タイミング 主な情報
初回相談までに準備 採用職種、人数、期限、現在の募集方法、ATSの有無、社内選考の流れ
あると相談しやすい 応募数、面接数、内定数、候補者対応の負担、既存テンプレート、媒体別の状況
相談後に具体化 詳細KPI、正式な業務範囲、責任分担、報告方法、成果物、運用ルール、契約条件

初回相談と正式な要件定義を分けることがポイントです。

相談前にすべてを決めてしまうと、「そもそもどの業務を任せるべきか」という相談の余地がなくなります。

一方、何も整理せず「採用がうまくいかないので全部任せたい」と相談すると、現在地の確認だけで時間を使いやすくなります。

最低限の現状情報だけをまとめ、未確定事項は未確定のまま共有するのが現実的です。

初回相談では6つの質問で支援可能範囲を確認する

事前情報を整理したら、初回相談では会社比較より先に「自社の現状に対して何を支援できるか」を確認します。

RPOへ任せる範囲と社内に残す役割を整理する場合は、「採用改善の体制構築」もあわせて確認してください。

次の6つを聞くと、相談を具体化しやすくなります。

  1. この採用目標に対して、最初に確認すべき課題は何か
  2. 現在の求人媒体やATSをそのまま使えるか
  3. 現在の採用業務のうち、どこまで支援対象にできるか
  4. 反対に、社内に残す必要がある業務・判断は何か
  5. 支援内容を具体化するために、追加で必要なデータは何か
  6. 正式な提案や要件整理までに、社内で決めるべきことは何か

この段階では、料金表や会社ランキングだけで結論を出す必要はありません。

まず「自社の状況を理解した上で、次に何を整理すべきかが明確になるか」を確認すると、その後の要件定義へ進みやすくなります。

そのまま使えるRPO初回相談前メモ

初回相談では、次の形式で一枚にまとめておけば十分です。

項目 記入内容
採用職種
雇用区分・勤務地
採用目標人数
希望時期
利用中の求人媒体・採用チャネル
利用中のATS・管理方法
応募・面接・内定・承諾の現状
現在の社内担当者
候補者対応で困っていること
外注したい業務の候補
社内に残したい業務・判断
現時点で分からないこと

空欄があっても問題ありません。

特に「現時点で分からないこと」を残しておくと、初回相談で何を確認したいのかが明確になります。

まとめ

採用代行・RPOへ初めて相談するときは、正式な外注要件を完成させる必要はありません。

まず整理したいのは、採用職種・人数・期限、現在の媒体、ATS、採用の進捗、社内選考体制、候補者対応、外注したい業務の候補です。

大切なのは、「決まっていること」と「まだ分からないこと」を分けることです。

現在の採用目標や利用中の媒体、ATS、社内体制まで整理できれば、外注範囲が未確定でも具体的な相談を始められます。

一方で、詳細なKPI、責任分担、成果物、報告方法、契約条件まで決める工程は、初回相談の後に進めれば構いません。

自社だけでは「何を外部へ任せるべきか」まで整理できない場合は、現在の採用状況を持ち込み、無料相談で課題の優先順位と支援可能な範囲を確認する方法があります。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • 厚生労働省「採用選考時の基本的な考え方・公正な採用選考の基本」。応募者の基本的人権の尊重、適性・能力に基づく採用基準の確認に使用。 厚生労働省の資料を見る
  • 厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分について」。職業紹介の定義、外部事業者が行う選別・加工・意思疎通への関与の確認に使用。 厚生労働省の資料を見る
  • 厚生労働省「令和8年9月14日から適用される職業紹介事業の業務運営要領」。職業紹介事業に関する最新の運用資料確認に使用。 厚生労働省の業務運営要領を見る
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」。個人データを外部へ委託する場合の委託先監督に関する確認に使用。 個人情報保護委員会のガイドラインを見る
  • Hausknecht, J. P., Day, D. V., & Thomas, S. C.(2004), “Applicant Reactions to Selection Procedures: An Updated Model and Meta-Analysis”, Personnel Psychology, 57. 選考に対する応募者の認識と企業評価・内定受諾意向等の関係を確認。DOI: 10.1111/j.1744-6570.2004.00003.x。 Wiley掲載ページを見る
  • Chapman, D. S., Uggerslev, K. L., Carroll, S. A., Piasentin, K. A., & Jones, D. A.(2005), “Applicant attraction to organizations and job choice: a meta-analytic review of the correlates of recruiting outcomes”, Journal of Applied Psychology, 90(5), 928–944. 採用プロセス・採用担当者の行動と応募者の企業魅力度等との関係を確認。DOI: 10.1037/0021-9010.90.5.928。 PubMed掲載ページを見る

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