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来店前の利用者はGoogleマップの写真の何を見る?外観・店内・商品・古さの影響を調査

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
来店前にスマートフォンで店舗写真を確認する利用者の手元と、「写真は効く。でも、どれが効く?」という記事の核心を表した画像

Googleマップに掲載する写真を増やしてはいるものの、外観・店内・商品・スタッフ・更新時期のどれを優先すべきか、判断材料がないまま運用している店舗は少なくありません。本記事では、国内外で公表されている学術研究や消費者調査を独自の基準で整理し、Googleマップの店舗写真が来店前の判断にどう影響するのか、そして現時点で何が分かっていて何が分かっていないのかを明らかにします。読み終えたあとは、自社の写真掲載状況を点検する際の判断軸として活用できます。

なぜ「どの写真が効くか」が分からないまま運用している店舗が多いのか

「写真は定期的に追加した方がよい」「外観・店内・商品の写真をバランスよく載せるとよい」といった助言は数多く存在します。しかし、これらの多くは運用のコツとして語られるものであり、「来店を検討している利用者が実際に何を見て、どう店舗を比較しているのか」という利用者側の視点を実証データで裏付けたものは多くありません。

本記事が明らかにしたい中心的な問いは、次の一点です。

来店前の利用者は、Googleマップ上の店舗写真の何を見て、店舗を比較・判断しているのか。

この問いに、既存の研究・調査はどこまで答えているのでしょうか。

結論:写真の効果は実証されている一方、「どの写真か」は分かっていない

先に結論を述べます。「写真が掲載されていること」自体が、利用者の信頼感や来店・購入の意向に影響するという点は、複数の独立した研究で確認されています。

一方で、「外観・店内・商品・スタッフ・更新時期のうち、どれが具体的に来店判断を左右するのか」という、より踏み込んだ問いに直接答えた消費者行動研究は、今回確認できた範囲では見つかりませんでした。これは「重要ではない」ということではなく、「今回確認できた一次研究では直接検証されていない」ということです。

このエビデンスの所在と空白を、公開されている一次情報をもとに整理してお伝えします。

今回の調査方法:公開されている一次研究を独自の基準で整理した

本記事では、店舗の写真と消費者の信頼・行動に関する学術論文、および国内外の調査会社による消費者調査を洗い出しました。情報源は、査読を経た学術研究や大手調査会社の一次調査を優先し、根拠の曖昧な二次情報は除外しています。

そのうえで、集まった研究を「外観」「店内」「商品・料理・施術」「スタッフ・オーナー」「更新時期・古さ」「写真全般」「顧客投稿写真」という共通の切り口に沿って独自に整理し直しました。研究ごとに調査対象・対象国・調査方法・測定内容が異なるため、単純に人数を合算したり、異なる調査の効果の大きさを直接比較したりすることはせず、「どのカテゴリにどの程度の証拠があるか」という構成の違いを可視化することに焦点を当てています。

店舗写真に関する研究を収集し、写真カテゴリと証拠区分で整理して分かっていることと未検証領域を確認する調査フロー

公開されている学術研究や消費者調査を写真カテゴリ別に整理し、直接証拠・隣接証拠・参考情報を区別して確認しています。

「写真があること」自体が信頼・購買/来店意向を左右するという証拠

まず、写真の有無そのものが利用者の判断に影響するかどうかについては、複数の独立した研究が同じ方向の結果を示しています。

飲食店のオンラインレビューを対象にした実験研究では、写真の有無が信頼に影響し、高評価かつ写真ありの条件で信頼が最も高かったという結果が示されています。信頼を介した購買意向との関係も確認されています。

また、消費者のレストラン選択時の視線の動きを計測した研究では、参加者はレビューの文章を丁寧に読むというより、レビューに埋め込まれた画像に注視が集中する傾向が観察されています。

研究 対象 測定した効果 主な結果
オンラインレビュー実験(2021年) レストラン利用者 信頼度・購入意向 写真の有無は信頼に影響し、高評価かつ写真ありの条件で信頼が最も高かった。信頼を介した購買意向との関係も確認された
視線計測研究(2022年) レストラン選択時の消費者30名 注視行動 レビュー本文よりも埋め込み画像への注視が集中
写真の有無、画像への注視、信頼、購買・来店意向について研究で確認された関係と、Googleマップでの直接検証ではない点を整理した図

写真の有無や画像への注視と、信頼・購買意向との関係は確認されていますが、Googleマップの写真欄そのものを直接検証した結果ではありません。

これらはいずれもレビューサイト全般を対象にした研究であり、Googleマップの写真欄そのものを検証したものではない点には注意が必要です。ただし、「写真の有無が判断に影響する」という基本的な傾向は、手法の異なる複数の研究で共通して確認されています。

外観・店内・商品・スタッフ・更新時期は、それぞれ何が分かっていて何が分かっていないか

ここからは、記事のテーマである5つのカテゴリについて、現時点で確認できる証拠を1つずつ整理します。研究によって検証の確からしさが異なるため、「直接証拠」(そのカテゴリ自体を検証した消費者行動研究)、「隣接証拠」(近い領域を扱うが対象や方法が異なる研究)、「参考情報」(消費者の行動そのものではない情報)を区別して示します。

店舗写真全般には信頼や注視への影響を示す研究がある一方、外観・店内・商品・スタッフ・更新時期ごとの直接検証は確認できていないことを示す概念図

「写真があること」の影響を示す研究はある一方、具体的にどの写真カテゴリが来店判断を左右するかは、今回確認した研究だけでは判断できません。

カテゴリ 直接証拠 隣接証拠 参考情報
外観 なし あり(店舗の見え方に関する研究) なし
店内 なし なし なし
商品・料理・施術 なし なし なし
スタッフ・オーナー なし あり(オーナー写真に関する調査) なし
更新時期・古さ なし なし あり(検索順位に関する専門家評価)

外観:物理的な店頭の見え方を扱った研究はあるが、オンライン写真での検証はない

店舗の窓越しの見え方(透明度)を扱ったVR実験では、店内が見えやすいディスプレイほど魅力度の評価や、見ている時間が長くなる傾向が確認されています。ただし、この研究は仮想空間内で店頭を体験させるものであり、実際に入店する行動そのものには有意な差が見られませんでした(仮想空間では実際に店に入れないことが要因の一つとして考えられています)。

この研究は、静止画としてのGoogleマップ写真ではなく、仮想空間での店舗体験を扱ったものです。外観写真そのものが利用者の来店判断に与える効果を直接検証した消費者行動研究は、今回確認できませんでした。

店内:今回確認できた一次研究はなかった

外観や商品写真と異なり、店内写真そのものを対象にした学術研究・大規模消費者調査は、今回の探索範囲では一件も確認できませんでした。日常的に語られる「内観を見て雰囲気を確認する」という行動について、実証的に検証した一次情報は見つかっていません。

商品・料理・施術:飲食店を対象にした研究はあるが、写真の種類を検証した研究ではない

前述の信頼度・注視行動に関する研究はいずれもレストランを対象に実施されていますが、これらの研究が検証したのは「写真の有無」であり、「料理写真」「商品写真」という特定の被写体を条件として操作・比較したものではありません。「レストランを対象にした研究」であることと、「商品・料理写真そのものを検証した研究」であることは異なります。この点を区別すると、商品・料理・施術という被写体カテゴリを単位として直接検証した消費者行動研究は、今回確認できませんでした。

スタッフ・オーナー:自社サイトでの効果は確認されているが、Googleマップでの検証はない

企業の自社ウェブサイトを対象にした大規模な消費者調査では、オーナー本人の写真を掲載したサイトは、写真がないサイトに比べて信頼度が高いという結果が示されています(業種によって差はあるものの、一貫してオーナー写真ありの方が高い傾向)。

ただし、この調査が対象にしたのは企業の自社ウェブサイトであり、Googleマップではありません。また、確認できているのはオーナー本人の写真についてであり、従業員(スタッフ)の写真についても同様の効果があるかどうかは、この調査からは分かりません。Googleマップ上でのスタッフ写真・オーナー写真の効果を直接検証した消費者行動研究は、今回確認できませんでした。

更新時期・古さ:検索順位への影響は指摘されているが、消費者心理への効果は確認されていない

ローカル検索の専門家を対象にした調査では、Googleビジネスプロフィールに写真が新しくアップロードされているかどうかが、検索結果での表示のされやすさに関わる要素として重視されています。

ここで重要なのは、この情報が示しているのは「検索結果に表示されやすいかどうか」という技術的な側面であり、「利用者が古い写真を見てどう感じるか」という消費者心理を測定したものではないという点です。Googleマップ・Googleビジネスプロフィール自体を対象にした情報としてはこの調査が該当しますが、その対象を「利用者の閲覧・信頼・来店判断」まで広げると、直接測定した研究は今回確認できませんでした。

顧客投稿写真は業種によって重視される割合が異なる

店舗自身が掲載する写真とは別に、利用者が投稿した写真をどの程度重視するかについては、業種別の調査データがあります。宿泊業では32%、飲食業では29%、美容・ウェルネス業では26%の消費者が、顧客投稿写真を重視すると回答しています。

顧客投稿写真を重視する消費者の割合が宿泊32%、飲食29%、美容・ウェルネス26%であることを比較したグラフ

顧客投稿写真を重視する割合は、宿泊業32%、飲食業29%、美容・ウェルネス業26%と、業種によって差が確認されています。

また、別の研究では、消費者が投稿した写真の量や内容が、飲食店の存続を予測する一つの手がかりになるという分析結果も示されています。これは個々の利用者がどう判断しているかを直接示すものではありませんが、顧客投稿写真が店舗の実態を映す指標として機能しうることを示唆しています。

今回確認できた研究にはどのような偏りがあったか

ここまで整理してきた研究群には、次のような偏りがあります。

  • Googleマップ・Googleビジネスプロフィール上の利用者の閲覧・信頼・来店判断そのものを直接測定した研究は、今回確認できた範囲では0件でした。
  • 対象業種は飲食業に集中しており、宿泊業や美容業への言及は一部の調査に限られ、小売業やその他のサービス業を対象にした消費者行動研究はほとんど確認できませんでした。
  • 対象国が判明している研究は米国が中心で、日本国内の消費者を対象にした同種の実証研究は今回確認できませんでした。
  • レビューサイト全般、企業の自社ウェブサイト、Yelp、仮想空間(VR)など、Googleマップ以外のプラットフォームを扱った隣接研究が大半を占めています。

今、店舗運営者・MEO担当者ができること

今回の調査結果を踏まえると、現時点で実務に活かせる範囲は次のように考えられます。

  • 写真そのものを、店舗選びに関わる重要な情報として軽視しないこと。写真の有無が信頼や来店・購入意向に影響するという傾向は、複数の独立した研究で確認されています。
  • 自社が掲載する写真だけでなく、利用者が投稿する写真も含めて、自社のGoogleマップ上の見え方を確認しておくこと。
  • 外観・店内・商品・スタッフ(オーナー含む)・更新状況について、自社の掲載状況を点検する項目として持っておくこと。
  • 一方で、これらのうちどれを優先すべきかという優先順位については、現時点の研究だけでは断定できません。自社の業種・客層に応じて、複数の要素をバランスよく確認していく姿勢が現実的です。

自社の写真掲載状況を点検する際のチェック項目としてまとめた資料もご用意していますので、あわせてご活用ください。

写真だけでなく、NAPやサイテーション、地域ページなども含めて改善範囲を整理したい場合は、ローカル検索対策の全体像を参照してください。

写真の種類・品質・更新ルールを実務に落とす際は、Googleビジネスプロフィールの写真・動画最適化で具体的な運用ルールを確認できます。

まとめ

Googleマップの店舗写真について、「写真があること」自体が利用者の信頼や来店・購入意向に影響するという傾向は、複数の独立した研究によって支持されています。一方で、外観・店内・商品・スタッフ・更新時期のうち、どれが具体的に来店判断を左右するのかを直接検証した消費者行動研究は、今回確認できた範囲では見つかりませんでした。

この「分かっていること」と「まだ分かっていないこと」の境界を明らかにすること自体が、今回の調査で得られた結果です。今後、Googleマップという特定のプラットフォーム上での消費者行動を対象にした研究が蓄積されることで、この境界はより明確になっていくと考えられます。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

  • Park, C.W., Sutherland, I., & Lee, S.K.(2021).Effects of online reviews, trust, and picture-superiority on intention to purchase restaurant services.Journal of Hospitality and Tourism Management, 47, 228-236.論文ページ
  • Investigating Consumers’ Online Restaurant Selection Behaviors Using Eye-tracking Technology and Retrospective Think-aloud Interviews.International Journal of Hospitality & Tourism Administration, 24(5)(2022).論文ページ
  • BrightLocal.Local Business Discovery & Trust Report(2023).調査ページ
  • BrightLocal.Images inspire trust in your local business website(2014).調査ページ
  • Kalantari, S., Xu, B., Govani, V., & Mostafavi, A.(2022).Analyzing the effects of storefront window display transparency on perceived store attractiveness and approach behavior.Journal of Retailing and Consumer Services.論文ページ
  • Consumer-posted photos as a leading indicator of restaurant survival.Management Science.論文ページ
  • Whitespark.Local Search Ranking Factors(2026).調査ページ

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