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企業サイト向けVPSサービス比較|3社の料金・管理負担・サポート

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
明るいオフィスの机にノートPCと書き込みのある紙が置かれ、『企業サイト向けVPSサービス比較 管理の分担を先に決める』と書かれたアイキャッチ

共用のレンタルサーバーで限界を感じ、VPSへの移行を決めた企業サイトの運用担当者向けに、サービス選びの判断材料をまとめます。契約前に、OSの更新や障害の切り分けを誰が担当するかを確認します。この記事では、仮想サーバーを貸し出すXServer VPS、ConoHa VPS、さくらのVPSの3サービスについて、公式ページで確認できたスペック、料金、バックアップ、サポートを同じ項目で並べ、管理負担の面から候補を絞る手順を示します。

選ぶ前に決める3点

XServer VPS・ConoHa VPS・さくらのVPSのいずれも、OSの更新やセキュリティ対策を事業者と契約者のどちらが行うかを定めた記載を確認できませんでした。この点は質問4で各社に聞きます。選ぶ段階で決めておくことは、次の3点です。

  • 運用者:OSの更新やセキュリティ設定を、社内の誰が、どの頻度で行うか
  • 戻し方:誤操作や障害の後、どの方法で前の状態へ戻すか
  • 相談先:困ったとき、どの窓口に何を相談できるか

共用サーバーのサービスを比べたい場合は、企業サイト向け共用レンタルサーバー比較|3社の料金・サポートで整理しています。

3サービスを比べる7つの項目

スペック、料金、OS、バックアップ、サポート、品質保証、運用の代行の7つの比較項目を番号つきで並べた図

次の7項目を、各社の公式ページの記載で同じ順に比べます。比べる3サービスは次のとおりです。

  • XServer VPS:メモリ2GB・4GB・8GBの3プラン。メモリ2GBは月額1,265円〜(税込)
  • ConoHa VPS:メモリ容量でプランを分け、時間課金と、期間分を一括前払いするまとめトクがある。メモリ2GBのまとめトクは1ヶ月1,259円〜
  • さくらのVPS:メモリ512MBから8GBまでの5つの構成。東京のメモリ2GBは月額1,958円

XServer VPS・ConoHa VPS・さくらのVPSのスペック・料金・バックアップ・サポート

プランの名称が事業者ごとに異なるため、メモリ2GBと4GBのプランで比べます。表中のNVMe SSDは、高速なデータの読み書きができるストレージの種類を示す名称です。

表1:スペック(vCPU・メモリ・ストレージ)

サービスメモリ2GBメモリ4GB
XServer VPSvCPU 3コア、NVMe SSD 50GBvCPU 4コア、NVMe SSD 150GB
ConoHa VPS3コア、SSD 100GB4コア、SSD 100GB
さくらのVPS仮想3Core、SSD 100GB(200GBに変更可能)仮想4Core、SSD 200GB(400GBに変更可能)

3社とも、メモリ2GBはCPU3コア、メモリ4GBはCPU4コアで、コア数は同じです。処理性能を比べる数値は公式ページから読み取れず、コア数だけでは性能差は判断できません。ストレージはメモリ4GBでXServer VPSが150GB、ConoHa VPSが100GB、さくらのVPSが200GBと差があります。メモリ2GBでは、XServer VPSの50GBが最も小さく、さくらのVPSは100GBから200GBへ変更できます。

表2:料金と課金の方法

サービスメモリ2GBメモリ4GB税・課金・初期費用
XServer VPS月額1,265円〜月額2,035円〜『表示価格はすべて税込』。初期費用は無料。契約期間別の金額と課金の単位は確認できなかった
ConoHa VPS時間課金は3.7円/時(月額上限2,033円)。まとめトクは1ヶ月1,259円〜36ヶ月903円時間課金は6.6円/時(月額上限3,608円)。まとめトクは1ヶ月2,189円〜36ヶ月1,691円『表示価格は全て税込み価格です。』『初期費用は全プラン0円です。』時間課金は『1時間単位課金』、まとめトクは『ご利用期間分の料金を一括前払い』
さくらのVPS東京の月額1,958円。12ヶ月一括は月額換算1,795円東京の月額3,960円。12ヶ月一括は月額換算3,630円『表示価格はすべて税込です。』『初期費用無料』。最低利用期間は3ヶ月

まとめトクは、契約期間分を一括で前払いするConoHa VPSの料金の名称です。その金額は、ページ本文に期間ごとの明示がなく、契約期間のタブの並び(1〜36ヶ月)から対応付けた読み取りです。XServer VPSの『月額1,265円〜』が、どの契約期間の金額なのかは確認できませんでした。さくらのVPSは、東京のほかに石狩と大阪のリージョン(サーバーを置く地域)があり、金額が異なります。表は東京の金額です。

お試しの条件も異なります。XServer VPSには、2GBと4GBのプランを無料で使える『無料VPS』があり、コントロールパネル(契約の管理画面)から1日ごとに契約を更新する必要があります。さくらのVPSは、クレジットカード払いの場合に2週間の無料お試しがあります。ConoHa VPSの無料お試しは確認できませんでした。

表3:OS・バックアップ・スナップショット

スナップショットは、ある時点のサーバーの状態を保存する機能です。

サービスOSバックアップ・スナップショット
XServer VPSOS・アプリイメージが『60種類以上』標準プラン(2GB〜8GB)の自動バックアップは『-』の表示。クラウド型VPSは『日次自動バックアップ標準提供(最大7日分)』だが、公式ページには『※1ヶ月契約の場合』の注記がある。スナップショットは確認できなかった
ConoHa VPS『Ubuntu・CentOS・Debian・AlmaLinux・Rocky Linux・Oracle Linux・Arch Linux・FreeBSDなど10種類以上に対応』。Windows Serverも選べる自動バックアップは有料オプションで『1日1回・最大30世代』(512MBのプランでは使えない)。イメージ保存(サーバーの状態を保存しておく機能)は『50GBまで無料』(保存期間は確認できなかった)。スナップショット(無料)は取得後24時間で自動削除される
さくらのVPS全ラインナップは確認できなかったバックアップ・スナップショットは確認できなかった

XServer VPSの標準プランの『-』が機能なしの意味かどうかは、公式に説明がなく判断できません。標準プランで自動バックアップが必要なら、取得方法を問い合わせます。ConoHa VPSの無料スナップショットは取得後24時間で自動的に削除されます。長期の保管が必要な場合は、有料の自動バックアップ(最大30世代)で足りるか、イメージ保存(50GBまで無料)の保存期間とあわせてConoHa VPSに確認します。

表4:サポートと品質保証

SLAは、サービスの稼働について事業者が示す基準です。

サービスサポートの受付品質保証(SLA)
XServer VPS『電話・メール サポート 無料』。受付時間と対象範囲は確認できなかった『SLAや自動バックアップを標準搭載した法人向けビジネスプラン』が案内されている(料金は確認できなかった)。クラウド型VPSの紹介欄には『SLA(品質保証制度)に対応 ※VPS 8GBプラン以上』とある
ConoHa VPS受付方法の案内は、サポートガイドとお問い合わせページへのリンク。受付時間と対象範囲は確認できなかったよくある質問に『ConoHa VPSは全プランで月間稼働率99.99%以上を保証するSLA(サービス品質保証制度)を導入しています。』とある
さくらのVPS受付方法・受付時間・対象範囲は確認できなかった4GB以上のプランが『対応』、512MB〜2GBが『非対応』

OSの中の設定やアプリケーションの不具合まで見てもらえるかは、質問3で聞きます。

OS更新・セキュリティ・障害対応の担当と、運用代行の選択肢

運用の代行を使う選択肢もあります。ConoHa VPSの公式トップには、法人向けの『マネージドパック』があり、『24時間365日』の運用監視を行うと記載されています。ただし、VPSとは別のサービスとして案内されています。参考価格として『サーバー運用保守・監視』が『税込43,780/月~』(1台あたり)と表示されていますが、対応範囲の詳細はページに記載がなく、問い合わせの案内のみでした。XServer VPSの法人向けビジネスプランの運用範囲と料金、さくらのVPSの運用代行プランの有無は、確認できませんでした。

社内にサーバーの担当者がいない場合は、VPSを選ぶ前に、運用を誰に任せるかを決めておきます。保守を外部の会社に任せる選択肢の比較は、ホームページ保守会社を選び直すときの比較方法|対応範囲・緊急対応・バックアップ・権限・費用を確認で説明しています。

月額表示と一括払いの金額を計算例で比べる

ConoHa VPSのメモリ2GBのまとめトクで、1ヶ月契約は月額1,259円で最初に払う額1,259円、12ヶ月契約は月額980円で11,760円、36ヶ月契約は月額903円で32,508円と並べた図

同じメモリ2GBでも課金の方法が違うため、月額の表示だけでは比べられません。ConoHa VPSの2GBプランのまとめトクは、契約期間分を一括で前払いします。公式の表示から計算すると、次のとおりです。

  • 1ヶ月:1,259円
  • 12ヶ月:980円×12か月=11,760円(更新時も980円/月と表示)
  • 36ヶ月:903円×36か月=32,508円(更新時の金額は確認できなかった)

さくらのVPSの東京・メモリ2GBは、12ヶ月一括が年額21,538円です。月額払い1,958円を12か月続けた場合の23,496円より1,958円安く、公式ページには『およそ月額料金1ヶ月分がお得です』と書かれています。12ヶ月で比べると、ConoHa VPSの11,760円に対して、さくらのVPSは21,538円(東京・税込)です。

社内の体制別に見る、候補を絞るときの確認点

社内に担当者がいない、稼働の基準を確認したい、前の状態に戻したい、本番前に動作を試したいという4つの条件と、確認する点を対応させた図
  • 社内にサーバー担当者がいない場合:運用の代行を使う前提で選びます。ConoHa VPSのマネージドパックは、運用保守・監視の参考価格が税込43,780円/月〜(1台あたり)です。VPS本体の料金を含むかどうかは確認できていません
  • 稼働の基準を契約で確認したい場合:SLAの対象は、ConoHa VPSが全プラン(月間稼働率99.99%以上)、さくらのVPSが4GB以上、XServer VPSがクラウド型VPSの8GB以上と法人向けビジネスプランです
  • 誤操作の後に前の状態へ戻したい場合:ConoHa VPSは、有料の自動バックアップで最大30世代まで戻せます
  • 動作を確かめてから本番へ移したい場合:XServer VPSの無料VPS(2GB・4GBのプラン。1日ごとの契約更新が必要)や、さくらのVPSの2週間のお試し(クレジットカード払いの場合)で、操作に慣れておきます

サーバーの管理を誰が受け持つかは、サイト運営全体の体制の問題でもあります。体制の決め方は、オウンドメディア運営は内製か外注か?企業の体制構築、判断基準と進め方で整理しています。

VPSの運用を外部の会社へ引き継ぐときや、担当者が替わるときの契約名義・管理画面の権限の引き継ぎは、ホームページ制作会社を乗り換えるときにやること|ドメイン・サーバー・CMS・ソース・計測・権利を引き継ぐで説明しています。

契約前に各社へ送る7つの質問

候補を絞り、質問を同じ文面で送り、サポートの対象範囲を確認する3つの手順を左から右へ並べた図

次の質問を、候補の各社に同じ文面で送ります。

  1. 契約期間ごとの月額と、最初に払う総額、更新時の金額はいくらか(XServer VPSは契約期間別の金額が未確認)
  2. サポートの受付時間は何時から何時までか。電話・メール・チャットのどれが使えるか
  3. サポートの対象範囲はどこまでか。OSの中の設定や、アプリケーションの不具合は対象か
  4. OSの更新やセキュリティ対策は、誰が行う前提か。事業者が行う作業はあるか
  5. 標準のバックアップは何世代残り、復元の手順と費用はどうなっているか。スナップショットは、どのくらいの期間残るか
  6. XServer VPSの法人向けビジネスプランのSLAの内容と料金はどうなっているか
  7. XServer VPSの法人向けビジネスプランやさくらのVPSで、運用の代行や監視を任せられるか。任せられる場合の料金と対応範囲はどうなっているか。ConoHa VPSのマネージドパックの参考価格に、VPS本体の料金は含まれるか

まとめ

VPSは、月額の安さではなく、OSの更新やバックアップを誰が行うかを先に決めて選びます。まずは候補を2つに絞り、7つの質問を同じ文面で送って、サポートの対象範囲を確認してください。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

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