検索ブランド相談室 | 検索と評判の専門メディア

動画コンテンツマーケティングとは?動画オウンドメディア・YouTube・記事連携の設計方法

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
動画コンテンツマーケティングのイメージ

動画を作ってYouTubeに公開したものの、見た人に次の一歩を案内できていない。そんな経験はないでしょうか。関連する記事や商品・サービスの情報につながっていないと、動画を見て興味を持った人が比較検討に進むきっかけを失ってしまいます。

そこで大切になるのが、動画の本数を増やす前に「誰のどんな疑問に答えるのか」「見終わった人に何を確認してもらうのか」を決めておくことです。YouTube、動画を掲載する自社サイト、解説記事にそれぞれ役割を持たせると、考えやすくなります。

すでにあるセミナー動画や商品説明動画も、内容を更新して編集し直せば、企画に組み込めます。媒体ごとの使い分け、動画と記事を組み合わせる手順、公開後の評価の考え方を押さえておけば、自社の動画資産のどこから手をつけるかを選べるはずです。

動画コンテンツマーケティングは、視聴後の行動まで考える取り組み

動画コンテンツマーケティングとは、顧客に役立つ情報を動画で届け、商品・サービスへの理解や比較検討、購入後の利用までを支える取り組みです。動画を作って公開するだけで終わらせず、誰に向けて、どの疑問に答え、どこに掲載し、見た後に何を案内し、どう評価するかをまとめて考えます。

土台にあるコンテンツマーケティングは、役立つ情報を継続的に届けて、顧客との接点や事業上の成果につなげる考え方です。その情報を伝える形式のひとつとして、動画を位置づけるとイメージしやすくなります。全体像は、コンテンツマーケティングの基本と進め方で整理しています。

動画制作・動画広告との違い

名前が似ていて混同しやすいので、まず違いを整理しておきます。動画制作は、撮影や編集で動画を作る業務のことです。動画広告は、広告枠に費用を払って動画を配信する方法を指します。

一方、動画コンテンツマーケティングが考えるのは、顧客の疑問に答える情報をどう届け、次の判断にどうつなげるかです。制作や広告はそのための手段であり、計画の中で組み合わせて使います。

市場の動きにも触れておきます。株式会社サイバーエージェントが2026年3月9日に発表した調査では、2025年の国内動画広告市場は8,855億円で、昨年対比122.2%とされています。ただし、これはあくまで広告市場の規模です。広告を使わずに公開する企業動画の市場規模や、自社の動画施策の成果を示す数字ではありません。

予算を考えるときも、市場の成長率から期待する成果を決めるのではなく、届けたい相手と、動画で解消したい疑問から出発すると判断しやすくなります。

動画にするかどうかは、伝える内容で判断

動画が向いているのは、動きや操作の順序、使い方を見せたい場面です。反対に、料金や仕様を並べて比べてもらいたいときや、条件を何度も見返してもらいたいときは、文章や表のほうが伝わります。

たとえば機器の操作は動画で見せて、対応機種や利用条件は記事の表にまとめるといった使い分けが考えられます。すべてを動画に置き換えようとせず、顧客が情報を確かめる場面に合わせて形式を選ぶのが基本です。

YouTube・動画オウンドメディア・記事の役割分担

YouTube・自社サイト・記事の役割分担

3つの媒体の役割の違い

YouTubeは動画を届ける接点、自社サイトは動画と関連情報をまとめる場所、記事は条件や根拠をじっくり確かめてもらう場所。このように分けて考えると、媒体ごとの役目がはっきりします。同じ説明をどの媒体にも複製するより、顧客の疑問に応じて情報を補い合う形をおすすめします。

なお、オウンドメディアとは、自社で管理して情報を発信するメディアのことです。この記事では「動画オウンドメディア」を、動画を中心に据えて、解説や関連情報を自社サイトで提供するメディアという意味で使います。YouTubeチャンネルとは分けて考えます。

掲載先担当させる役割の例用意する情報次の案内先
YouTube動画で疑問に答え、自社やテーマを知ってもらう動画内で完結する説明、関連情報の案内詳しい解説や関連動画
自社サイトの動画掲載ページ動画と検討材料をまとめる内容の要約、対象者、補足、関連情報解説記事、商品・サービス情報
解説記事条件や違いを読み比べてもらう比較表、手順、例外、根拠関連動画や次の疑問に答える記事

これは媒体の優劣を示すものではなく、役割分担の一例です。すでにサイトに解説記事があるなら、動画の掲載ページを新しく増やさず、記事の中に動画を組み込む方法も選べます。

YouTubeの動画は、単体でも疑問に答える内容にする

自社サイトに来てもらいたいからといって、動画の答えを途中で止める必要はありません。動画のタイトルで約束した疑問にはその動画の中で答え、さらに詳しい条件や比較材料があれば、その先へ案内するのが基本です。

商品を選ぶ動画であれば、選ぶときの基準を説明したうえで、詳しい仕様表へつなげるイメージです。リンクを設置するときは、掲載場所の仕様を確認し、案内先の内容が動画の説明と食い違っていないかも点検しておくと安心です。

自社サイトには、動画を見る理由と補足を置く

動画をただ並べるだけでは、何が分かる動画なのか見る人に伝わりません。どんな内容か、誰に向けたものかを文章で添えておくと、視聴前に「自分に必要な情報か」を判断してもらえます。

掲載ページには、説明の要点、動画では扱いきれなかった条件、関連する記事を用意します。ただし、動画を載せただけで検索順位や問い合わせが増えるとは限りません。ページの内容と、訪問した人に取ってほしい行動は、別々に確認することが大切です。

記事には、見返したい条件や比較表を残す

記事と動画で同じ内容に触れても問題ありません。ただ、記事が動画の文字起こしで終わってしまうともったいないので、見出し、比較表、注意点を整理して載せます。

たとえば操作動画に対して、記事では事前準備、うまく操作できないときの確認事項、対応範囲を紹介します。動画を見なくても要点が分かり、動作を確かめたい人は動画を選べる構成です。

顧客の疑問から、動画と記事の組み合わせを決める

企画は、企業が説明したい内容からではなく、顧客が判断するために必要な情報から組み立てます。テーマごとに「誰が、何を知りたいのか」「動画で何を見せるのか」「記事で何を補うのか」を書き出すと、制作の範囲が決めやすくなります。

顧客の気持ちを想像だけで決めるのは避けたいところです。問い合わせの内容、商談で出た質問、既存コンテンツへの反応など、手元にある材料が確認の手がかりになります。

顧客の疑問の例動画で見せる内容記事で補う内容次に確認してもらう情報
どのように使うのか操作や利用の流れ準備物、手順、注意点詳しい利用ガイド
自社の条件に合うのか条件を変えた使い方対応範囲、制約、比較表商品・サービスの詳細
導入後に何をするのか導入から利用開始までの流れ社内準備、役割、必要な情報導入に関する説明
困ったときにどうするのか対処方法の実演発生条件、確認項目、対応範囲サポート情報

この表は企画の例であり、調査で確認した顧客の行動を示すものではありません。実際に使うときは、自社に寄せられた質問の記録に置き換えて考えます。

視聴後の案内先は、残る疑問に合わせる

動画を見た人すべてに問い合わせを案内する必要はありません。基礎を知りたい段階の人には関連する解説を、条件を比べたい段階の人には仕様や事例を、というように、まだ残っている疑問に合う情報を置くのがポイントです。

企業としては問い合わせを増やしたくても、視聴者の側はまだ比べる材料が足りないこともあります。案内先は、企業が得たい成果だけで選ばず、動画の中でどこまで説明できたかを基準に決めます。

テーマごとに、担当する説明を一文で固定する

企画書には、「この動画は、導入を検討している担当者に、利用開始までの流れを説明する」のように、対象と答えを一文で書いておきます。

その一文に収まらない説明は、動画に足す前に、本当に必要かどうかを見直します。料金の比較や細かい操作方法まで詰め込むと、動画の目的がぼやけてしまいます。別の疑問は記事や関連動画で扱い、案内先としてつなぐのが基本です。

既存動画を再利用するための整理と編集手順

既存動画を再利用する手順

既存動画を再利用する流れ

新しく撮る前に、手元の動画を見直してみてください。選ぶ基準は、画質や長さではありません。今も使える情報か、顧客の疑問に答えているか、再利用できる権利があるか、の3点です。内容を一覧にしたうえで、そのまま使う動画、再編集する動画、公開を見送る動画に分けておくと、次の作業が進めやすくなります。

セミナー、商品説明、操作案内、インタビューを一度に作り直す必要はありません。利用条件を確認でき、関連する記事もあるテーマから試すことをおすすめします。

素材を、内容・更新・権利・案内先で確認する

確認項目確認する内容対応の判断
内容誰のどの疑問に答えているか対象と答えが明確なら候補にする
更新料金、仕様、画面、説明が現在も正しいか古い部分は差し替えや補足を検討する
権利出演、音楽、画像、資料を再利用できるか許諾範囲が不明なら公開前に確認する
案内先関連記事や商品情報があるか不足していれば説明ページを整える
制作負担編集、確認、公開後の更新を担当できるか継続できる範囲で対象を選ぶ

再編集するときに気をつけたいのは、収録時に正しかった説明を、今も正しいものとして扱わないことです。公開日が新しくても、収録した内容が古ければ更新が必要になります。

長い動画は、顧客の疑問ごとに分ける

セミナー動画から一部を切り出すなら、時間で区切るより、話のまとまりを優先します。前後の説明を外したことで、結論の条件や発言の意味が変わっていないかも確かめておきたい点です。

短くしただけでは、説明不足は解消しません。冒頭で対象者と扱う疑問を示し、必要な前提を補っておくと、切り出した動画だけでも伝わります。動画の長さは一律に決めず、その疑問に答えるために必要な説明量で判断します。

動画・記事・案内先を一組で公開する

ここでは仮の例として、業務用機器の操作セミナーを再利用する場合を考えてみます。

  1. セミナーの中から、初期設定に関する説明を選ぶ。
  2. 現在の仕様と画面に合っているか確認する。
  3. 初期設定の疑問に答える動画として再編集する。
  4. 記事に準備物、手順、設定できない場合の確認事項をまとめる。
  5. 動画と記事から、関連する製品情報やサポート情報へ案内する。
  6. 公開後の反応を確認し、説明と案内先を見直す。

ここでやっているのは、同じ映像をあちこちに置くことではありません。足りない情報を補い、顧客が次に確かめる場所を用意する作業です。動画を量産し始める前に、まずこの一組を完成させることが近道です。

評価は、視聴・情報確認・事業成果を分ける

動画施策を3段階で評価する考え方

視聴から事業成果までの評価

再生回数だけを見ても、動画が比較検討や問い合わせの役に立ったかどうかは分かりません。動画を見てもらえたか、関連情報へ進んだか、事業上の成果につながったかを段階に分け、動画ごとに持たせた役割に合わせて評価します。指標のつなぎ方は、コンテンツマーケティングのKPI設計で解説しています。

次の表は評価項目の設計例です。取得できるデータは媒体や計測環境によって違うため、公開前に確認が必要です。

評価する段階確認項目の例改善を検討する箇所
動画への接触再生回数、視聴の状況テーマ、タイトル、内容の伝え方
関連情報の確認案内先への移動、関連記事の閲覧案内文、リンクの位置、掲載先の内容
事業上の成果問い合わせ、商談、購入対象者との一致、検討材料、案内先
継続できる制作体制制作時間、確認待ち、更新負担担当範囲、編集方法、公開計画

動画ごとに目的と比較条件をそろえる

基礎知識を伝える動画と、購入前の比較を助ける動画を、問い合わせ件数だけで順位づけするのは避けたほうがよいでしょう。前者は内容が届いたかどうか、後者は条件の確認につながったかどうかも合わせて見ると、公平に判断できます。

クリック率を使うときは、何の表示に対する、どのクリックの割合なのかをはっきりさせます。媒体が違う数字をそのまま比べず、対象の動画、測定期間、広告配信の有無を記録しておくと比較できます。

数字から原因を決めつけず、変更点を絞る

動画を公開したあとに問い合わせが増えても、同じ時期の広告や営業活動が影響しているかもしれません。前後の件数だけで動画の効果と言い切らず、確認できる範囲で流入や行動を追います。

案内先への移動が少ないときは、案内文が分かりにくいのか、それとも動画だけで疑問が解決したのかを分けて考えます。顧客の質問やページの内容も見直しつつ、一度に多くを変えず、変更した内容とその後の反応を残しておくと、次の改善に活かせます。

制作体制は、更新と改善まで含めて決める

運用の担当範囲には、企画、撮影・編集、内容確認、公開、計測、更新までを含めます。制作会社に依頼する場合でも、自社で確認する情報と、公開後に誰が直すのかは決めておく必要があります。

とくに商品仕様や料金を扱う動画は、編集担当者だけでは内容の正しさを判断できません。情報を管理している部署に確認を依頼し、変更があったときに対象の動画と関連記事をすぐ見つけられるよう、一覧を残しておくと安心です。

公開前には、次の項目を確認します。

  • 対象者と、答える疑問を決めた。
  • 動画内で伝える結論と条件を確認した。
  • 料金、仕様、画面、発言内容の確認を終えた。
  • 出演者や素材の利用条件を確認した。
  • 関連記事と案内先の内容を確認した。
  • 公開後に確認する指標と期間を決めた。
  • 更新の担当者と連絡方法を決めた。

最初から多くのテーマを並行して進めるより、既存動画と記事を組み合わせられるテーマを選び、制作から更新までの負担を確かめるほうが現実的です。その結果をふまえて、次のテーマや公開のペースを決めていく進め方です。

まとめ

動画コンテンツマーケティングは、動画を何本作るかではなく、顧客の疑問と視聴後の判断を軸に設計します。YouTubeで説明を届け、自社サイトに関連情報をまとめ、記事で条件や比較材料を補えば、各媒体の役割が整理しやすくなります。

最初の一歩として、既存動画を一覧にし、内容の鮮度、再利用の条件、関連する記事、公開後の担当者を確認してみましょう。その中から疑問をひとつ選び、動画・記事・案内先を一組で整えるところから始められます。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • 株式会社サイバーエージェント「サイバーエージェント、2025年国内動画広告の市場調査を実施 2025年の動画広告市場は8,855億円で昨年対比122%成長、2029年には約2倍の1兆6,336億円に達すると予測」 公開日:2026年3月9日。使用したデータの対象期間:2025年。国内動画広告市場の規模と昨年対比を参照。動画コンテンツマーケティング全体の市場規模や施策効果の根拠としては使用していません。 https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33050

‹ 親記事: コンテンツマーケティングとは?SEO・オウンドメディア・SNSとの違い、戦略・進め方を解説

関連記事

関連テーマ