検索ブランド相談室 | 検索と評判の専門メディア

採用サイトの更新体制を作る方法|人事・現場・広報・法務の担当・承認・更新期限を決める

部署:マーケティング担当者部署:人事・採用担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
採用サイトの更新を人事・現場・広報など複数部署で分担する様子を表したオフィス写真

採用サイトは、人事だけで更新しようとすると止まりやすくなります。求人は採用担当、仕事内容は現場、給与・制度は人事労務、社員紹介は本人や所属部署など、正しい情報を持つ人がページごとに違うためです。

重要なのは「採用サイト担当者を1人決める」ことではなく、情報の種類ごとに「誰が変更を把握し、誰が原稿を直し、誰が確認し、いつまでに公開するか」を決めることです。

この記事では、求人情報・給与や制度・社員紹介・選考情報などを古いまま残さないための更新責任表と承認ルールを、実際に社内で使える形まで整理します。

採用サイトは「担当者1人」ではなく情報ごとに更新責任を決める

採用サイトの更新体制を作るとき、最初に決めるべきなのは「サイト担当は誰か」だけではありません。

採用サイトには、管理元が異なる情報が混在しています。

たとえば募集人数や募集職種は採用担当が把握していても、仕事内容の変更は現場責任者が先に知ることがあります。給与制度や休日制度は人事労務、福利厚生は総務、社員インタビューの在籍状況は本人の所属部署が把握しているかもしれません。

そのため、1人の担当者に「定期的にサイトを確認してください」と任せても、その担当者自身が変更に気づけなければ更新できません。

必要なのは、次の4つの役割を分けることです。

役割 担当すること 例
情報提供者 変更が起きたことを知らせる 現場責任者、人事労務、総務
更新担当 原稿やページを修正する 採用担当、広報、Web担当
確認・承認者 内容が正しいか確認する 人事責任者、部門責任者、必要に応じて法務
公開管理者 CMSなどで公開し完了を確認する Web担当、採用担当
採用サイト更新における情報提供者・更新担当・承認者・公開管理者の4つの役割の流れ

採用サイトは「誰が更新するか」だけでなく、変更の把握から公開確認まで役割をつなげて設計します。

小規模な組織では1人が複数の役割を兼ねても構いません。重要なのは、役職の数ではなく「変更が発生してから公開されるまでの責任が途切れない状態」を作ることです。

更新体制を作る前に、採用サイトで求職者へ何を伝えるべきか全体像を確認する場合は、採用サイトに載せる情報の全体像を参照してください。

最初に管理する情報を5種類へ分ける

更新体制を作るときは、採用サイト全体を一括で管理するより、情報の性質によって分けた方が運用しやすくなります。

採用サイトの情報を求人、給与制度、社員組織、選考、企業採用広報の5種類に分類した図

採用サイトには管理元の異なる情報が混在するため、まず情報の種類を分けて更新責任を整理します。

基本は次の5種類です。

情報種別 主な内容 変更を把握しやすい部署
求人情報 募集職種、勤務地、仕事内容、雇用形態、募集人数 採用担当・現場
給与・制度 給与、手当、休日、勤務時間、福利厚生、人事制度 人事労務・総務
社員・組織情報 社員紹介、部署名、役職、組織体制 現場・人事・広報
選考情報 選考フロー、面接回数、提出物、応募方法 採用担当
企業・採用広報情報 会社情報、事業内容、働く環境、ニュース 広報・経営企画・人事

特に求人情報は、他のページより更新優先度を高くします。

職業安定法第5条の4では、労働者の募集を行う者が広告等で募集情報を提供する場合、虚偽または誤解を生じさせる表示をしてはならず、募集に関する情報を正確かつ最新の内容に保つことが定められています。

また、2024年4月からは募集時に明示する労働条件として、業務内容と就業場所の「変更の範囲」、有期労働契約を更新する場合の基準などが追加されています。

つまり、求人条件は「年に1回サイトを見直せばよい情報」ではありません。募集内容が変わったときに更新できる体制を先に作る必要があります。

情報種別ごとに「担当・承認者・期限」を1枚の表にする

実務では、情報ごとに責任者を決めた「更新責任表」を1枚作る方法が分かりやすいでしょう。

たとえば、次のように設定します。

情報 変更を知らせる人 更新担当 確認・承認 確認タイミング 更新期限の目安
募集職種 採用担当・現場責任者 採用担当 採用責任者 変更の都度 募集開始・変更前
仕事内容 現場責任者 採用担当 現場責任者 変更の都度 求人公開前
給与・手当 人事労務 採用担当 人事責任者 制度変更時+定期確認 新制度適用前
休日・勤務時間 人事労務 採用担当 人事責任者 制度変更時+定期確認 新制度適用前
福利厚生 総務・人事 採用担当・広報 制度主管部署 制度変更時+半年ごと 変更確定後速やかに
社員紹介 本人・所属部署 採用広報 本人または所属責任者 異動・退職時+半年ごと 異動・退職後速やかに
選考フロー 採用担当 採用担当 採用責任者 採用計画変更時 応募受付前
会社情報 広報・経営企画 広報・Web担当 管轄責任者 変更時+年1回 公式情報変更に合わせる

この表のポイントは、単なる「担当者一覧」にしないことです。

「誰が直すか」に加え、「誰が変更を最初に把握するか」と「何日までに直すか」まで決めます。

これだけで、「採用担当は変更自体を知らなかった」「原稿は直したが承認待ちのまま止まった」といった抜けが見つけやすくなります。

更新頻度は全ページで統一しない

求人や給与は変更時に更新し、社員紹介や福利厚生は定期点検も行う採用サイト更新頻度の比較図

募集条件のように変更時の更新が必要な情報と、社員紹介のように定期棚卸しを組み合わせる情報を分けます。

採用サイトでは「毎月更新する」といった一律のルールを作る必要はありません。

情報によって変化する速度が違うからです。

求人・給与・選考条件は変更の都度確認する

募集職種、給与、勤務地、勤務時間、選考方法などは、求職者の応募判断に直接関わります。

変更が決まっているにもかかわらず「次回の四半期点検まで待つ」という運用には向きません。

変更の発生を起点に更新する「イベント型」のルールを設定します。

社員紹介や福利厚生は定期点検を組み合わせる

社員紹介は、本人の異動・昇進・退職などを採用担当が把握できないケースがあります。

このような情報は、変更時の連絡だけに依存せず、半年に1回など定期的な棚卸しを組み合わせます。

掲載社員の所属、役職、仕事内容、写真、コメントが現在の状態と合っているかをまとめて確認すると効率的です。

ニュースや採用広報は「更新ノルマ」と分ける

ニュースや採用ブログは、古い条件を修正する業務とは目的が異なります。

条件情報の更新は「正しい情報を維持する仕事」、採用広報は「新しい情報を発信する仕事」です。

両方を同じ更新目標で管理すると、「記事は毎月出しているのに募集要項が古い」といった状態が起こり得ます。

そのため、情報鮮度を守る更新と、新しいコンテンツを作る更新は分けて管理します。

承認フローは情報のリスクに合わせて変える

すべての更新を人事部長や法務部門の承認必須にすると、今度は承認待ちで更新が止まりやすくなります。

承認ルールも情報種別で分けるのが現実的です。

たとえば、次の3段階で整理できます。

承認レベル 対象例 承認方法
レベル1 誤字修正、日付、軽微なニュース 更新担当のみ
レベル2 社員紹介、仕事内容、選考フロー 採用責任者・担当部門が確認
レベル3 給与、雇用条件、制度、法令に関係する表現 人事責任者+必要に応じて労務・法務確認

「どの変更も3人の承認が必要」という設計ではなく、間違えた場合の影響が大きい情報ほど確認を厚くします。

一方で、法務部門をすべての企業・すべての更新で必須の承認者にする必要があるわけではありません。自社の組織体制と情報の性質に応じて、労務・法務確認が必要な範囲をあらかじめ決めておくことが重要です。

更新体制では「変更を知る仕組み」を作る

採用サイトが古くなる大きな原因は、更新作業そのものよりも、サイト担当者に変更情報が届かないことです。

たとえば人事制度が変わったとき、制度を管理する人事労務部門は変更を把握しています。しかし、その変更が採用サイトにも掲載されていることを認識していなければ、採用担当には連絡されません。

そこで、制度や組織の変更プロセスに「採用サイトへの影響確認」を加えます。

たとえば次のタイミングです。

  • 新しい求人を開始・終了するとき
  • 給与テーブルや各種手当を変更するとき
  • 就業規則や休日制度を変更するとき
  • 組織変更や人事異動を行うとき
  • 掲載社員が異動・退職するとき
  • 選考方法や応募条件を変更するとき
  • 会社概要や事業内容を変更するとき

変更が発生するたびに採用サイト全体を確認する必要はありません。

「この変更は採用サイトのどのページに影響するか」を確認する仕組みにしておけば、必要なページだけ更新できます。

更新期限は「○日以内」だけでなく公開タイミングから逆算する

更新期限を決めるときは、「依頼から5営業日以内」のようなルールだけでは不十分です。

求人情報の場合、サイト更新より先に新しい条件で募集を開始すれば、一時的に媒体と採用サイトで内容が食い違います。

そのため、重要な条件は公開日から逆算します。

制度変更の確定から採用サイト更新を行い、新条件で募集開始するまでの更新期限フロー

重要な募集条件は「変更後に直す」のではなく、新しい条件で募集を始める時点から逆算して更新します。

たとえば給与制度を4月1日から変更するのであれば、

  1. 制度内容の確定
  2. 採用サイトへの影響箇所を確認
  3. 原稿修正
  4. 人事責任者による確認
  5. 必要に応じて労務・法務確認
  6. 新条件を使う募集開始までに公開

という順番にします。

「変更後に直す」のではなく、「変更が外部へ出る時点までにサイトも合わせる」という考え方です。

求職者がよく見る情報ほど更新漏れを防ぐ

採用サイトの鮮度は社内管理だけの問題ではありません。求職者が応募や入社を判断する材料でもあります。

マイナビが2025年9月に実施した中途採用・転職活動の定点調査では、1,354人への調査で、採用ホームページを応募・入社の検討時に「非常に参考にする」が41.7%、「ある程度参考にする」が47.4%でした。重視する情報では「給与・手当・賞与」が58.2%で最も多く、「仕事内容の詳細」が47.9%でした。

また、マイナビが2024年7〜8月に実施した非正規雇用に関する調査では、直近3年以内にアルバイトの仕事を探した人の85.9%が企業ホームページ・採用サイトを閲覧すると回答しています。対象が非正規雇用の求職者である点には注意が必要ですが、採用サイトの情報が求職者の比較材料になることを考える材料の一つです。

学術研究でも、採用Webサイトの情報内容と応募意向の関係は以前から研究されています。2007年に814人の学生を対象として実在企業のWebサイトを調査したAllenらの研究では、求人情報は就職を追求する意向と直接的に、企業情報は間接的に関連していました。対象が米国の学生であり現在の日本の求職者をそのまま表すものではありませんが、「採用サイトに何を載せるか」が応募者の判断と関係することを示す研究です。

そのため、少なくとも給与・仕事内容・募集条件など、候補者が判断材料にしやすく、かつ変更される可能性がある情報は、更新責任を曖昧にしない方がよいでしょう。

月1回の「更新会議」より変更一覧を共有する

採用サイトのためだけに毎月大人数の会議を設定すると、運用負担が増えます。

必要なのは会議を増やすことではなく、「何が変わったか」が採用担当へ届くことです。

たとえば共有スプレッドシートや社内タスク管理ツールで、次の項目だけを管理します。

管理項目 記入例
変更内容 営業職の勤務地変更
対象ページ 中途採用/営業職募集要項
情報提供者 営業部長
更新担当 採用担当A
承認者 人事責任者
公開期限 9月25日
状態 修正中/承認待ち/公開済み
公開確認日 9月24日

変更がなければ作業は発生しません。

一方、半年に一度などの定期棚卸しでは、変更連絡から漏れた情報がないかをまとめて確認します。

「変更時の更新」と「定期棚卸し」の2本立てにすると、日常運用と漏れ防止を両立しやすくなります。

更新後は公開ページまで確認する

承認済みの原稿をCMSへ入れただけでは、更新完了とはいえません。

最後に公開されたページを確認します。

最低限、次の項目をチェックします。

  • 新しい内容が公開ページへ反映されているか
  • 古い文章が別の場所に残っていないか
  • 給与・勤務地・勤務時間などの数字に誤りがないか
  • 応募ボタンやリンクが動作するか
  • スマートフォンでも読めるか
  • 募集終了した求人が残っていないか
  • 社員紹介の所属・役職・在籍状況が現在と合っているか

特に重要なのは「同じ情報が複数ページにないか」の確認です。

たとえば福利厚生を募集要項と「働く環境」の両方へ掲載している場合、一方だけ修正するとサイト内で矛盾します。

更新責任表には、情報の管理担当だけでなく「その情報が掲載されているページ」も記録しておくと確認しやすくなります。

最初に作るべき運用ルールは5つ

採用サイトの更新体制を一度に複雑にする必要はありません。

まずは次の5つを決めれば、最低限の運用を開始できます。

  1. 何を管理するか
    求人、給与・制度、社員情報、選考情報、企業情報を一覧化する。

  2. 変更を誰が知らせるか
    情報を最初に把握する部署・担当者を決める。

  3. 誰が更新するか
    原稿修正とCMS作業の担当者を決める。

  4. 誰が確認するか
    情報の種類ごとに承認者を決める。

  5. いつまでに直すか
    変更時の期限と定期棚卸しの頻度を決める。

この5項目を情報種別ごとの表にできれば、「気づいた人が更新する」状態から「変更が起きれば更新される」状態へ移行しやすくなります。

採用サイトの情報整理を始める場合は、自社のページを見ながら、情報種別・担当・承認者・更新期限を1枚に書き出すところから始めると進めやすいでしょう。継続運用に使えるチェック項目や整理フォーマットが必要な場合は、無料ダウンロード資料も実務整理に活用できます。

まとめ

採用サイトの情報を古くしないためには、「人事が定期的に更新する」というルールだけでは足りません。

求人、給与・制度、社員紹介、選考情報などは、それぞれ正しい情報を持っている部署が異なります。

そのため、情報種別ごとに、

  • 変更を誰が知らせるか
  • 誰が修正するか
  • 誰が承認するか
  • いつ確認するか
  • いつまでに公開するか

を決めます。

特に募集条件は、変更が発生したときに更新する仕組みを作ることが重要です。一方、社員紹介など変更を把握しにくい情報は、変更時の連絡に加えて定期的な棚卸しを組み合わせます。

採用サイトを「作って終わり」にしないために必要なのは、更新回数を増やすことより、情報が変わったときに確実にサイトへ反映される責任の流れを作ることです。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • 厚生労働省「職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1_00006.html

  • 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html

  • マイナビキャリアリサーチLab「2025年9月度 中途採用・転職活動の定点調査」
    https://career-research.mynavi.jp/reserch/20251031_103864/

  • マイナビバイト公式メディア ナレビ「求職者の85.9%が『採用サイト』をチェック」
    https://nalevi.mynavi.jp/seeker-trends/21704/

  • Allen, D. G., Mahto, R. V., & Otondo, R. F. (2007), “Web-based recruitment: effects of information, organizational brand, and attitudes toward a Web site on applicant attraction.” Journal of Applied Psychology, 92(6), 1696–1708.
    DOI: 10.1037/0021-9010.92.6.1696
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18020806/

‹ 親記事: 採用サイトには何を載せるべきか。ページの作り方とSEO・AIOの基礎知識

関連記事

関連テーマ