Googleビジネスプロフィールの担当者が異動・退職するときは、Googleアカウントの権限だけを変更して終わりではありません。
店舗ごとの営業時間、投稿予定、使用する写真、口コミの返信状況、社内の確認先、未対応事項まで引き継がなければ、担当者が変わった直後からGoogle検索・Googleマップ上の情報更新が止まる可能性があります。
特に注意したいのがオーナー権限です。Googleでは、新しく追加されたオーナーや管理者について、一部の重要な操作に7日間の制限があります。そのため、退職日の当日に初めて権限を整理するのではなく、交代が決まった段階から準備する必要があります。
この記事では、社内担当者の変更に範囲を絞り、権限と日常運用の両方を止めずに引き継ぐ手順を整理します。
Googleビジネスプロフィールの引き継ぎは「権限・運用・判断」の3つを渡す
担当者変更時は、ログインできる状態を作るだけでは不十分です。
引き継ぐ情報を「権限」「運用」「判断」の3つに分けると、抜け漏れを減らせます。
| 引き継ぐもの | 主な内容 | 引き継げていない場合に起こること |
|---|---|---|
| 権限 | メインのオーナー、オーナー、管理者、担当店舗 | 新担当者が編集できない、前任者を削除できない |
| 運用 | 営業時間、投稿予定、写真、口コミ返信、更新予定 | 情報更新や口コミ対応が止まる |
| 判断 | 社内承認先、返信ルール、緊急時の連絡先、未対応事項 | 新担当者が判断できず対応が保留になる |

担当者変更では、ログイン権限だけでなく、日常運用と社内の判断ルールまで新担当者へ渡す必要があります。
Googleビジネスプロフィールでは、オーナーと管理者がビジネス情報の編集や投稿、口コミ返信などを行えます。一方、ユーザーの追加・削除はオーナーだけが行えます。
つまり、日常業務を引き継ぐことと、管理権限そのものを引き継ぐことは別の作業です。
担当者変更が決まったら、まず現在の権限を確認する
最初に確認するのは「誰がどの店舗を、どの権限で管理しているか」です。
複数店舗の場合は、1店舗ずつ確認するのではなく、店舗一覧とユーザー一覧を対応させて整理します。
確認するのはメインのオーナー・オーナー・管理者
Googleビジネスプロフィールには、オーナーと管理者の役割があります。
また、複数のオーナーのうち1人だけが「メインのオーナー」になります。
| 権限 | 日常の情報編集 | 投稿・口コミ返信 | ユーザー追加・削除 | メインのオーナー移管 |
|---|---|---|---|---|
| メインのオーナー | ○ | ○ | ○ | ○ |
| オーナー | ○ | ○ | ○ | × |
| 管理者 | ○ | ○ | × | × |
Google公式では、他のオーナーや管理者のアクセス権を変更できるのはオーナーのみで、メインのオーナー権限を譲渡できるのは現在のメインのオーナーです。
そのため、前任者がメインのオーナーになっている場合は、退職前に必ず確認しておきます。
パスワードを新担当者へ渡す方法は使わない
担当者変更で避けたいのが、前任者のGoogleアカウント自体を新担当者へ渡す方法です。
Googleは、各ユーザーがそれぞれのGoogleアカウントを使い、オーナーまたは管理者として招待する仕組みを用意しています。パスワードを共有しなくても共同管理できます。
前任者のアカウントを使い続けるのではなく、新担当者自身の会社管理下のGoogleアカウントへ適切な権限を付与します。
新担当者は退職日の7日以上前を目安に追加する
メインのオーナー権限まで変更する場合、担当者交代の当日に作業を始めるのは避けます。
Googleでは、新しくオーナーまたは管理者になったユーザーについて、追加後7日間は次のような一部操作が制限されます。
- 他のオーナーや管理者を削除する
- プロフィールを削除または削除を取り消す
- 自分または他のユーザーをメインのオーナーにする
招待を承諾すると日常の管理は開始できますが、権限整理まで含めて当日に完了できるとは限りません。
退職日や異動日が決まっている場合は、少なくとも7日以上の余裕を持って新担当者を追加しておくと進めやすくなります。
担当者変更時に引き継ぐ項目を店舗ごとに整理する
権限設定が終わったら、実際の運用情報を引き継ぎます。
複数店舗の場合は「口頭で説明した」で終わらせず、店舗別の引き継ぎ表を残す方法が有効です。
1. 店舗の基本情報と変更予定
まず、現在Google上に表示されている情報と、今後変更する予定の情報を整理します。
確認する項目は次のとおりです。
- 店舗名
- 住所
- 電話番号
- 通常営業時間
- 特別営業時間
- ウェブサイト
- カテゴリ
- サービス・商品情報
- 変更申請中の項目
- 今後変更予定の項目
Googleは、住所、営業時間、連絡先、写真などを更新し、ビジネス情報を正確かつ最新に保つよう案内しています。
特に年末年始や祝日、臨時休業などが近い時期に担当者が変わる場合は、特別営業時間の設定予定まで引き継ぎます。Google検索やGoogleマップの営業時間は、来店候補者が営業状況を判断する情報になるためです。
2. 投稿予定と使用する写真
次に、公開済みの情報だけでなく「これから公開する情報」を引き継ぎます。
例えば、次の内容です。
- 今月の投稿予定
- キャンペーン・イベント予定
- 投稿原稿の保存場所
- 使用予定の写真
- 使用してはいけない写真
- 写真の確認・承認担当者
- 店舗から素材を集める方法
Googleビジネスプロフィールでは、写真や動画を追加して店舗・商品・サービスの情報をユーザーに伝えられます。
前任者しか素材の保存場所を知らない状態では、権限を引き継いでも運用が止まります。
3. 口コミの返信状況
口コミは「返信済みかどうか」だけではなく、対応途中のものまで引き継ぎます。
店舗別に次の状態を分けておくと、新担当者が判断しやすくなります。
| 状態 | 引き継ぐ内容 |
|---|---|
| 返信済み | 原則として対応不要 |
| 未返信 | 返信担当者と期限 |
| 店舗確認中 | 誰へ何を確認しているか |
| 本部確認中 | 承認者と確認内容 |
| 対応判断が必要 | 返信・非返信・報告などの判断先 |
Googleでは、口コミへの返信は公開され、投稿者にも通知されます。
そのため、前任者が返信文を作成途中だった場合や、店舗への事実確認中だった場合は、経緯も残しておく必要があります。
4. 社内承認先と対応ルール
担当者の頭の中にしかない判断基準も引き継ぎ対象です。
例えば、
- 通常の口コミは誰が返信してよいか
- 低評価口コミは誰へ確認するか
- 事故・クレーム・個人情報を含む投稿は誰へ報告するか
- 営業時間変更は誰の承認が必要か
- 店舗写真の公開を誰が確認するか
- 投稿内容を誰が最終承認するか
を明確にします。
「操作できる人」と「公開を判断できる人」を分けておくことがポイントです。
5. 外部連携と未対応事項
Googleビジネスプロフィール単体だけで運用していない場合は、関連する管理情報も確認します。
例えば、Google広告とのリンク、予約・注文などのサービス、順位計測表、口コミ管理表、店舗からの情報収集フォームなどです。
そのうえで、前任者が抱えている未対応事項を「店舗・内容・期限・次の行動・確認先」の5項目で残します。
社内担当者だけでなく外部のMEO支援会社も同時に切り替える場合は、多店舗MEOの外注先を切り替える方法で権限・口コミ・計測データの移行も確認してください。
引き継ぎ表は「1店舗1行」で管理する
複数店舗では、資料を店舗ごとに分けすぎると全体像が分からなくなります。
最低限の管理項目を1つの一覧にまとめると、引き継ぎ状況を確認しやすくなります。
| 店舗 | メインのオーナー | 新担当者 | 権限付与 | 営業時間確認 | 投稿予定 | 未返信口コミ | 未対応事項 | 最終確認日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A店 | 確認済み | 設定済み | 完了 | 完了 | 2件 | 1件 | 写真差替え | 9/10 |
| B店 | 確認済み | 設定済み | 完了 | 要確認 | 0件 | 0件 | 特別営業時間 | 9/10 |
| C店 | 要確認 | 未設定 | 未完了 | 完了 | 1件 | 2件 | 店長確認待ち | 9/10 |
重要なのは、情報の有無だけでなく「まだ終わっていない仕事」が見えることです。

複数店舗では「誰が担当するか」だけでなく、店舗ごとに残っている作業を一覧で確認できる状態にします。
担当者交代後にトラブルになるのは、完成済みの情報より、前任者しか進捗を知らない途中タスクだからです。
担当者変更は「14日前・7日前・前日・変更後」で進める
引き継ぎは、退職日や異動日から逆算すると整理しやすくなります。

新担当者の追加は、退職・異動当日ではなく7日以上前から準備すると、権限整理を進めやすくなります。
| 時期 | 主な作業 |
|---|---|
| 約14日前 | 対象店舗、現在の権限、メインのオーナーを確認 |
| 7日以上前 | 新担当者を招待し、必要な権限を付与 |
| 7日前〜前日 | 店舗情報、投稿、写真、口コミ、承認先、未対応事項を共有 |
| 前日 | 新担当者が全店舗へアクセスできることを確認 |
| 変更後 | 必要に応じてメインのオーナーを変更し、前任者の不要な権限を削除 |
前任者を削除するのは、新担当者のアクセスと必要な権限が確認できてからです。
Google公式では、ユーザーを削除しても、そのユーザーが過去に行った口コミ返信、投稿、コメントなどはプロフィールに残ると案内されています。
前任者と連絡が取れない場合はオーナー権限をリクエストする
すでに前任者が退職し、現在のオーナーアカウントへアクセスできない場合は、通常の引き継ぎとは別の対応が必要です。
Googleでは、確認済みのビジネスプロフィールを別のユーザーが所有している場合、現在のオーナーへオーナー権限をリクエストできます。
実店舗・ハイブリッド型ビジネスの場合は、対象のビジネスを選び「アクセス権限をリクエスト」から申請します。
現在のオーナーには通知が届き、3日以内に返信する仕組みです。3日経過しても返信がない場合、プロフィールを申請できる選択肢が表示される場合があります。ただし、常に利用できるとは限りません。
そのため、前任者と連絡できるうちに通常の権限移管を完了するほうが確実です。
複数店舗では担当者個人ではなく「管理の単位」を決める
店舗数が増えるほど、「A店は担当者個人」「B店は本部」「C店は別部署」のように権限構成がばらつきやすくなります。
複数ユーザーで複数店舗を管理する企業では、Googleの「ビジネス拠点グループ」を利用する方法もあります。
Googleは、ビジネス拠点グループを、複数ユーザーで一連のプロフィールを管理し、アクセス権を共有するための仕組みとして案内しています。グループに追加されたユーザーは、権限の範囲に応じてグループ内のプロフィールを管理できます。
ただし、グループ単位で権限を付与すると、対象グループ内の複数プロフィールへアクセスできる場合があります。
「全店舗を見る本部担当者」「特定ブランドだけを見る担当者」「1店舗だけを担当する店舗責任者」のように、必要な範囲を先に決めてから権限を設計します。
担当者交代を機に、全店舗の内製・外注の役割や管理単位まで見直す場合は、MEO導入の体制構築と内製・外注の判断基準も確認してください。
引き継ぎで守るべきなのは管理画面ではなく、ユーザーに見える店舗情報
Googleビジネスプロフィールの引き継ぎは、社内の管理作業だけではありません。

社内の引き継ぎが止まると、営業時間・写真・口コミ対応など、来店候補者が確認する店舗情報にも影響が及びます。
Google検索やGoogleマップを見る来店候補者から見れば、担当者が退職した事情は分かりません。
営業時間が古い、写真が更新されない、口コミへの確認が止まるといった状態は、そのまま店舗情報として表示されます。
Googleも、ビジネスプロフィールの住所・営業時間・連絡先・写真などを最新かつ正確に保つことで、ユーザーが店舗について理解しやすくなると説明しています。
そのため、引き継ぎの成功条件は「新担当者がログインできた」ではなく、「担当者が変わっても店舗情報の更新と顧客対応が継続できている」ことです。
担当者変更後に確認するチェックリスト
担当者変更後は、次の項目を確認します。
- 新担当者が担当する全店舗を表示できる
- メインのオーナーが誰か把握できている
- 必要な店舗で新担当者に適切な権限がある
- 退職者・異動者の不要な権限を整理した
- 営業時間と特別営業時間を確認した
- 今後の投稿予定を確認した
- 使用する写真の保存場所を確認した
- 未返信・確認中の口コミを引き継いだ
- 社内の承認先と緊急連絡先を確認した
- 外部連携・管理表の担当者を変更した
- 未対応事項に担当者と期限を設定した
- 最終確認日を引き継ぎ表へ記録した
1つでも「前任者しか分からない」が残っている場合は、引き継ぎ完了とは考えないほうが安全です。
引き継ぎ項目を一覧で確認したい場合
複数店舗では、権限・店舗情報・投稿・写真・口コミ・承認先・未対応事項を同時に確認する必要があります。
担当者変更時の確認漏れを減らしたい場合は、実務で使えるチェック項目や確認表をまとめた無料ダウンロード資料も活用できます。
無料資料は資料ダウンロードページから確認できます。
よくある質問
退職日の当日に新担当者を追加しても間に合いますか?
日常的なプロフィール管理は招待承諾後から可能ですが、メインのオーナー変更や他ユーザーの削除など、一部の重要操作には新規ユーザー追加後7日間の制限があります。
メインのオーナー移管まで必要な場合は、退職当日に初めて作業する前提にせず、7日以上前から準備してください。
新担当者はオーナーと管理者のどちらにすべきですか?
投稿、営業時間変更、口コミ返信などの日常運用が中心であれば、管理者でも多くの作業ができます。
一方、他ユーザーの追加・削除や権限整理まで担当する社内責任者には、オーナー権限が必要です。
前任者をユーザーから削除すると、過去の投稿や口コミ返信も消えますか?
Google公式では、ユーザーを削除した後も、そのユーザーによる過去の口コミ返信、投稿、コメントなどはビジネスプロフィールに残ると説明しています。
複数店舗すべてに同じ担当者を追加する必要がありますか?
店舗ごとに権限を付ける方法に加え、複数のプロフィールをまとめて管理するビジネス拠点グループも利用できます。
ただし、担当者がアクセスする必要のない店舗まで見える設計にならないよう、ブランド・部署・担当範囲に合わせてグループを分けるか判断してください。
まとめ
Googleビジネスプロフィールの担当者変更では、権限だけでなく、店舗情報・投稿予定・写真・口コミ対応・社内承認・未対応事項まで引き継ぐ必要があります。
特にメインのオーナーが退職予定者になっている場合は、早めの対応が重要です。新しく追加されたオーナーや管理者には一部操作で7日間の制限があるため、退職日や異動日から逆算して準備します。
複数店舗では「誰が管理しているか」だけではなく、「どの店舗で、何が終わっていて、何が残っているか」を一覧化してください。
引き継ぎ完了の基準は、新担当者がログインできることではありません。
担当者が変わった翌日からも、営業時間の更新、投稿、写真管理、口コミ対応などの運用を止めずに続けられる状態を作ることが重要です。
参考文献・データ元
この記事で参照した情報を確認できます。
・「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」 発表元:Google ビジネス プロフィール ヘルプ 公開日・更新日:ページ上で確認できず 対象:オーナー・管理者の権限、追加・削除、役割変更 今回の記事で使用した内容:権限の違い、ユーザー追加・削除、新規ユーザーの制限、削除後の過去投稿等の扱い URL:Google公式ページ
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