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風評被害対策会社の月次レポート|監視・モニタリング・対応結果

部署:広報・PR担当者部署:経営者・責任者レベル:実践レピュテーション管理、口コミ対策風評被害対策
風評被害対策会社の月次レポートをPCと資料で確認し、対応状況を評価する広報担当者の手元

月次レポートで見るべきなのは、件数の多さだけではありません。監視対象に漏れがないか、検知後の初動が適切だったか、案件ごとの対応がどこまで進んだか、検索結果や口コミがどう変化したか、残っている課題は何かまで確認する必要があります。

この記事では、風評被害対策をすでに外注している広報・リスク責任者向けに、今月の支援品質を評価し、翌月の対応優先順位を決めるための見方を整理します。

そもそも口コミ・風評対策をどこまで内製し、どこを外部へ任せるかを整理する場合は、口コミ・風評対策の体制構築の考え方も確認してください。

月次レポートは「件数報告」ではなく翌月の優先順位を決める資料

月次レポートの目的は、監視件数や対応件数を確認して終わることではありません。今月の監視と対応を振り返り、残っているリスクを整理し、翌月に何を優先するか決めることです。

実際に風評被害対策サービスでは、月次レポートで施策の実行状況や検索結果の推移を報告し、その結果に応じて対策を調整する例があります。別のサービスでも、実施した施策、達成した成果、今後の展望を毎月の業務レポートで示すとしています。また、Webリスク監視サービスでは、緊急時の通知に加えて月次トレンドを報告する運用が示されています。

そのため、月次レポートは次の6項目に分けて確認すると判断しやすくなります。

評価項目 月次レポートで確認する内容 判断したいこと
監視対象 対象媒体、検索語、口コミ、SNS、掲示板など 見るべき範囲に漏れがないか
検知・初動 検知日時、通知日時、一次判断、着手状況 重要案件を放置していないか
案件別の対応結果 対象、実施内容、現在の状態、次の対応 1件ごとの進行状況が分かるか
検索・口コミの変化 検索表示、関連語、口コミ状況などの前月比較 対策後に何が変わったか
残っている課題 未解決案件、理由、影響範囲 何を持ち越すのか
次月対応 優先順位、担当、期限、確認方法 来月に何をするのか

月次評価では、契約を継続するかどうかまで毎回結論づける必要はありません。まず今月の支援品質と未解決課題を確認し、次月の優先順位を決めます。月次記録の蓄積は、必要になったときに契約全体を振り返る材料になります。

月次記録の蓄積は、必要になったときに契約全体を振り返る材料になります。契約期間全体を継続・条件変更・乗り換えの観点で評価する段階では、風評被害対策会社との契約を更新するか判断する方法も確認してください。

監視対象は「何件見つけたか」より、見るべき範囲を見ていたかで評価する

監視件数が多くても、自社にとって重要な媒体や検索語が対象外なら十分とは言えません。最初に確認したいのは、契約時に決めた監視範囲と、実際にレポートへ載っている監視範囲が一致しているかです。

口コミ・検索結果・サジェストの監視を自社側でも継続管理する場合は、デジタルリスクCLOUDで監視を一元化する方法もあります。

大塚商会のWebリスクモニタリングでは、設定したキーワードに関する投稿を120以上のメディアから収集し、分析、通知・報告、対応へ進む流れが示されています。重要なのは「120以上」という数字をそのまま基準にすることではなく、自社が依頼している範囲が明示されていることです。

  • 対象媒体:検索結果、口コミ、SNS、掲示板、ニュースなど
  • 対象語:会社名、サービス名、ブランド名、代表者名など
  • 対象条件:地域、店舗、商品、採用など、契約上の対象範囲
  • 変更点:今月追加・除外した媒体や検索語と、その理由

特に注意したいのは、レポート上の「検知ゼロ」をそのまま「問題なし」と読まないことです。対象外の媒体で問題が起きていれば、検知件数には現れません。

前月まで対象だった検索語が消えていないか、新しく問題になった語句や媒体を翌月から追加すべきかまで確認します。

初動は「早い・遅い」ではなく、検知から判断までの時間を分けて見る

初動の評価では、「すぐ対応しました」という説明だけでは判断できません。検知、通知、一次判断、実際の対応開始を分けて確認すると、どこで時間がかかったのか分かります。

風評被害対策の初動を検知、通知、一次判断、対応開始の4段階に分けた時系列図

初動は全体の速さだけでなく、検知から対応開始までのどの段階で時間がかかったかを確認します。

時点 確認する内容
検知 問題となる投稿・検索結果・口コミを確認した時刻
通知 自社へ共有された時刻
一次判断 緊急度や対応可否を判断した時刻
対応開始 実際の対応や関係者連携を始めた時刻

絶対的な「正解の時間」を一律に置くより、契約時の対応条件や案件の緊急度と照らして見る方が実務的です。通常案件は想定どおりでも、影響の大きい案件だけ通知が遅れていれば、優先度判定の運用を見直す必要があります。

月次レポートでは平均時間だけでなく、重要案件ごとの初動も確認します。平均値だけでは、一部の重大案件の遅れが見えにくくなるためです。

案件別の対応結果は「削除できたか」だけで判断しない

案件別評価では、対象ごとに「何を検知し、どう判断し、何を行い、現在どの状態か」を追えることが重要です。削除数だけを成果指標にすると、媒体側のルールや審査状況を無視した評価になりやすくなります。

たとえばGoogleビジネスプロフィールのクチコミは、どの低評価でも削除対象になるわけではありません。Googleは、ポリシー違反のクチコミのみ削除対象になると案内しています。報告後も「判定待ち」「審査完了・ポリシー違反なし」「エスカレーション済み」など複数の状態があります。

したがって、月次レポートでは次のように案件単位で確認します。

項目 記載例
対象 対象URL、口コミ、検索語など
検知内容 何が問題と判断されたか
対応方針 監視継続、媒体への報告、情報整備など
実施状況 実施済み、確認中、審査中など
現在の結果 表示継続、状態変化、解消など
次の対応 再確認日、追加対応、継続監視など

結果が出ていない案件があること自体と、支援品質が低いことは同じではありません。重要なのは、未解決の理由と次の対応が説明されているかです。

一方、「対応中」とだけ書かれ、いつから何をしているのか分からない状態が続くなら、月次定例で具体化を求める必要があります。

検索結果の変化は、同じ条件で比較しないと判断を誤りやすい

検索結果の変化を見る場合は、前月と今月で確認条件をそろえる必要があります。Googleは、検索結果が時間、現在地、言語、デバイス、最近の検索などによって異なる場合があると説明しています。

そのため、「先月は3位、今月は5位だった」と順位だけを並べるのではなく、少なくとも対象検索語と確認日、確認条件をそろえて比較します。対象地域や端末が重要な案件では、その条件も記録します。

先月と今月の検索結果を同じ検索語や地域、端末などの条件で比較する考え方を示した図

検索結果の変化を見るときは、順位だけでなく検索語や地域、端末などの確認条件をそろえることが重要です。

風評被害対策では、単一ページの順位だけでは全体像を捉えにくいことがあります。月次レポートでは、案件に応じて次の変化を確認します。

  • ネガティブなページがどこに表示されているか
  • サジェストや関連する検索語に変化があるか
  • 自社の公式情報が見つけやすくなっているか
  • 口コミの件数や評価だけでなく、問題となる投稿の状態が変わったか
  • 前月に実施した施策の後、どの表示面が変わったか

「変化があった」という事実と、「施策によって変化した」という因果関係は分けて扱います。月次レポートでは、前後の変化を確認したうえで、施策との関係は確認できる範囲で説明してもらうのが安全です。

残っている課題は「未解決件数」ではなく理由と影響度で整理する

月末時点で解決していない案件は、件数だけでなく「なぜ残っているのか」を確認します。次月の優先順位は、未解決件数の多さではなく、影響度と緊急度で決める方が実務に向いています。

たとえば、残っている課題を次の4区分に分けると、定例会で判断しやすくなります。

風評被害対策で残っている課題を影響度と緊急度の2軸で4分類した優先順位マトリクス

未解決案件は件数だけでなく、影響度と緊急度を組み合わせて次月の優先順位を決めます。

影響度 緊急度 次月の扱い
高い 高い 最優先で対応し、期限を決める
高い 低い 継続監視しつつ、対応計画を決める
低い 高い 短時間で処理できるなら早めに対応する
低い 低い 定期確認に回し、優先度を上げすぎない

ここでいう影響度は、検索や口コミでの露出、顧客・求職者・取引先への影響範囲、自社内の重要度などで判断します。緊急度は、拡散の進行、直近の事業イベント、再発の可能性など、案件ごとの事情で見ます。

点数化すること自体が目的ではありません。「なぜ来月この案件を先にやるのか」を社内と対策会社の双方が説明できる状態にすることが目的です。

次月対応は「やります」ではなく対象・担当・期限まで落とす

良い月次レポートは、振り返りだけで終わりません。翌月の行動が具体化されています。

次月対応には、少なくとも次の5点を入れると実行状況を追いやすくなります。

風評被害対策の次月対応を対象、理由、対応、担当と期限、確認方法の5項目で整理するアクションシート

次月対応は方針だけで終わらせず、対象・理由・担当・期限・確認方法まで具体化すると翌月の評価につながります。

  1. 対象:どの検索語、投稿、口コミ、媒体を扱うか
  2. 理由:なぜ優先するのか
  3. 対応:何をするのか
  4. 担当・期限:誰が、いつまでに進めるか
  5. 確認方法:翌月に何を見て進捗を判断するか

たとえば「ネガティブ検索結果を継続監視」だけでは不十分です。「対象検索語Aを週次で確認し、対象ページの表示位置と関連検索語の変化を記録する。月末に前月と同条件で比較する」とすれば、翌月の評価までつながります。

ソーシャルメディア監視に関する研究では、監視プロセスは準備、データ収集、分析、報告などの段階で整理されています。一方、監視結果を実際の戦略判断へつなぐ点には課題があることも指摘されています。月次レポートでも、集めて報告するだけでなく、次の判断へつながっているかが重要です。

月次定例では7つの質問をすれば支援品質を確認しやすい

レポートを読むだけで判断しづらい場合は、定例会で次の7点を確認します。

  • 今月、新たに見つかった重要案件は何ですか
  • 契約上の監視対象で、確認できなかった範囲はありますか
  • 初動が遅れた案件はありますか。あるなら理由は何ですか
  • 前月から継続している案件は、今どの状態ですか
  • 検索結果や口コミで、確認できた変化は何ですか
  • 未解決の課題のうち、影響度が高いものはどれですか
  • 来月、最優先で進める対象と、その判断理由は何ですか

この7点に案件単位で答えられれば、件数の多寡だけでは見えない支援品質を確認できます。

評価しにくい月次レポートには5つの共通点がある

次のような状態が続く場合は、レポートの改善を依頼する余地があります。

  1. 検知件数と対応件数しか載っていない
  2. 「対応中」が多く、案件ごとの現在地が分からない
  3. 検索結果の確認条件が毎月そろっていない
  4. 未解決の理由と次の対応が書かれていない
  5. 次月方針が毎月同じ表現で、優先順位が見えない

対策会社側が多くの作業をしていても、報告の粒度が粗ければ発注側は品質を判断できません。逆に、成果がまだ出ていない案件でも、現在地、制約、次の対応が明確なら、次月の判断材料になります。

月次レポートの評価では、「良い結果が出たか」だけでなく、「何を見て、どう判断し、何を行い、次に何をするか」がつながっているかを確認します。

まとめ

風評被害対策会社の月次レポートは、検知件数だけで評価しないことが重要です。

確認する軸は、監視対象、検知・初動、案件別の対応結果、検索結果や口コミの変化、残っている課題、次月対応の6つです。案件ごとの現在地が追え、未解決の理由が分かり、翌月の優先順位まで決められるレポートなら、毎月の支援品質を具体的に評価できます。

まずは直近の月次レポートを6項目に分け、「記載がない項目」「理由が分からない案件」「次月の行動が曖昧な案件」を洗い出してみてください。

月次レポートだけでは現行の監視範囲や支援品質を整理しきれない場合は、第三者の視点で現状を確認する方法もあります。リブランディング株式会社では、風評被害・レピュテーション対策について無料相談を受け付けています。

  • 株式会社エフェクチュアル「ネット風評被害対策|SORILa」:月次レポートで実行状況と検索結果の推移を報告し、対策を調整する運用を確認。 参照ページ
  • 株式会社ブランドクラウド「料金プラン」:毎月の業務レポートで、実施施策、成果、今後の展望を報告する内容を確認。 参照ページ
  • 株式会社大塚商会「Webリスクモニタリング」:収集、分析、通知・報告、対応の流れと月次トレンド報告を確認。 参照ページ
  • Google「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」:クチコミ削除の対象条件と報告後のステータスを確認。 Google公式ヘルプ
  • Google「Google 検索の検索結果が他のユーザーと異なる理由」:時間、現在地、言語、デバイス等による検索結果差を確認。 Google公式ヘルプ
  • Ruggiero, A. & Vos, M.(2014)“Social Media Monitoring for Crisis Communication: Process, Methods and Trends in the Scientific Literature”:監視プロセスと、報告から戦略判断への接続に関する研究整理に使用。DOI:10.29333/ojcmt/2457。 論文ページ

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