見積を出したあとのメール、電話、条件変更、担当者への引き継ぎが人ごとに散らばると、「あの案件はどこまで進んでいたか」を誰も説明できなくなります。この記事は、見積提出後のやりとりを一元管理したい中小企業の営業担当者・経営者向けに、見積太郎2と、顧客や商談の管理に使われる3つのサービス(顧客管理ツールのHubSpotとZoho CRM、サイボウズ株式会社のkintone)を、公式ページと提供会社のプレスリリースで確認できた内容で同じ項目に並べます。そのうえで、自社の運用から必要な機能を決める考え方を示します。
見積提出後に起きる6つの仕事

見積提出後の仕事は、見積の送付、顧客からの質問への回答、条件変更による再見積、返事がないときの確認、担当者が替わったときの引き継ぎ、受注か見送りかの記録の6つに分けられます。この記事では、これらのやりとりを後から追えるように残す機能を比べます。
見積提出後のツールを比べる6つの観点

- 顧客別のやりとりの置き場所:顧客ごとに、質問と回答を1か所にまとめられるか
- 見積の送付履歴と版:何を、いつ、どの金額で出したかが後から追えるか
- 通知とリマインド:新しい連絡や、返事がない案件に気づける仕組みがあるか
- 担当者間の共有と引き継ぎ:複数人で同じ顧客を見られるか
- 費用:月額か買い切りか、1ユーザー単位か、税込か税抜か、契約期間はどうか
- 導入条件:追加で必要な設定や費用、最低ユーザー数などの契約上の条件
見積太郎2と3サービスの位置づけの違い
- 見積太郎2:株式会社サウスフィールドプランニングが提供する、自社の料金体系に合わせた見積シミュレーターを作り、顧客ごとの専用ページで見積と相談を管理するWebシステム
- HubSpot:顧客と商談の情報を管理するCRM(顧客管理ツール)。無料版がある
- Zoho CRM:顧客情報と商談の進み具合を管理する、Zohoの顧客管理ツール
- kintone:サイボウズ株式会社が提供するサービスで、公式トップが「顧客・案件管理」やワークフローを用途の例に挙げているもの
見積太郎2は、顧客ごとに専用のURLと確認コードを発行し、見積内容と相談メッセージを一つのページで管理します。顧客側のアカウント作成は不要とされています。一方、HubSpot、Zoho CRM、kintoneについて確認した公式ページは、社内で顧客や商談を管理する機能として説明しており、顧客が見るための専用ページに当たる記載は確認できませんでした。
4つは同じ種類のツールではありません。顧客とのやりとりを同じ画面で残す型と、社内で商談の記録を共有する型があります。
顧客別の置き場所・見積の履歴・通知・共有の比較
顧客別のやりとりの置き場所と見積の履歴
| サービス | 顧客別のやりとりの置き場所 | 見積の送付履歴・版 |
|---|---|---|
| 見積太郎2 | 顧客ごとに専用の見積相談ページを発行。見積の変更とメッセージを同じスレッドに保存 | 送信時点の見積を固定保存し、初回見積・再見積・顧客変更を履歴化。前回金額・現在金額・差額を比較できる |
| HubSpot | 無料機能に「コンタクト管理」「取引パイプライン」。「コミュニケーション履歴の表示」が可能。顧客向けページの記載は確認できなかった | 無料機能の一覧に「見積書の作成」がある。送付履歴や版の管理の記載は確認できなかった |
| Zoho CRM | 顧客情報を一元管理し、商談の進捗を追跡。メモとタスクを共有。顧客向けページの記載は確認できなかった | 機能表に「CPQ(見積支援ツール)」(プロフェッショナル)。FAQに「見積/請求管理」への言及。送付履歴や版の記載は確認できなかった |
| kintone | 用途の例に「顧客・案件管理」。やりとりの置き場所に関する詳細は確認できなかった | 見積書に関する記載は確認できなかった |
通知・リマインドと担当者の共有
| サービス | 通知・リマインド | 担当者の共有・引き継ぎ |
|---|---|---|
| 見積太郎2 | 新しいメッセージなどの通知をメールで受け取る設定がある。リマインド機能の記載は確認できなかった | 管理者・サブ管理者は人数無制限で、見積相談を共有して顧客対応を分担。対応状況を顧客ごとに管理(7段階の記載は提供会社のプレスリリース)。担当者引き継ぎの専用機能の記載は確認できなかった |
| HubSpot | メールの開封時に通知が届く「Eメールのトラッキングとエンゲージメント通知」。モバイルアプリで「タスクやリマインダー、通知」を確認できる | 取引とタスクを管理し、チーム間のデータ共有が挙がる。無料は最大2ユーザー |
| Zoho CRM | 通知・リマインドの記載は確認できなかった | メモとタスクを共有。「ワークフロー」はスタンダードの機能 |
| kintone | 公式トップに記載なし | 公式トップに記載なし |
見積太郎2の対応状況は、提供会社のプレスリリースによると「未対応」「返信済み」「顧客返信あり」「再見積中」「成約」「見送り」「完了」の7段階です。「返信済み」のまま止まっている案件が、返事待ちの案件を探す手がかりになります。
HubSpotのモバイルアプリで確認できるのは「タスクやリマインダー、通知」で、返事がない案件を自動で拾う機能かは記載がありません。見積太郎2、Zoho CRM、kintoneにも、その種の記載はありませんでした。
料金・税表記・契約条件の比較
4サービスの料金表記と契約条件
| サービス | 料金の表記 | 税表記 | 契約・条件 |
|---|---|---|---|
| 見積太郎2 | クラウド月額9,800円/月。買い切りはベーシック30万円、ビジネス90万円、プロフェッショナル190万円 | 公式に税込も併記(月額10,780円、買い切りは330,000円・990,000円・2,090,000円) | 月額版の契約期間の記載は確認できなかった。AI機能に使う外部AIサービスのAPI利用料は全プランで実費が別途。買い切りはサーバー・ドメイン料金が年間おおむね15,000円程度必要(契約先・構成により変動)。サーバー設置などの導入設定も別途 |
| HubSpot | 無料は0円で、最大2ユーザー・1,000件のコンタクト。Starterは1シート当たり月額1,800円から(新規契約者のみ。提供価格は変更されることがある)。Professionalは月額6,000円から、Enterpriseは月額9,000円から | 確認できなかった | 無料は利用期限なし。年払いか月払いかの区分は確認できなかった |
| Zoho CRM | 無料は3ユーザーまで。有料は1ユーザーあたりの月額換算で、スタンダード1,760円、プロフェッショナル3,260円、エンタープライズ5,660円、アルティメット7,360円 | 「税抜き」の注記あり | 月間契約と年間契約があり、年間契約は最大34%オフ。ただし各金額がどちらの契約に対応するかは判別できなかった |
| kintone | 1ユーザー月額は、ライト1,000円、スタンダード1,800円、ワイド3,000円 | 公式の価格は税抜。税込の表記は確認できなかった | 最低ユーザー数はライトとスタンダードが10、ワイドが1,000。単月契約と単年契約があり、初期費用は無料。30日間の無料お試しはスタンダード |
5人で使う場合の月額を、公式の価格から計算します。HubSpot Starterは1シート月1,800円からで、5人なら9,000円から(税の記載なし、新規契約者のみ。提供価格は変更されることがある)、Zoho CRMのスタンダードは1,760円×5人=8,800円(税抜、月払いか年払いかは不明)です。kintoneは最低10ユーザーからのため、スタンダードで1,800円×10ユーザー=18,000円(税抜)になります。見積太郎2のクラウド版は月額9,800円(税込10,780円)で、管理者・サブ管理者は人数無制限と案内されています。AI機能の外部API利用料が別にかかり、買い切り版にはサーバー・ドメイン料金(年間おおむね15,000円程度)が別に必要です。
契約前にサービスごとに確かめたい点
見積太郎2:見積の版は残る。載せ替えの範囲とAI機能の設定を確認する
見積太郎2は、再見積の履歴と顧客との相談を同じ場所に残す点が、公式ページで具体的に書かれていました。確認したいのは2点です。
1点目は、前提となる運用です。自社の商品と料金体系を管理画面に登録して見積シミュレーターを作る仕組みなので、すでに別の方法で見積書を作っている場合に、どこまでを見積太郎2に載せ替えるかを決める必要があります。2点目は、AI機能です。AIレビューと返信文の作成は、外部AIサービスのAPIキーの設定が必要とされ、返信文は自動送信されないと説明されています。
HubSpot:無料で試せるが、人数の上限と税表記を確認する
HubSpotは、無料CRMに見積書の作成、メールの開封通知、タスクが含まれると案内されています。試しやすい反面、無料は最大2ユーザーです。3人目からは有料で、Starterは1シート月1,800円から(新規契約者のみ)です。税込か税抜かの表記と、有料プランの年払い・月払いの区分は確認できませんでした。見積書の作成の詳しい仕様も確認できていないため、見積の版を残せるかは、試用して確かめます。
Zoho CRM:見積機能が入るエディションと、月額換算の意味を確認する
Zoho CRMは、商談の進捗の追跡と、メモ・タスクの共有が公式ページに書かれています。見積支援ツール(CPQ)はプロフェッショナルの機能として表に載っています。公式の価格は「月額換算」の税抜表記で、月払いと年払いのどちらの金額なのかが判別できなかったため、Zohoに月払いと年払いそれぞれの請求額を聞きます。
kintone:自社で何をどこまで用意するかを決める
kintoneは、公式トップが顧客・案件管理を用途の例に挙げ、400種類以上のプラグイン・連携サービスがあると案内しています。一方で、見積書やリマインドに関する記載は確認できませんでした。ライトとスタンダードは最低10ユーザーからのため、3人で使う場合でも、スタンダードで10ユーザー分の月18,000円(税抜)の契約になります。
自社の運用に合う機能とサービスの型の選び方

自社の状況は、大きく3つに分けられます。
- 顧客とのやりとりと見積の版を同じ場所に残したい場合:見積太郎2のように、顧客別のページを持つ型から見る。顧客側のアカウント作成は不要とされている
- 社内で商談の進み具合とタスクを共有したい場合:HubSpotやZoho CRMのような、顧客と商談を管理する型から見る。無料で使える人数はHubSpotが最大2ユーザー、Zoho CRMが3ユーザーまで
- 顧客・案件管理やワークフローを、プラグインや連携サービスも使って用意したい場合:公式トップが用途の例に挙げているkintoneから見る。最低10ユーザーからの契約になる
自社に必要な働きは、次の手順で先に決めます。
- 直近の3件ほどの案件で、見積を送ったあとに返事が止まった日と、担当者が替わった日を探し、そのとき何が起きたかを時系列で書き出す
- 起きた困りごとを、6つの観点に当てはめ、「ないと困る」ものと「あれば助かる」ものに分ける
- 使う人数を数える。無料の人数上限や最低ユーザー数に収まるかを見る
- 月額、買い切り、付随費用を、1年分など同じ期間の総額にそろえて見る
- 無料の試用や無料プランがあるものは、実際の案件で試す。このとき「担当者が替わった想定で、前任者の対応を追えるか」を確認する
手順2の「ないと困る」を決めるときは、受注と見送りの結果、見送りの理由を記録する項目も入れておくと、後から見直せます。商談の結果を記事別に見る方法は、記事別の商談・受注貢献をCRMで測る方法|CV後の商談化率・受注率・リード品質を評価で説明しています。
見積に進む前の段階を見直すなら、商談化までの全体像をBtoBマーケティングとは?戦略・リード獲得・育成・商談化の全体像で、問い合わせが商談にならない原因の診断をSEO経由の問い合わせはあるのに商談化しない原因は?リード適合・期待差・営業引き継ぎを診断で整理しています。
契約前に問い合わせで聞く5つの質問
契約前に、公式ページで確認できなかった点を各社に問い合わせます。
- 返事がない案件を自動で知らせる通知やリマインドはあるか(見積太郎2、Zoho CRM、kintone。HubSpotはタスクやリマインダーが返事のない案件を拾えるか)
- 担当者を変更したとき、過去のやりとりと見積の履歴は新しい担当者から見えるか(見積太郎2、kintone)
- 見積を再提示したとき、前の版と金額は残るか。残る期間に上限はあるか(HubSpotの見積書の作成、Zoho CRMのCPQ、kintone)
- 料金の前提:HubSpotは税込か税抜か、有料プランが年払いか月払いか。Zoho CRMは月払いと年払いそれぞれの請求額。見積太郎2は月額版の契約期間
- 解約するとき、記録したデータを書き出せるか。書き出せる形式はどれか
見送りになった案件の理由を記録して活用する考え方は、商談の失注理由はどう記録・分析する?料金・機能・実績・比較情報をサイト改善へ戻す方法で説明しています。
まとめ:先に自社の運用を書き出し、必要な働きを決めてから候補を試す
顧客と同じ画面で見積の履歴を残すなら見積太郎2、社内で商談とタスクを共有するならHubSpotかZoho CRMが候補で、kintoneは顧客・案件管理の用途から見ます。まず直近の案件を時系列で書き出し、6つの観点のうち必須のものを決めてから、無料の試用や問い合わせで確かめてください。
参考文献
この記事で参照した情報を確認できます。
- 株式会社サウスフィールドプランニング「見積太郎2」 https://neo.estimator.jp/ (確認日:2026年11月7日)
- 株式会社サウスフィールドプランニング「見積シミュレーター作成から顧客相談まで一つに。「見積太郎2」を正式リリース」(prerele) https://www.prerele.com/releases/detail/52420 (確認日:2026年11月7日)
- HubSpot「無料CRM」 https://www.hubspot.jp/products/crm (確認日:2026年11月7日)
- Zoho「Zoho CRM 料金・機能一覧」 https://www.zoho.com/jp/crm/zohocrm-pricing.html (確認日:2026年11月7日)
- Zoho「Zoho CRM」 https://www.zoho.com/jp/crm/ (確認日:2026年11月7日)
- サイボウズ株式会社「kintone 価格・契約」 https://kintone.cybozu.co.jp/price/ (確認日:2026年11月7日)
- サイボウズ株式会社「kintone」 https://kintone.cybozu.co.jp/ (確認日:2026年11月7日)
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