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海外SEOの進め方|ドメイン構成・多言語設計・検索エンジンの違い

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
ノートPCと世界地図、スマートフォンが置かれたデスクで、手がペンで地図の一か所を指している様子

海外向けサイトのSEO(検索エンジン最適化)は、日本語サイトの施策を翻訳して並べるだけでは進みません。先に決めるのは、対象の国と言語、URLの構成、言語版のつなぎ方、そして対象国で使われる検索エンジンの4点です。この記事では、Googleの公式説明で確認できる内容を軸に、6つの手順で進め方を整理します。複数の言語・国を同じドメインで運用するなら、「.com」のように国を限定しないドメインのサブディレクトリから検討するのが始めやすい、というのがこの記事の結論です。

結論:海外SEOで先に決める4つのこと

海外SEOの6つの手順を左から右へ並べ、対象市場と言語、ドメイン・URL構成、言語版のつなぎ方、検索エンジンの4つを先に決める項目として強調した図

青い枠の4項目が、着手前に決めておく項目です。

海外SEOは、個別の施策に入る前に、次の4項目を先に決めておくと進めやすくなります。

決めること何を決めるか決める理由
対象市場どの国・地域の、どの言語の読者に届けるか翻訳する言語や、作るページの範囲が決まる
ドメイン・URL構成国別ドメイン、サブドメイン、サブディレクトリのどれにするか言語版のURLの置き場所が決まる
言語版の作り方言語ごとに別URLを用意し、言語版同士をどう関連づけるか検索エンジンと利用者が、言語版を見つけられるかに関わる
検索エンジン対象国で主に使われる検索エンジンは何か対象国で必要な対応が、Google以外で変わる場合がある

以降の手順は、この4項目を順番に埋める流れです。

手順1:対象の国・地域と言語を決める

最初に、サイトが「多言語サイト」なのか「多地域サイト」なのかを整理します。Googleの説明では、多言語サイトは複数の言語でコンテンツを提供するサイト、多地域サイトは特定の国の利用者を明示的に対象とするサイトです。両方を兼ねるサイトもあります。

言語と国は1対1ではありません。同じ言語でも国ごとに商習慣や検索される語が違えば、国別に分ける価値があります。逆に、国ごとの差が小さければ、言語単位でまとめたほうが運用は軽くなります。次の質問で整理すると判断しやすくなります。

  • 売上や問い合わせを見込む国はどこか。優先順位をつけると何番目までか
  • その国の読者は、日本語サイトの内容をそのまま必要としているか。現地の事情に合わせて書き直す必要があるか
  • 対象国で主に使われる検索エンジンはどれか(手順5で確認します)
  • 運用できる体制はあるか。言語を増やすほど、翻訳の確認と更新の手間も増える

最初から多くの国を対象にせず、優先度の高い1〜2市場で型をつくり、そのあと広げる進め方が現実的です。これは実務上の見解であり、Googleが定める手順ではありません。

手順2:ドメイン・URL構成を選ぶ

国別ドメイン、サブドメイン、サブディレクトリの3種類のURL例を並べ、国や言語を示す部分が、それぞれURLのどこにあるかを示した比較図

国や言語を示す位置は、構成ごとに違います。長所と短所は下の表で確認できます。

次に、言語版や国別版をどのURLに置くかを決めます。Googleは、多言語・多地域サイトで使える構成として、次の4つを長所と短所つきで説明しています。

構成例長所短所
国別ドメイン(ccTLD。「.de」のように末尾が国ごとに決まっているもの)example.de地域ターゲティングが明確。サーバーの場所は問題にならない。サイトを分けやすい費用が高く、取得できない場合もある。インフラが増える。国によって利用条件が厳しいことがある。対象は1か国のみ
「.com」などのドメインのサブドメイン(国を限定しないドメイン)de.example.com設定が簡単。サーバーの場所を分けられる。サイトを分けやすい「de」が言語なのか国なのか、URLだけでは利用者に分かりにくい
「.com」などのドメインのサブディレクトリ(国を限定しないドメイン)example.com/de/設定が簡単。同じホストで済むため保守が少ない地域ターゲティングが利用者にURLから伝わりにくい。サーバーの場所は1つ。サイトを分けるのが難しい
URLパラメータsite.com?loc=de推奨されていないURLによる分割が難しい

URLパラメータは公式に推奨されていないため、候補から外してかまいません。残る3つから選ぶときの目安を、事実と見解に分けて整理します。

事実:公式の説明で確認できること

国別ドメインは対象国を最も明確に示せる反面、費用がかかり、1つのドメインで1か国しか対象にできません。サブドメインとサブディレクトリは、どちらも設定が簡単です。サブディレクトリは同じホストで済むため保守の手間が少なく、サブドメインはサーバーの場所を分けられます。

見解:どう選ぶか

次の目安は、上の長所・短所から導いた実務上の見解です。個別の事情によって変わるため、決める前に自社の条件で確認してください。

  • 複数の言語を少ない手間で始めたい場合は、「.com」などのドメインのサブディレクトリを第一候補にする。保守の手間が少ないためです
  • 国ごとに別の運営体制や別のサーバーを置く予定がある場合は、サブドメインを検討する
  • 特定の1か国に強く絞り込み、現地での信頼感を重視する場合は、国別ドメインを検討する。複数国に広げる計画があるときは、ドメイン取得と管理の費用が増える点に注意する

サブドメインとサブディレクトリのどちらにするかは、運用面の条件も絡みます。詳しい比較は、サブディレクトリとサブドメインの違い|SEO・運用の判断基準で整理しています。

手順3:言語ごとのURLと、言語版のつなぎ方を設計する

日本語ページと英語ページが別々のURLで用意され、言語切り替えリンクで行き来でき、言語版の対応関係が検索エンジンに伝えられている様子を表した図

言語版は別のURLで用意し、言語の切り替えは利用者が選べるリンクで行います。

ドメイン構成を決めたら、言語版のページをどう作り、どうつなぐかを設計します。Googleの説明で確認できる要点は次のとおりです。

  • 言語ごとに別のURLを使うことが推奨されている。Cookie(ブラウザーに保存される小さなデータ)やブラウザー設定で同じページの言語を切り替える方法は推奨されていない
  • 別のURLを使う場合は、言語版同士の対応関係を検索エンジンに伝える指定(hreflang。各ページがどの言語・地域向けかを知らせるもの)で、言語版同士の関係を示す
  • 1つのページ内では、コンテンツとナビゲーションを単一の言語にそろえる。元の言語と翻訳を並べて表示することは避ける
  • 言語設定などに基づく自動リダイレクトは避ける。言語版へのリンクを置き、利用者が自分で選べるようにする
  • IPアドレスの分析でコンテンツを変えない。IPアドレスによる位置の分析は難しく、一般に信頼できないとされている
  • ボイラープレート(共通の定型文)だけを翻訳して本文を単一言語のままにすると、利用者体験が悪くなるおそれがある

自動リダイレクトを避ける理由として、Googleは、言語に基づく自動リダイレクトが、利用者や検索エンジンによる全言語版の閲覧を妨げるおそれを挙げています。また、Googlebot(Googleの巡回プログラム)は通常、米国から巡回し、リクエストにAccept-Languageヘッダー(ブラウザーが送る言語の希望)を設定しません。動的に言語を切り替える仕組みでは、一部の言語版が見つからない可能性があります。

実務では、各ページに言語切り替えのリンクを置き、国や言語を間違えて到着した利用者が選び直せるようにします。ここまでの設計が、検索エンジンにも利用者にも分かりやすい構成の土台になります。

言語版の対応関係の指定(hreflang)を設定した後の確認手順は、この記事では扱いません。多言語サイトで翻訳や企業情報を整える実装面は、多言語サイトのAIO実装|翻訳・言語地域指定・企業情報を整理が参考になります。

手順4:翻訳とローカライズで、現地の検索に合わせる

言語版のURLが整ったら、中身を現地の読者に合わせます。ここは、今回確認したGoogleの説明に詳しい基準がないため、実務上の考え方として整理します。

翻訳で終わらせない

日本語の見出しや本文を逐語訳しただけでは、現地の読者が実際に検索する語とずれることがあります。次の流れで進めると、ずれを減らせます。

  1. 現地の読者が検索しそうな語を、現地の言葉で候補に出す
  2. 現地を知る人に、その語で実際に検索するかを確認してもらう
  3. 確認できた語をもとに、タイトル・見出し・本文を現地向けに書き起こす

機械翻訳をそのまま公開せず、現地の言葉に詳しい人が最終確認する体制を置くと安心です。日付や数字の書き方、通貨、単位などの表記も、対象国の慣習に合わせます。

翻訳する範囲を絞る

すべてのページを訳すと、制作と更新の負担が一気に増えます。最初は、問い合わせや購入につながるページ、会社や商品を説明するページなど、海外の読者に必要なものから訳します。翻訳したページは、元の日本語ページが変わったときに更新が必要になるため、更新の担当者も先に決めておきます。

手順5:対象国の検索エンジンを確認する

対象国によっては、Google以外の検索エンジンが使われている可能性があります。この記事ではGoogle以外の検索エンジンの仕様を取り上げません。公式の説明を確認できていないためです。

手順1で挙げた対象国ごとに、次の順で確認してください。

  1. 対象国で主流の検索エンジンを、その国の市場データで確認する(要確認)
  2. その検索エンジンが公開しているサイト運営者向けの公式ガイドを読む
  3. 言語版の指定方法や、サイトの登録方法がGoogleと同じかを確認する

手順6:国・言語別に計測し、順番に直す

公開後は、国・言語ごとに分けて成果を見ます。全体の数字だけを見ると、どの市場が伸びているのか、どの言語版に課題があるのかが分かりません。

見るべき指標は、段階ごとに分けます。順位や表示回数は検索結果での見え方、クリック数は検索結果から実際に訪れた回数、問い合わせや購入は事業成果です。順位が上がっても、問い合わせにつながるとは限りません。それぞれ、何で測るかを先に決めておきます。

短い期間の数字だけで施策をやめず、国・言語ごとに「表示されているか」「クリックされているか」「問い合わせにつながっているか」の順で原因を切り分けます。

失敗しやすい点と、公開前の確認表

ここまでの内容を、公開前に確認できる表にまとめます。

確認項目うまくいかない状態確認のしかた
言語ごとのURLCookieやブラウザー設定で同じURLの言語を切り替えている言語ごとに別のURLがあるか
言語版の関係づけ言語版の対応関係(hreflang)が指定されていない別URLの言語版どうしが、対応関係の指定でつながっているか
自動リダイレクト言語設定やIPアドレスで自動的に別の言語版へ移動する利用者が自分で言語版を選べるリンクがあるか
ページ内の言語1ページに複数の言語が混在しているコンテンツとナビゲーションが単一の言語か
翻訳の範囲定型文だけを訳し、本文は日本語のまま本文まで対象の言語になっているか
検索される語日本語の語を逐語訳しただけの見出し現地の言葉で実際に検索される語か
検索エンジンGoogle以外が主流の国で、Googleの設定だけを行っている対象国の主流の検索エンジンの公式ガイドを確認したか
計測全体の数字しか見ていない国・言語別に分けて見られるか

URL構成を見直すときの技術面の確認項目は、テクニカルSEOとは?クロールからセキュリティまで、企業担当者が押さえるべき7領域の実務チェックリストが参考になります。

まとめ

複数の言語を同じドメインで始めるなら、「.com」などのドメインのサブディレクトリを軸に、言語ごとに別URLを用意するのが進めやすい出発点です。まず、優先する1つの国と言語を決め、手順2の表で自社に合う構成を選んでください。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

‹ 親記事: テクニカルSEOとは?クロールからセキュリティまで、企業担当者が押さえるべき7領域の実務チェックリスト

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