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500社の採用ページを実査、明確なキャリアパスを確認できた企業は6.4%

部署:人事・採用担当者部署:経営者・責任者レベル:実践

[独自調査] Report ID: SBR-2026-021

公開日:2026年9月25日 著者:菊地 将

要旨

自社ドメイン内に採用URLが検出された15,349社から500社を無作為に抽出し、採用ページとその関連ページの本文を確認しました。職位のステップや年次ごとのキャリアなどを具体的に確認できた企業は、500社中32社(6.4%)です。1〜2文で触れる程度の簡易な言及まで含めると52社(10.4%)で、約1割にとどまりました。この数字は日本企業全体の割合ではなく、今回抽出した500社の実査結果です。キャリアパス情報を掲載した企業で応募数や採用成果が高まるかどうかは調べておらず、「掲載すれば応募が増える」とは言えません。

調査概要

  • 対象:採用ページ
  • 期間:2026年9月20日取得
  • 方法:静的HTMLの本文取得(robots.txt順守、同一サイトへのアクセス間隔1秒以上、リンク1階層・最大15ページ)
  • サンプル:500社(無作為抽出、乱数の種固定:20260920)

応募を検討する候補者は、仕事内容や募集条件だけでなく、「入社後にどのような立場や役割へ進めるのか」も見て判断します。では、実際に採用ページでその情報を示している企業はどれくらいあるのでしょうか。

自社ドメイン内に採用URLが検出された15,349社から500社を無作為に抽出し、採用ページとその関連ページの本文を確認しました。職位のステップや年次ごとのキャリアなどを具体的に確認できた企業は、500社中32社(6.4%)です。1〜2文で触れる程度の簡易な言及まで含めると52社(10.4%)で、約1割にとどまりました。

この数字は日本企業全体の割合ではなく、今回抽出した500社の実査結果です。調査の範囲と限界もあわせて示し、自社の採用ページでキャリアパス情報が抜けていないかを点検する視点を整理します。

明確なキャリアパス情報を確認できたのは500社中32社(6.4%)

500社の採用ページを判定した結果は、次のとおりです。分母は、判定不能の37社を含む500社です。

図1 500社の判定結果

図1 採用ページのキャリアパス情報:500社の判定結果
判定 社数 500社に占める割合
明確 32社 6.4%
簡易言及 20社 4.0%
なし 411社 82.2%
判定不能 37社 7.4%
合計 500社 100.0%

出典:弊社調査(2026年9月20日実施)

注:「なし」は、今回取得・確認できた範囲で明確・簡易いずれのキャリアパス情報も確認できなかった企業です。掲載していない企業の割合ではありません。

「明確」と「簡易言及」を合わせた「あり」は52社で、10.4%です。本記事では、判定基準を満たす確度の高い「明確」の6.4%を主な数字として扱い、10.4%は簡易な言及まで広げた場合の数字として示します。

500社を抽出したことによる誤差(95%信頼区間)は、「明確」で4.6〜8.9%、「あり」全体で8.0〜13.4%です。この幅は抽出に伴う誤差だけを表しており、後述する取得・判定上の見落としは含みません。

調査対象は、自社ドメイン内に採用URLが検出された15,349社から抽出した500社

今回の結果は、次の条件で得られたものです。

項目 内容
調査主体・時点 弊社調査、2026年9月20日に取得
元になった企業 企業サイトの情報収集を完了した43,332社
母集団 上記のうち、自社ドメイン内に採用関連のURL(募集要項・新卒採用・中途採用・職種別採用)が検出された15,349社
抽出 母集団から500社を無作為抽出(乱数の種を固定:20260920)
確認範囲 検出された採用ページを起点に、同一ドメイン内の採用関連ページを、リンクを1階層たどる範囲で最大15ページまで取得
取得方法 静的HTMLの本文を取得。robots.txtに従い、同一サイトへのアクセス間隔は1秒以上
判定方法 ページ本文の記述で判定(URLの文字列だけでは判定しない)。判定基準は実査前に固定
判定プロセス 事前に固定した判定基準に基づきAIで一次判定し、あり候補・判断が微妙な企業などについて本文を再確認
43,332社の収集企業から自社ドメイン内に採用URLが検出された15,349社を母集団とし500社を無作為抽出して本文確認した調査フロー

収集完了43,332社のうち、自社ドメイン内に採用URLが検出された15,349社から500社を無作為抽出し、採用関連ページ本文を確認した。

判定は、AIによる一次判定だけで確定したものではなく、次の順で行いました。

  1. 事前に固定した判定基準に基づき、AIが取得した本文を一次判定する
  2. 一次判定で「あり」の候補とされた企業の本文を、個別に再確認する
  3. 一次判定で判断が微妙とされた企業の本文を、個別に再確認する
  4. 一次判定で「なし」とされた企業に、「管理職への道」「昇進の例」などの追加の検索パターンをかけ、該当した企業の本文を確認する

キャリアに関する見出しやメニューはあるものの詳細ページに到達していなかった11社については、そのリンク先の追加取得を試みています。

なお、この調査の対象は「自社ドメイン内に採用URLが検出された企業」です。「日本企業全体」や、元になった43,332社全体を代表する数字ではありません。

「明確」と「簡易言及」は、段階や年次の具体性で分ける

判定では、入社後のキャリアを候補者が具体的に思い描けるかどうかを基準にしました。次の6種類の情報のいずれかが本文にあれば、キャリアパス情報の候補とします。

  • 職位・役職の具体的なステップ
  • 職種ごとのキャリアの進み方
  • 昇進・昇格の具体的な流れ
  • 将来的に目指せるポジション
  • キャリアモデル
  • 年次や社員例を使ったキャリアの推移

そのうえで、記述の具体性によって「明確」と「簡易言及」に分けています。

図2 「明確」と「簡易言及」の判定基準の違い

区分 判定の目安 本文で確認した記述の例(要旨) 社数
明確 上の6種類のいずれかについて、複数の段階・年次・職位・ポジションを挙げて具体的に書かれている 「一般職→主任→課長→部長」のように役職の順序を示す/「1年目」「3年目」「5年目」で役割の変化を示す/営業・施工・設計など職種別にキャリアの道筋を示す/等級とコースの区分を示す 32社
簡易言及 同種の内容に触れているが、1〜2文程度で、段階・年次・条件までは書かれていない 「将来的にはリーダーや管理職を目指せる」という一文/社員インタビューの中で昇進の時期に触れる 20社
「あり」に含めない 下記の記述のみ 「成長」「研修」「スキルアップ」「人材育成」「キャリア採用」「キャリア形成」といった一般的な説明/待遇欄の「昇給・昇格あり」といった定型句/研修プログラムの一覧 ―

出典:弊社調査

採用ページのキャリアパス情報を明確、簡易言及、対象外の3区分で比較した図

複数の段階・年次・職位などを具体的に示したものを「明確」、1〜2文程度の将来ポジションへの言及を「簡易言及」として区別した。

たとえば「入社後は研修を通じて着実に成長できます」という説明だけでは、候補者は自分がどのような職位や役割に進めるのかを判断できません。そのため、研修や人材育成の説明は、キャリアパスの記述には含めていません。

411社(82.2%)では、入社後のキャリア像を具体的に確認できなかった

「なし」は411社で、500社の82.2%にあたります。今回取得・確認できた範囲で、明確または簡易なキャリアパス情報を確認できなかった企業です。キャリアパスを掲載していない企業の割合(未掲載率)ではありません。

ここでいう「なし」は、取得できたページの範囲で確認できなかったという意味です。トップページから深い階層にある記述や、静的HTMLに含まれない記述は、判定に反映されていません。

判定不能の37社は、次の理由で「あり」「なし」のどちらにも含めていません。

判定不能の理由 社数
本文がほとんど取得できなかった(JavaScriptによる描画など) 13社
ページを取得できなかった(アクセス制限・ページ不在・タイムアウトなど) 12社
キャリアに関する見出しやメニューはあるが、詳細の本文を取得できなかった 7社
起点のページが採用ページと確認できなかった 5社
合計 37社

出典:弊社調査

15ページに達した企業では「あり」が多く、全体の割合は低めに出ている可能性がある

取得したページ数が上限の15ページに達した企業と、達しなかった企業を比べると、割合に大きな差がありました。判定不能を除いた463社で見た結果です。

区分 対象 「あり」(簡易言及を含む) うち「明確」
15ページに達した企業 83社 23社(27.7%) 16社(19.3%)
15ページに達しなかった企業 380社 29社(7.6%) 16社(4.2%)

出典:弊社調査(判定不能を除く463社)

取得ページ数が15ページに達した企業ではキャリアパス情報ありが27.7%、未達企業では7.6%だった比較図

判定不能を除く463社では、15ページ到達企業の「あり」は27.7%、未達企業は7.6%だった。ただし企業特性の差か取得上限による差かは切り分けられない。

15ページに達した企業では、キャリアパスに関する記述が見つかる割合が高くなっています。一方で、この企業群では、取得範囲の外にキャリアパスのページが残っている場合もあります。この差が、企業の実態の差なのか、取得上限による見落としなのかは、今回のデータでは切り分けられません。

確かなのは、取得上限による見落としは「あり」を実際より少なく見積もる方向に働くという点です。500社全体の割合は、実態より低めに出ている可能性があります。

この調査で言えることと、言えないこと

今回の結果を読むうえで、次の限界を確認してください。

  • 静的HTMLのみを取得している:JavaScriptで描画されるページは、一部で本文を取得できていません。本文がほとんど取得できなかった13社は判定不能としています。
  • 取得は最大15ページまでである:大規模な採用サイトでは、取得範囲の外にキャリアパスの記述が残っている可能性があります。
  • 15ページに達した企業では「あり」が多い:前節のとおり、ページ数が上限に達するような大規模な採用サイトほど、「あり」を少なく見積もっている可能性があります。
  • 判定は単一のAI判定プロセスである:第二判定者によるクロスチェックは行っていません。簡易言及の線引きには、判定基準を当てはめる際の判断が含まれます。
  • 母集団の外にある企業がある:外部の採用媒体だけで募集している企業や、別ドメインに採用サイトを置いている企業は、母集団に含まれていません。
  • 市場全体の確定値ではない:この数字は、今回のサンプルを実査した値です。

言えるのは、「自社ドメイン内に採用URLが検出された15,349社から無作為抽出した500社では、明確なキャリアパス情報を確認できた企業が32社(6.4%)だった」ということです。

一方で、この調査は掲載の有無を確認したものです。キャリアパス情報を掲載した企業で応募数や採用成果が高まるかどうかは調べておらず、「掲載すれば応募が増える」とは言えません。

候補者が将来像を判断できる情報は、多くの採用ページで不足している可能性がある

採用ページの情報は、仕事内容、募集条件、社員の声など、候補者が応募や入社を判断するために使われます。その中で、入社後にどのような職位や役割へ進めるのかという将来像は、判断材料の一つになり得ると考えられます。

候補者が仕事内容や募集条件とともに入社後の将来像を判断材料として採用ページを確認する流れ

キャリアパス情報は応募成果を直接保証するものではなく、候補者が入社後の将来像を考えるための判断材料の一つとして位置づけられる。

今回の実査では、この将来像を具体的に確認できた企業は500社中32社でした。簡易な言及を含めても、確認できたのは52社にとどまります。採用ページで確認できない情報は、候補者が別の場で確かめる必要が生じます。この意味で、キャリアパスは採用ページの情報欠損になっている可能性があります。

ただし、これは掲載の実態から読み取れる範囲の解釈です。候補者がキャリアパスをどの程度重視するのか、掲載の有無が応募にどう影響するのかは、今回の調査からは分かりません。

自社の採用ページで確認したい6つの点

今回の判定基準は、そのまま自社の採用ページの点検に使えます。次の点を、候補者が閲覧するページの本文で確認してください。

確認する点 確認の観点
1. 職位・役職のステップ 一般職から管理職までなど、職位が進む順序が書かれているか
2. 職種ごとの進み方 営業・技術・事務など、職種によるキャリアの違いが書かれているか
3. 昇進・昇格の流れ 年次・等級・条件など、昇進や昇格の流れが具体的か
4. 目指せるポジション 将来のポジションが、名称や役割とともに示されているか
5. 年次・社員例での推移 「入社3年目」「5年目」など、時間の経過に沿ったキャリアが分かるか
6. 本文が読める状態か 見出しやメニューにキャリアの項目があるのに、本文が表示されない状態になっていないか

「研修が充実している」「成長できる環境がある」といった一般的な説明だけで終わっている場合は、1〜5のいずれも満たしていないことになります。また、6は、今回の実査で「見出しやメニューはあるが本文を取得できなかった」7社に対応する点です。取得できなかった原因には当方の取得方法も含まれ、企業側の表示の問題とは限りません。それでも、候補者の閲覧環境で本文が読めているかは、確認しておく価値があります。

キャリアパス以外にも、採用ページ全体で抜けている情報がないか一度まとめて確認したい場合は、資料ダウンロードページもご覧ください。

キャリア情報を含め、候補者が応募判断に必要とする採用情報を全体で整理する場合は、採用サイトに載せるべき情報の全体像も確認してください。

まとめ

自社ドメイン内に採用URLが検出された15,349社から無作為抽出した500社を実査したところ、明確なキャリアパス情報を確認できた企業は32社(6.4%)でした。簡易な言及まで含めると52社(10.4%)で、411社(82.2%)では入社後のキャリア像を具体的に確認できませんでした。

この数字は日本企業全体の割合ではなく、静的HTML・最大15ページ・単一のAI判定プロセスという条件で得た、今回のサンプルの実査値です。大規模な採用サイトでは取りこぼしが生じ得るため、実態より低めに出ている可能性があります。また、キャリアパスの掲載と応募数・採用成果との関係は、今回の調査では確認していません。

自社の採用ページに、職位のステップ、職種ごとの進み方、昇進・昇格の流れ、目指せるポジション、年次や社員例での推移が書かれているか。まずは、候補者が閲覧できる本文の状態で点検することから始められます。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • 弊社調査「採用ページにおけるキャリアパス情報の掲載実態」(2026年9月20日実施)。自社ドメイン内に採用URLが検出された15,349社から無作為抽出した500社の採用ページ本文を確認

‹ 親記事: 採用サイトには何を載せるべきか。ページの作り方とSEO・AIOの基礎知識

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