検索ブランド相談室 | 検索と評判の専門メディア

SERP機能の監査方法|強調スニペット・関連質問・画像・動画の露出機会を見つける

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践SEOコンテンツマーケティング、Web集客
検索結果を確認するWeb担当者の手元と「順位だけでは見えていない」というコピーでSERP機能監査を表したアイキャッチ

検索順位が上がっているのにクリックが伸びない場合、通常順位だけを追っていても原因を特定できないことがあります。SERP(Search Engine Results Page=検索結果ページ)には、通常の検索結果だけでなく、強調スニペット、関連質問、画像、動画など複数の表示枠が存在するためです。

SERP機能の監査では、対象クエリごとに「何が出るか」「自社が出ているか」「競合はどの形式で出ているか」を同じ台帳で確認します。

この記事では、SERP機能を横断して露出機会を棚卸しし、どのコンテンツから改善するべきかまで判断できる監査方法を解説します。

結論|SERP機能は「出現・自社占有・必要形式・優先度」の4段階で監査する

SERP機能の監査で重要なのは、機能の種類を覚えることではありません。

SERP機能の監査結果をSEO全体のKPIへ接続する前提は、SEOの効果測定とは?で確認できます。

自社が狙うクエリ群で、どの機能が繰り返し出現し、どの機能を競合に取られているかを把握することです。

監査は次の4段階に分けると整理しやすくなります。

監査段階 確認すること 主な判断
出現 どのクエリで何のSERP機能が出るか 狙う価値がある表示枠か
自社占有 その機能に自社URL・画像・動画が出るか 自社が露出できているか
必要形式 競合がどの形式で採用されているか 本文・表・画像・動画の何が必要か
優先度 出現頻度・事業重要度・未占有状況 何から改善するか

SERP機能を出現、自社占有、必要形式、優先度の4段階で監査する流れを示した図

SERP機能監査では、まず出現状況を確認し、自社占有、必要なコンテンツ形式、改善優先度の順に絞り込みます。

Googleは、検索結果の見え方はデスクトップとモバイル、国、言語などによって変わり得ると説明しています。また、構造化データを正しく実装しても、特定のリッチリザルトが必ず表示されるわけではありません。

そのため、一度の検索結果を絶対値として保存するのではなく、端末・地域・確認日などの条件も記録し、同じ条件で再測定できる状態を作ることが重要です。

なぜ通常順位だけではSERP上の機会損失を把握できないのか

通常順位はSEOを評価する重要な指標ですが、それだけでは検索結果画面の構成までは分かりません。

Googleの検索結果には、テキスト結果、リッチリザルト、画像結果、動画結果、検索を広げるための探索機能など、複数の視覚要素があります。画像を探す意図が強い検索では画像結果、動画を探す意図が強い検索では動画結果が表示されやすいとGoogleは説明しています。

つまり、同じ「3位」でも、検索結果の上部や途中に別の表示枠が入れば、ユーザーが実際に目にする情報量や選択肢は変わります。

SERP機能とクリック率の関係を扱った研究もあります。

Fubelらの2023年のプレプリント研究では、米国の40以上のECドメイン、約6万7,000キーワード、約2,400万表示・600万クリックを対象に、24種類のSERP機能を分析しています。その結果、SERP機能を考慮することで、オーガニックCTRを説明するモデルの予測力が高まることが示されました。

また、Gleasonらの2023年の研究では、47万7,485件のSERPと1,756人の行動データを分析し、12種類のSERPコンポーネントによってクリック先や検索結果画面での滞在時間が変化することを確認しています。

検索順位だけでなく、「その順位の周囲に何が表示されているか」を見る必要があります。

STEP1|監査対象のクエリと検索条件を固定する

SERP機能監査では、最初に監査対象となるクエリ群を決めます。

単に順位計測ツールへ登録しているキーワードを並べるのではなく、事業上重要な検索を優先してください。

最低限、次の項目を記録します。

  • クエリ
  • クエリグループ
  • 検索意図
  • 対応する自社ページ
  • 事業上の重要度
  • 端末
  • 地域
  • 確認日

クエリグループは、「定義」「比較」「方法・手順」「事例」「画像で理解したい検索」など、検索する人が求める答えの形で分けると監査しやすくなります。

たとえば、「○○とは」と検索する人と、「○○ 手順」と検索する人では必要とする回答形式が異なります。

ただし、「この検索なら強調スニペットが出るはず」と先に決めつけてはいけません。

実際の検索結果を確認し、Googleがどのような情報形式を表示しているかを記録します。

STEP2|クエリごとにSERP機能の出現を記録する

対象クエリを決めたら、通常のオーガニック順位とは別にSERP機能を記録します。

SEO・コンテンツ担当者が最初に監査しやすいのは、次のような機能です。

SERP機能 監査時に記録すること 主に確認する素材
強調スニペット 出現有無、採用元、回答形式 短文回答、箇条書き、表
関連質問 質問文、回答元、派生質問 Q&A、見出し、簡潔な回答
画像 画像枠、掲載元、画像テーマ 独自画像、図解、写真
動画 動画枠、掲載元、動画テーマ 解説動画、手順動画
リッチリザルト 種類、掲載競合、適格性 ページ内容、構造化データ
AIによる概要 出現有無、自社の参照有無 検索対象化された有用な本文

重要なのは、この段階では「どう取るか」ではなく「どこで出るか」を調べることです。

特定の機能がほとんど出ていないクエリ群に大量の制作工数を使うより、実際に繰り返し表示される形式を優先した方が改善対象を絞りやすくなります。

STEP3|SERP機能の「出現率」と「自社占有率」を分けて集計する

クエリ単位の記録ができたら、SERP機能ごとに出現率と自社占有率を分けます。

出現率 = そのSERP機能が出たクエリ数 ÷ 監査したクエリ数

自社占有率 = 自社が採用されたクエリ数 ÷ そのSERP機能が出たクエリ数

ここでいう自社占有率は、SERP監査のために使用する管理指標であり、Google Search Consoleの公式指標ではありません。

たとえば20クエリを監査し、画像枠が12クエリで出現、そのうち3クエリで自社画像が確認できたとします。

この場合、

  • 画像枠の出現率:12 ÷ 20 = 60%
  • 自社占有率:3 ÷ 12 = 25%

となります。

20クエリ中12件で画像枠が出る出現率60%と、その12件中3件で自社が掲載される自社占有率25%の計算例

SERP機能の出現率と自社占有率は別々に集計します。図の60%・25%は計算方法を説明するための例です。

この2つを分ける理由は、「そもそも機能が出ていない状態」と「機能は出ているが競合に取られている状態」では対策が違うためです。

状態 意味 基本対応
出現率が低い クエリ群では重要度が低い可能性 優先度を下げる
出現率が高く自社占有率も高い 現在の形式が機能している 維持・再測定
出現率が高く自社占有率が低い 競合に露出枠を取られている 改善候補
出現率が高いが自社素材がない コンテンツ形式が不足 新規素材を検討

通常順位とは別に管理することで、「順位は高いのにSERP機能では露出できていない」という状態も見つけられます。

STEP4|競合が採用されている「答えの形式」を確認する

自社がSERP機能を取れていないクエリでは、競合URLだけを見るのではなく、採用されている情報形式を確認します。

強調スニペット、関連質問、画像、動画の各SERP機能と必要なコンテンツ形式の対応関係を示した図

狙うSERP機能によって必要なコンテンツ形式は異なります。実際に検索結果で採用されている答えの形から逆算して改善します。

強調スニペットは「短い答えの型」を確認する

強調スニペットが表示されている場合は、競合が段落、箇条書き、表など、どの形式で回答しているかを確認します。

対策は文章を短くするだけではありません。

対象H2・H3が検索者の問いを表しているか、その直後に結論があるか、必要な条件や手順が整理されているかを確認してください。

Google側が表示対象を自動で判断するため、特定の書式を使えば必ず強調スニペットを取得できるわけではありません。

関連質問は「次に生まれる疑問」を確認する

関連質問(People Also Ask)が出る場合は、メインクエリだけでなく、そこから派生する質問を記録します。

ただし、表示された質問を大量にFAQへ追加することが目的ではありません。

自社記事の検索意図と関係が深い質問だけを選び、H2・H3または本文内で自然に回答します。

2020年に行われたPeople Also Askに関する2つの実験では、PAAを表示した条件で、参加者が発行する検索クエリ数やSERP上の滞在時間が少なくなる傾向が確認されています。研究対象は健康関連の検索課題であるため一般化には注意が必要ですが、関連質問が検索行動そのものに影響し得ることを示す材料です。

画像は「検索で必要とされている視覚情報」を確認する

対象クエリ群で画像結果が繰り返し出るなら、検索者がテキストだけでなく視覚情報を必要としている可能性があります。

Googleは画像SEOについて、「画像を発見・インデックス登録できる状態」と「画像を掲載するランディングページの最適化」を基本として案内しています。

重要な画像は関連本文の近くへ配置し、画像の内容が分かるファイル名やaltを設定し、Googleが取得できる状態にしておく必要があります。

動画は「動画でないと伝わりにくい工程」があるか確認する

動画結果が出るクエリでは、競合動画のテーマと形式を確認します。

Googleは動画について、動画の発見、インデックス登録、検索機能への適格性、Search Consoleによる監視などを動画SEOの基本として案内しています。動画は通常の検索結果だけでなく、動画モード、Google画像検索、Discoverなどに表示される場合があります。

操作手順、製品の動き、設定方法、Before/Afterなど、動画の方が理解しやすいテーマであれば、文章を増やすだけでなく動画化を検討します。

STEP5|Search Consoleと実際のSERPの役割を分ける

SERP機能の監査はGoogle Search Consoleだけでは完結しません。

Search Consoleでは、クリック、表示回数、CTRなどを確認できます。また、検索タイプをウェブ、画像、動画などへ切り替えたり、「検索での見え方」で自社が実際に表示された一部の検索結果タイプを分析したりできます。

一方、Search Consoleの「検索での見え方」に表示されるのは、自社サイトに実績がある対応タイプです。

「競合はどのSERP機能に出ているのか」「自社が一度も取れていない表示枠は何か」まで把握するには、実際のSERP確認やSERP取得ツールを組み合わせる必要があります。

手段 得意なこと
Search Console 自社の表示・クリック・CTR・検索タイプ・一部の検索での見え方
実SERP確認 競合を含めた表示枠、配置、採用形式
順位・SERP取得ツール 多数クエリを一定条件で継続記録
記事・素材監査 不足している本文・画像・動画・技術要件を特定

Search Console上の数字が悪化した場合、「順位が落ちた」とすぐに結論づけるのではなく、実SERPで表示構成そのものが変わっていないかを確認します。

STEP6|改善優先度は「高出現・未占有・高重要度」から決める

すべてのSERP機能を同時に取りにいく必要はありません。

改善優先度は、少なくとも次の3条件で決めます。

  1. SERP機能の出現頻度が高い
  2. 自社がまだ占有できていない
  3. そのクエリの事業上の重要度が高い

さらに、実際に改善できる余地があるかを加えると、着手順を決めやすくなります。

優先度 状態
A 高出現・未占有・重要度高・改善可能 主要クエリで関連質問が頻出し、自社に回答見出しがない
B 高出現・未占有だが制作負荷が高い 動画結果が多いが動画素材がない
C 出現するが事業重要度が低い 周辺クエリだけ画像結果が出る
維持 自社占有が安定 主要クエリで対象機能への露出を継続できている

SERP機能の出現率と自社占有率を2軸で整理し、高出現かつ未占有の領域を最優先改善とするマトリクス

改善対象は均等に選びません。SERP機能の出現率が高く、自社が未占有で、事業上重要なクエリから優先します。

原則としてAから改善します。

改善後は同じクエリ、端末、地域条件で再監査し、「順位」だけでなく「SERP機能の占有」が変わったかを確認します。

SERP機能監査の台帳テンプレート

実務では、1クエリ1行で管理すると再監査しやすくなります。

項目 記録例
クエリ SERP機能 監査
検索意図 SERP上の露出機会を棚卸ししたい
重要度 A
端末・地域 PC・日本
確認日 2026-09-01
強調スニペット あり/競合A
関連質問 あり/自社なし
画像 あり/自社あり
動画 なし
AIによる概要 あり/自社参照なし
通常順位 5位
改善対象 関連質問
必要形式 H2直下の短い回答+具体例
次回確認日 翌月同条件

上記は監査方法を示すための記入例であり、実測結果ではありません。

クエリ単位の生データと、SERP機能単位の集計表を分けて保存するのがポイントです。

生データを残しておけば、「自社の露出が減った」のか、「そもそもGoogleがそのSERP機能を表示しなくなった」のかも切り分けやすくなります。

SERP機能監査でよくある失敗

SERP機能が出たら必ず取得できると考える

検索結果の表示機能はGoogle側が検索ごとに判断します。

構造化データを正しく実装しても、特定のリッチリザルト表示は保証されません。

まず技術要件とコンテンツ要件を満たし、その後に実際の表示状況を継続確認します。

通常順位とSERP機能の露出を同じ指標で扱う

通常順位が上がることと、強調スニペット、画像、動画など別の表示枠に採用されることは同じではありません。

「通常順位」「SERP機能の出現」「自社占有」は別列で管理してください。

一度だけ検索して監査を終える

検索結果は時間、端末、地域などの条件によって変わります。GoogleもSearch Consoleの説明で、同じクエリでも時間、場所、端末、直近の検索履歴などによって検索結果が異なり得ると案内しています。

重要クエリは月次など一定周期で確認し、可能な限り同じ条件で比較します。

まとめ

SERP機能の監査では、検索順位だけでは見えない「検索結果画面上の露出機会」を確認します。

まず対象クエリと検索条件を固定し、強調スニペット、関連質問、画像、動画などの出現を記録します。

そのうえで「出現率」と「自社占有率」を分け、競合がどのような答えの形式で採用されているかを確認してください。

改善は「高出現・未占有・高重要度」のクエリから進めます。

順位レポートにSERP機能の監査台帳を加えることで、「何位か」だけでなく、「検索結果のどこに自社が出る余地があるか」まで判断できるようになります。

参考文献・データ元

無料相談はこちら