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風評被害対策会社を乗り換える|監視・モニタリング対象・履歴・権限

部署:広報・PR担当者部署:経営者・責任者レベル:実践レピュテーション管理、口コミ対策風評被害対策
風評被害対策会社の乗り換えに向けて監視情報や対応履歴、証拠を整理しているオフィスの手元

対象としていた検索語や媒体、進行中の案件、過去の対応履歴、証拠、基準となる検索結果、各サービスの権限が抜けると、新会社が状況を一から調べ直すことになります。

この記事では、すでに乗り換えを決めた企業向けに、現行会社との終了調整から、新会社が同じ条件で監視・案件追跡を継続できる状態になるまでの引き継ぎ手順を整理します。

風評被害対策会社の乗り換えでは「今の対策を再現できる状態」をつくる

風評被害対策会社の乗り換えで最初に確認したいのは、新会社が現在の対策状況を再現できるかどうかです。

単に「○○という検索語を対策していた」「口コミを監視していた」と伝えるだけでは不十分です。

どの検索語を、どの媒体で、どの時点から確認していたのか。問題が見つかった案件について、何を行い、現在どの状態なのか。こうした条件まで引き継いで初めて、監視と案件管理を継続できます。

引き継ぎでは、少なくとも次の情報を一つずつ確認します。

引き継ぐ項目 残しておく情報 引き継ぎ完了の目安
監視対象 Google検索、Googleマップ、口コミサイト、SNSなど 新会社が同じ対象を確認できる
対象検索語 会社名、サービス名、商品名、人物名など 表記揺れを含め監視語が共有されている
基準日 検索結果や口コミを確認した日 新旧の状態を比較できる
案件別対応履歴 発見日、対応内容、現在の状態 途中案件を新会社が追跡できる
証拠 URL、スクリーンショット、日時、関連資料 元データへアクセスできる
進行中案件 現在地、次の対応、期限 次に何をするかが明確
削除・報告履歴 対象、申請日、理由、結果・審査状況 二重対応や対応漏れを防げる
アカウント権限 サービス名、権限保有者、権限レベル 新会社の必要な権限が確認済み
終了・移行日 現行会社の終了日、新会社の開始日 監視の空白期間がない

重要なのは、資料を渡したかどうかではありません。

新会社側で現在の監視条件と進行案件を再現できるかを、引き継ぎ完了の基準にします。

最初に現行会社との終了日と新会社の開始状態を整理する

乗り換え作業は、現行会社との契約をどうするか判断する工程ではありません。すでに乗り換えを決めた状態から、いつまで現行会社が対応し、どこから新会社が引き継ぐのかを明確にする工程です。

外注先変更だけでなく、口コミ・風評対策をどこまで内製し、どこを外部へ任せるかから見直す場合は、口コミ・風評対策の体制構築の考え方も確認してください。

まず整理するのは、次の4点です。

  • 現行会社が実作業を行う最終日
  • その時点で残る可能性がある進行中案件
  • 新会社が監視を開始できる日
  • 旧会社のアカウント権限を外す時点

契約終了日だけを見て進めると、「契約は終わったが、新会社の監視設定がまだ完成していない」という空白が生じることがあります。

そのため、終了日は契約書上の日付だけではなく、実際の監視・報告・案件対応がいつまで行われるのかまで確認します。

風評被害対策会社の乗り換えで現状棚卸しから新会社での再現確認、旧会社の権限削除までを示した5段階のフロー

乗り換えは契約終了だけで完了せず、新会社が同じ監視・案件追跡を再現できることを確認してから旧会社の権限を外します。

監視対象と検索語は「一覧」ではなく条件ごと引き継ぐ

監視対象を引き継ぐときは、検索語の一覧だけではなく、「どこで、どの条件で確認していたか」まで残します。

例えば会社名の風評監視であれば、会社名単体だけでなく、

  • 正式社名
  • 略称
  • サービス名
  • 商品名
  • 代表者名などの人物名
  • 問題が発生している組み合わせ検索語

など、現在実際に監視している対象を確認します。

媒体についても、「Googleを見る」だけでは粒度が足りません。

通常の検索結果、検索候補、Googleマップ上の口コミ、特定の口コミサイト、SNSなど、監視場所を分けて残した方が、新会社が同じ条件を再現しやすくなります。

このとき、乗り換えのタイミングで監視対象を勝手に増減するのではなく、まずは旧会社で監視していた条件をそのまま再現することが優先です。

変更が必要であれば、移行完了後に別途判断します。

進行中案件は「何をしたか」より「今どこにいるか」を残す

過去の月次レポートだけでは、進行中案件の引き継ぎに足りない場合があります。

風評被害の進行中案件について問題内容、対応履歴、現在の状態、証拠、次の対応を関連付けて引き継ぐ構造図

進行中案件は、過去の報告だけでなく「現在どこにいて、次に何をするか」まで一つの案件情報として引き継ぎます。

新会社が知りたいのは、過去にどれだけ作業したかだけではなく、現在どの問題が残り、次に何をすべきかです。

案件ごとに、最低限次の項目をまとめます。

項目 記録内容
対象 URL、投稿、検索語、口コミなど
発見日 問題を確認した日
基準日 状況を記録した日
問題内容 何が発生しているか
実施済み対応 これまでに行った対応
現在の状態 対応中、確認待ち、終了など
次の対応 次に確認・実施すること
関連証拠 スクリーンショット、URL、メール等
担当 社内・旧会社・その他関係者

特に、プラットフォームへの報告や削除依頼を行っている案件は、単に「削除依頼済み」と記録するだけではなく、申請日、申請理由、現在の審査状況まで残します。

Google ビジネス プロフィールのクチコミでは、削除対象になるのはGoogleのポリシーに違反するクチコミで、報告後のステータスはクチコミ管理ツールから確認できます。

そのため、乗り換え時には「どの口コミを問題視したか」だけでなく、「どの理由で報告し、現在どの段階なのか」まで渡すと、新会社が同じ案件を追いやすくなります。

証拠はURL・日時・元データをセットで残す

風評被害への対応では、問題のある表示や投稿が後から変化したり、削除されたりすることがあります。

そのため、引き継ぐ証拠はスクリーンショットだけにしない方が安全です。

少なくとも、

  • 対象URL
  • 確認日時
  • スクリーンショット
  • 投稿者名やアカウント名など確認に必要な情報
  • 関連するメールや申請記録
  • その証拠がどの案件に対応するものか

を関連付けて保管します。

また、検索結果や口コミの状態を比較する場合は、「いつの状態を乗り換え時点の基準にするか」も決めておきます。

新会社が対策開始後の変化を確認するときに、移行直前の状態が残っていなければ、どこから変化したのか判断しにくくなるためです。

案件記録に氏名や連絡先などの個人データを含む場合は、必要な範囲を超えて新会社へ渡さないことも重要です。個人情報保護委員会は、個人データを委託先に取り扱わせる場合、委託元に必要かつ適切な監督を求め、委託業務に不要な個人データを提供しないことも示しています。

アカウント権限は「新会社を追加して確認してから旧会社を外す」

Google ビジネス プロフィールやSearch Consoleなどを外部会社が操作している場合、乗り換え時は権限の順番に注意します。

基本は次の順番です。

  1. 現在の権限保有者を確認する
  2. 自社が管理権限を持っていることを確認する
  3. 新会社へ必要な権限を付与する
  4. 新会社側でアクセスできることを確認する
  5. 問題がなければ旧会社の不要な権限を削除する

外部会社のアカウント権限を自社確認、新会社追加、アクセス確認、旧会社削除の順に移行するフロー図

新会社が正常にアクセスできることを確認してから、旧会社の不要な権限を削除する順番が基本です。

Google ビジネス プロフィールでは、オーナーまたは管理者としてユーザーを追加でき、各ユーザーが自身のGoogleアカウントを使えばパスワードを共有せずに管理できます。

したがって、共通のID・パスワードをそのまま新会社へ渡すより、誰にどの権限を付与しているかを確認できる状態にしておく方が管理しやすくなります。

Search Consoleではさらに注意が必要です。

Search Consoleの所有者には「確認済み所有者」と「委任された所有者」があり、確認済み所有者はHTMLファイルなどの確認トークンを使って所有権を持っている場合があります。Googleは、確認済み所有者を削除する場合、サイト側に置かれた確認トークンの削除が必要になるケースを案内しています。

そのため、管理画面上から旧会社のユーザーを削除するだけで終わらせず、どの方法で所有権を取得しているかまで確認してください。

旧会社と新会社の並行期間では「同じ状態が見えるか」を確認する

並行期間の目的は、旧会社と新会社に同じ作業を長期間依頼することではありません。

旧会社と新会社で検索語、監視媒体、進行案件、証拠、期限が同じ状態で引き継がれているか確認する比較図

並行期間では旧会社と新会社の結果を競わせるのではなく、新会社がこれまでの監視・案件追跡を再現できているかを確認します。

新会社が現在の監視状態を再現できているかを確認するための期間です。

並行期間では、同じ日または近い時点で、

  • 同じ検索語を監視できているか
  • 同じ問題URLを追跡できているか
  • 進行中案件が一覧に反映されているか
  • 証拠へアクセスできるか
  • 必要なサービスへログインできるか
  • 次の対応期限を把握しているか

を照合します。

ここで差があれば、旧会社の監視が間違っていた、新会社の設定が不足しているとすぐに決めつけるのではなく、対象媒体、検索語、確認地点、記録日時などの条件差を確認します。

外部委託の乗り換えでは、契約を切り替える判断と、その後の移行は別の工程です。アウトソーシングの移行を扱ったケース研究でも、意思決定、移行、運用は異なる段階として整理されています。風評被害対策に直接関する研究ではありませんが、外部会社の変更では「新会社を決めたら完了」ではなく、移行工程そのものを設計する必要があることを考える参考になります。

乗り換え完了は「新会社だけで翌日の対応ができるか」で判断する

風評被害対策会社の乗り換えは、ファイルを送った時点では完了していません。

次の状態になっているかを最終確認します。

  • 新会社が監視対象と検索語を把握している
  • 新会社が同じ条件で監視を開始している
  • 進行中案件を案件単位で追跡できる
  • 過去の対応履歴と証拠を確認できる
  • 削除・報告中の案件の現在地を把握している
  • 必要なアカウント権限が付与されている
  • 旧会社の不要な権限が削除されている
  • 移行時点の検索結果や口コミの状態が記録されている
  • 社内の責任者が、今後どこへ連絡すればよいか分かっている

判断に迷った場合は、「旧会社へ確認しなくても、新会社と自社だけで明日の監視・案件対応を続けられるか」と考えると分かりやすくなります。

「できない」となる項目があれば、そこが未完了の引き継ぎ項目です。

乗り換え時に起きやすい5つの引き継ぎ漏れ

特に注意したいのは次の5点です。

1. 月次レポートだけ渡して案件履歴を渡していない

月次レポートは結果の確認には使えても、個別案件の次の対応まで分からない場合があります。

進行中案件は別に一覧化します。

2. 検索語だけ渡して監視条件を残していない

同じ検索語でも、媒体や確認条件が違えば結果が変わります。

検索語と監視場所をセットで渡します。

3. スクリーンショットにURLや日時がない

画像だけでは、どの案件のどの時点の記録か分からなくなることがあります。

証拠と案件をひも付けて管理します。

4. 新会社の動作確認前に旧会社の権限を削除する

先に旧会社の権限をすべて削除すると、必要な設定や所有権の確認ができなくなる場合があります。

追加、確認、削除の順番で進めます。

5. 移行時点の基準を残していない

乗り換え直前の検索結果や口コミ状況が残っていなければ、新会社の開始後に何が変化したのか比較しにくくなります。

切り替え時点の状態を一度記録してから新しい運用へ移ります。

引き継ぎ項目を自社だけで整理できない場合は現状確認から始める

社内で整理しやすいのは、現在契約しているサービス、監視対象、保有しているレポート、アカウント権限、契約終了日などです。

一方で、複数の検索語・媒体・口コミ・進行案件が並行している場合は、「何を引き継げば対策を継続できるのか」自体が分かりにくいことがあります。

特に、

  • 進行中案件の一覧がない
  • 過去の対応がメールやチャットに分散している
  • どの検索語を監視しているか自社で把握していない
  • アカウントの所有者が誰か分からない
  • 旧会社しか把握していない案件がある

という状態なら、終了日を迎える前に棚卸しを行った方が安全です。

乗り換え後の監視条件や進行案件を整理しきれない場合は、無料相談で現在の監視対象・対応履歴・証拠・権限状況を確認し、引き継ぐ範囲を整理する方法もあります。

まとめ

風評被害対策会社を乗り換えるときに重要なのは、新会社の選び方をもう一度考えることではなく、現在続いている監視と案件対応を途切れさせないことです。

引き継ぐべき中心情報は、監視対象、対象検索語、基準日、案件別対応履歴、証拠、進行中案件、削除・報告状況、契約終了日、アカウント権限です。

そのうえで、新会社へ権限を付与し、旧会社と同じ監視状態を再現できるか確認してから、旧会社の不要な権限を外します。

「新会社と自社だけで、翌日から同じ監視・案件追跡を続けられるか」を完了基準にすると、引き継ぎ漏れを見つけやすくなります。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • Google「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」:権限付与・ユーザー管理の確認に使用。Google ビジネス プロフィール ヘルプ
  • Google「所有者、ユーザー、権限の管理」:Search Consoleの所有者・確認方法・削除方法の確認に使用。Search Console ヘルプ
  • Google「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」:クチコミ報告とステータス管理の確認に使用。Google ビジネス プロフィール ヘルプ
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」:委託先への個人データ提供・監督に関する確認に使用。個人情報保護委員会
  • Raza, B., Clear, T., MacDonell, S.「Continuous Transition in Outsourcing: A Case Study」:外部委託における移行段階の考察に使用。DOI: 10.1109/ICGSE.2017.6。論文情報

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