
この記事は約12分で読めます。
転職会議に書いた口コミをあとから見返して、
「表現を直したい」
「昔の口コミを消したい」
「退会すれば投稿も消える?」
「前の会社に書いたことがバレそうで不安」
と困っている方は少なくありません。
企業側でも、
「事実と違う口コミが掲載されている」
「採用への影響が心配」
「削除申請は弁護士に頼まないとできないのか」
と判断に迷う場面があります。
先に答えをまとめると、転職会議では、自分が投稿した口コミでも自由に削除することは原則できません。一方、口コミの修正は1投稿につき1回まで可能です。 退会しても、投稿済みの口コミは残ります。
企業についても、低評価だから自由に消せるわけではありません。ただし、権利侵害の可能性がある口コミについては、客観的な証拠を添えて送信防止措置を申し立てる方法があります。
この記事では「編集したい人」「自分の口コミを削除したい人」「口コミを書かれた企業」「投稿がバレないか心配な人」の順に、必要な情報を整理します。
この記事でわかること
-
転職会議に投稿した口コミを編集できる回数
-
自分の口コミを削除できるか
-
転職会議を退会すると口コミはどうなるか
-
企業側から削除を申し立てられる口コミ
-
削除申請で準備しておきたい証拠
-
弁護士を依頼したほうがよいケース
-
転職会議の口コミを書いたことが会社にバレる可能性
-
削除されなかった口コミへの企業側の対処法
まず結論|転職会議の口コミ編集・削除で知っておきたい3点
1.自分の口コミは1投稿につき1回まで編集できる
転職会議の口コミ投稿ガイドラインでは、口コミの修正は1投稿あたり1回限りとされています。
何度でも書き直せる仕組みではありません。
2.自分の口コミでも自由に削除はできない
転職会議は、口コミの削除を原則として受け付けていません。
さらに、アカウントを退会しても過去の口コミは削除されず、掲載が続きます。
3.企業からの削除申請に弁護士は必須ではない
企業など、口コミによって権利を侵害されたとする権利者が削除を申し立てる場合、必ず弁護士を通す必要があるわけではありません。
転職会議の企業向け公式サービス「MIRROR」では、口コミの削除申請について、弁護士を通す必要はないと案内されています。企業が直接申請した場合も、弁護士を通した場合も、違法な権利侵害にあたる可能性を客観的に判断できる申し立てについて削除を行うとしています。
転職会議の口コミは編集・削除できる?早見表

ポイント:転職会議では「編集できること」と「削除できること」は別です。投稿者本人でも自由な削除は原則できず、退会後も投稿は残ります。
| やりたいこと | できる? | 知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 自分の口コミを編集する | ○ | 1投稿につき1回まで |
| 自分の口コミを完全に削除する | 原則× | 投稿者都合による削除は原則不可 |
| 退会して投稿を消す | × | 退会後も口コミは掲載される |
| 企業が低評価口コミを自由に消す | × | ネガティブという理由だけでは削除されない |
| 企業が問題のある口コミを削除申請する | ○ | 権利侵害の可能性と客観的証拠がポイント |
| 弁護士を通して削除申請する | ○ | 可能だが必須ではない |
| 投稿者を特定する | 条件次第 | 発信者情報開示等の法的要件がある |
ここで最も間違えやすいのが、「編集できる」ことと「削除できる」ことは別という点です。
まずはこの違いから見ていきます。
転職会議で自分が投稿した口コミを編集する方法
「転職会議の口コミを編集したい」という場合、まず知っておきたいのは回数制限です。
転職会議の公式ガイドラインでは、口コミの修正は1投稿につき1回までとされています。
そのため、
-
誤字を見つけた
-
感情的な書き方をしてしまった
-
個人を推測できる内容を書いてしまった
-
事実関係を正確に直したい
-
誤解されそうな表現がある
といった場合は、勢いで修正するのではなく、修正後の文章を先に完成させてから手続きするほうが安全です。
編集するときは「とりあえず直す」を避ける
1回しか修正できない以上、「まず少し直して、あとでまた直そう」という使い方はできません。
修正前に、文章を一度メモ帳などへ移し、全体を読み直しておくとよいでしょう。
特に確認したいのは次の点です。
-
個人名や、個人を推測できる情報がないか
-
自分が直接経験していない話を書いていないか
-
「全員」「絶対」「いつも」などの断定が多くないか
-
単なる罵倒や攻撃になっていないか
-
社外秘・機密情報が含まれていないか
-
実際の経験と文章が食い違っていないか
転職会議は、個人特定につながる投稿、誹謗中傷、実体験に基づかない内容、機密情報などを削除・非掲載の対象とする場合があるとしています。
編集手順が古い記事と違う場合は公式案内を確認する
Web上には、以前のヘルプ画面を前提とした手順も残っています。
一方、現在確認できる転職会議の公式ガイドラインで明記されているのは「1投稿につき1回まで修正できる」というルールです。具体的な画面操作や窓口が変わる可能性もあるため、実際に修正するときは転職会議内の最新の案内・問い合わせ導線を確認してください。
検索結果で見つけた数年前の記事だけを見て操作するより、この方法のほうが確実です。
転職会議で自分の口コミを削除することはできる?
投稿者本人でも口コミの削除は原則できない
自分で書いた投稿であっても、SNSのように自由に削除できるわけではありません。
転職会議は公式ガイドラインで、原則として口コミの削除は受け付けていないと案内しています。
例えば、
「転職先が決まったので消したい」
「投稿したことを後悔した」
「前の会社と関係が改善した」
「会社に見つかりそうなので怖くなった」
という事情があっても、それだけで自由に削除できる仕組みではありません。
だからこそ、投稿する段階で「あとから簡単には消せない」と考えておく必要があります。
転職会議を退会すれば口コミも削除される?
退会しても、すでに投稿した口コミは消えません。
公式の口コミ投稿ガイドラインには、投稿者が転職会議を退会した後も口コミは削除されず、掲載され続けると明記されています。
そのため、
「口コミを消したいから、先にアカウントを退会しよう」
という判断はおすすめできません。
少なくとも投稿内容を修正したいのであれば、退会前に対応方法を確認しておきましょう。
企業側から転職会議の口コミを削除依頼できる?
企業から削除を申し立てること自体は可能です。
ただし、ここで企業側が最初に切り分けたいのは、
「悪い口コミなのか」ではなく「権利侵害などの問題がある口コミなのか」
です。
転職会議は、企業からの申し立てについて、客観的な証拠をもとに情報流通プラットフォーム対処法(正式名称:特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律)に沿って審査し、権利侵害にあたると判断した場合に削除すると説明しています。申請しただけで削除が約束されるわけではありません。また、削除までにかかる期間は投稿内容や審査状況などによって異なるため、「申請すれば即日削除される」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。
この違いはかなり大切です。
「星1だから削除したい」
「採用に不利だから消してほしい」
という話と、
「具体的な事実が誤っており、証拠もある」
「個人のプライバシーに関わる内容が含まれている」
という話は分けて考える必要があります。
転職会議で削除申請を検討しやすい口コミ・難しい口コミ
削除申請を検討する余地がある口コミ
例えば、次のような内容が含まれている場合は、ガイドライン違反や権利侵害にあたらないか確認する余地があります。
-
個人を特定できる情報が書かれている
-
誹謗中傷にあたる可能性がある
-
実体験ではなく、噂・伝聞が事実のように書かれている
-
機密情報が含まれている
-
客観的事実と異なる内容が断定されている
-
プライバシーなどの権利侵害が疑われる
転職会議も、個人特定、誹謗中傷、実体験に基づかない投稿、機密情報などをガイドライン上の問題として挙げています。
ただし、これらに該当するように見えるだけで削除されるとは限りません。実際の削除判断では、問題となる記載の内容や客観的な証拠などが確認されます。
削除が難しいと考えられる口コミ
一方、
-
「忙しい職場だった」
-
「評価制度に納得できなかった」
-
「上司と合わなかった」
-
「成長しにくいと感じた」
-
「給与に満足できなかった」
といった本人の勤務経験に基づく評価・感想は、会社にとって好ましくない内容でも、それだけを理由に削除できるとは限りません。
転職会議自身も、企業への厳しい意見について、誹謗中傷や個人特定にあたらない限り、できるだけ掲載する方針を示しています。
企業側でまず見るべきポイント
削除申請を検討するときは、口コミ全体を読んで「腹が立つかどうか」で判断しないほうがよいでしょう。
見るべきなのは、
どの一文が問題なのか。
そして、
その一文が間違っている、または権利侵害にあたると示せる材料があるか。
この2点です。
転職会議の口コミ削除を依頼する6ステップ

削除申請では、口コミ全体を問題視するのではなく、問題となる一文とそれを裏付ける客観的な資料を整理することが重要です。
企業側で問題のある投稿を発見した場合は、次の順番で整理すると判断しやすくなります。
STEP1.まず口コミを保存する
削除の相談を始める前に、
-
掲載ページ
-
投稿日
-
投稿内容
-
評価
-
投稿者属性として表示されている情報
-
確認した日時
を保存しておきます。
スクリーンショットも残しておくと、後から投稿内容が変わった場合でも確認できます。
STEP2.「口コミ全部」ではなく問題となる一文を抜き出す
企業側でありがちなのが、
「この口コミは全部嘘です」
とまとめて扱ってしまうことです。
しかし、実務上は、
「残業代が一切支払われない」という記載
のように、問題となる文章を具体的に特定したほうが整理しやすくなります。
投稿の一部は単なる感想でも、別の一文には事実関係の問題がある、というケースも考えられるからです。
STEP3.何が問題なのかを整理する
次に、
-
ガイドライン上の問題なのか
-
名誉や信用に関する問題なのか
-
プライバシーの問題なのか
-
個人特定につながるのか
-
機密情報なのか
を切り分けます。
法律上の評価が必要な場合は、この段階で無理に社内だけで結論を出さず、弁護士への相談を検討します。
STEP4.「違う」と言うだけでなく証拠を集める
企業側で最も差が出やすいのがここです。
転職会議は公式ページで、「残業代がまったく支払われない」という投稿に対し、企業側から残業代の支払実績など客観的な反証が提出されたケースを例示しています。
つまり、
「そんな事実はありません」
だけではなく、
「この資料から、この記載とは異なる事実が確認できます」
まで整理するほうが、申請内容は明確になります。
STEP5.転職会議へ申し立てる
対象の記載、問題と考える理由、客観資料をまとめ、転職会議の案内に従って送信防止措置を申し立てます。
転職会議は権利者本人または代理人弁護士からの申請を受け付けています。
STEP6.削除されなかった場合の対応を同時に考える
申請中だからといって、企業側の対策を止める必要はありません。
削除されない可能性も考え、
-
口コミへの返信
-
採用サイトの情報修正
-
求職者向けFAQの追加
-
他の口コミサイトの確認
-
Google検索結果の確認
-
拠点型企業ならGoogleマップ上の評判確認
-
同じ不満が繰り返される原因の確認
まで並行して見ておくと、削除結果だけに左右されにくくなります。
削除申請の前に企業がやらないほうがよいこと
削除方法だけでなく、初動の失敗にも注意が必要です。
投稿者探しから始める
ネガティブな口コミを見つけると、「誰が書いたのか」を最初に知りたくなるかもしれません。
しかし、まず確認すべきなのは投稿者ではなく、書かれている内容と証拠です。
投稿者の推測ばかりに時間を使うと、本来整理すべき問題点が後回しになります。
感情的に口コミへ反論する
「これは嘘です」
「元社員による嫌がらせです」
などと即座に返信すると、かえって求職者へ悪い印象を与える可能性があります。
返信するなら、
「現在は○○という制度へ変更しています」
「ご指摘の点については○年から改善を行っています」
など、第三者である求職者が確認したい事実を中心に書くほうが自然です。
低評価=虚偽と決めつける
企業側からすると納得できない内容でも、投稿者本人にとっては実際に感じたことかもしれません。
「主観的な評価」と「客観的事実の誤り」を混ぜないことが、最初の整理では欠かせません。
【公式公開データ】転職会議の口コミは実際どれくらい削除されている?

転職会議の公式公開データでは、2025年4月〜2026年3月に申請された案件のうち、掲載継続が71.0%で最多でした。全件削除と部分削除を単純に「削除成功率29%」と解釈することはできません。
ここでは「弊社独自の削除成功率」ではなく、転職会議自身が公開しているデータを整理します。
今回確認したデータ
データ元
転職会議「口コミ・ランキングの信頼性への取り組み」
対象
2025年4月から2026年3月までに送信防止措置申請を受けた案件
集計時点
2026年5月
整理
リブランディング株式会社編集部が公式公開データをもとに整理
公式ページ再確認日:2026年9月14日
2026年9月14日時点で公式ページを再確認したところ、公開されている審査結果は「掲載継続71.0%」「全件削除21.6%」「部分的な削除7.4%」です。
なお、これは「2026年8月時点の案件」を集計した数値ではありません。2025年4月から2026年3月までに申請された案件を、2026年5月時点で集計した公式データです。
転職会議が公開している結果は次のとおりです。
| 審査結果 | 割合 |
|---|---|
| 掲載継続 | 71.0% |
| 全件削除 | 21.6% |
| 部分的な削除 | 7.4% |
最も多い結果は「掲載継続」71.0%
数字だけ見ると、まず目に入るのは削除された割合かもしれません。
しかし、実際に最も多い結果は掲載継続の71.0%です。
この数字からも、「申請すれば簡単に消える口コミサイト」と考えないほうがよいことがわかります。
21.6%+7.4%=「削除成功率29%」ではない
全文削除21.6%と部分削除7.4%を足すと29.0%になります。
ただし、これを、
「転職会議へ削除依頼すれば29%で成功する」
と表現するのは正確ではありません。
転職会議は、全文削除・部分削除の集計に投稿者の同意を受けた任意削除も含まれると注記しています。
個別案件では投稿内容、証拠、権利侵害の有無など条件が異なります。
数字だけで削除可能性を判断するのではなく、その口コミ自体を確認する必要があります。
「転職会議の口コミ削除率0.02%」という古い情報には注意
Web上の記事には、「転職会議の口コミ削除成功率は0.02%」といった数字が残っている場合があります。
少なくとも、転職会議が現在公開している送信防止措置申請のデータは、
掲載継続:71.0%
全件削除:21.6%
部分削除:7.4%
です。
したがって、出典や対象期間が異なる過去の数字を、そのまま現在の削除率として扱うのは避けたほうがよいでしょう。
転職会議では投稿前にも口コミを審査している
削除申請の数字を見るときは、「掲載された後」だけでなく「掲載される前」の審査も知っておくと理解しやすくなります。
転職会議は、投稿された口コミを全件全文確認し、個人特定や誹謗中傷、実体験に基づく投稿かどうかなどを確認していると説明しています。
2025年に投稿された口コミについて、公表されている掲載率は94.1%、非掲載率は5.9%でした。
つまり、企業側から削除申請された口コミだけでなく、投稿段階でも一定の審査が行われています。
転職会議の口コミ削除に弁護士は本当に必要?
削除申請だけなら弁護士は必須ではない
転職会議の口コミについて、企業が削除申請を行うだけであれば、弁護士への依頼は必須ではありません。
転職会議の企業向け公式サービス「MIRROR」のFAQでも、口コミの削除申請について「弁護士を通す必要はない」という趣旨が明確に案内されています。企業が直接申請した場合でも、弁護士を通した場合でも、削除の判断では、違法な権利侵害にあたる可能性を客観的に判断できる申し立てかどうかが重視されます。
そのため、
-
問題となる文章を具体的に特定できる
-
事実と異なることなどを示す客観資料がある
-
まず転職会議側へ削除の判断を求めたい
という段階であれば、まず企業自身で申請を検討する方法もあります。
一方、名誉毀損などの法的判断、発信者情報開示、裁判所を利用した手続、損害賠償請求まで検討する場合は、通常の削除申請とは別に弁護士への相談を検討してください。
弁護士に相談したほうがよいケース
一方で、次のような場合は話が変わります。
-
名誉毀損など法的な権利侵害にあたるか判断したい
-
投稿者の特定を検討している
-
発信者情報開示請求をしたい
-
裁判所を利用した削除手続きを検討している
-
損害賠償請求を検討している
-
転職会議への通常の申し立てだけでは解決しなかった
情報流通プラットフォーム対処法には、一定の要件のもとで発信者情報の開示を請求する制度や、裁判所による発信者情報開示命令の手続が定められています。
この領域まで進む場合は、削除申請と法的手続を分けて考えたほうがよいでしょう。
自社・弁護士・風評被害対策会社はどう使い分ける?
| 相談先 | 向いているケース | 主な役割 |
|---|---|---|
| 自社 | 問題箇所と証拠が明確 | 証拠整理・転職会議への申請・情報発信 |
| 弁護士 | 権利侵害・開示請求・裁判等を検討 | 法的判断・法律事務・裁判手続 |
| 風評被害対策会社 | 検索結果や採用評判まで改善したい | 評判の把握・検索対策・情報発信等 |
口コミ削除と評判改善は、似ているようで別の仕事です。
例えば転職会議の口コミを1件削除できても、候補者が企業名を検索した際に、
-
「企業名 ブラック」
-
「企業名 やばい」
-
「企業名 評判」
などの検索結果や別の口コミサイトが目立っていれば、採用への懸念がなくなるとは限りません。
法律問題は弁護士、検索結果や採用情報の改善はその分野の専門会社というように、目的に合わせて切り分けるほうがわかりやすくなります。
転職会議の口コミを書いたら会社にバレる?
匿名表示でも「絶対にバレない」とは言えない
転職会議の画面上で実名が表示されていなくても、投稿内容から本人を推測される可能性はあります。
例えば、
-
所属部署
-
特殊な担当業務
-
入社・退職時期
-
特定時期のプロジェクト
-
少人数しか知らない出来事
-
特定の上司とのやり取り
-
勤務地と職種の組み合わせ
などです。
「この出来事を知っている人は数人しかいない」
という内容まで具体的に書けば、匿名であっても社内では候補が絞られることがあります。
投稿者側で気をつけたいのは、名前を書かなければ匿名性が保たれるとは限らないという点です。
発信者情報開示で転職会議の投稿者が特定されることはある?
権利侵害が問題となる場合には、発信者情報開示が検討されることがあります。
現行の情報流通プラットフォーム対処法では、権利侵害が明らかであることなど一定の要件を満たす場合に発信者情報の開示を請求できる制度が設けられています。裁判所による発信者情報開示命令の仕組みもあります。
ただし、
「会社が誰なのか知りたい」
という理由だけで、直ちに情報が開示されるわけではありません。
発信者情報開示は、企業が「投稿者を知りたい」と希望するだけで認められる制度ではありません。現行法では、権利侵害が明らかであることなどの要件が定められており、裁判所を利用する発信者情報開示命令の手続もあります。
2025年、転職会議へ直接行われた発信者情報開示請求では、開示されたものは0件
転職会議が公開しているデータによると、2025年に同社へ直接行われた発信者情報開示請求について、実際に開示したものは0件でした。
ただし、これを、
「転職会議なら絶対に身元が特定されない」
と読むのも適切ではありません。
同じ公開資料では、2025年の裁判所・行政機関からの削除や発信者情報開示に関連する手続について、仮処分手続18件、訴訟5件、捜査関係事項照会3件があったとされています。なお、これは投稿数や実際に削除・開示された件数を示す数字ではなく、転職会議が公表している「発生件数」です。
投稿者側も、権利侵害につながる内容、個人情報、機密情報などを安易に書かないことが基本です。
削除できない転職会議の口コミにはどう対応する?
企業から相談を受ける場面で見落とされやすいのが、削除できなかった後の対策です。
実際には、口コミが残ったままでもできることがあります。
1.口コミへ返信する
転職会議では、企業向けサービス「MIRROR」で自社の口コミを閲覧し、個別に返信できる仕組みを提供しています。MIRRORそのものは口コミ削除サービスではありません。
興味深いのは、転職会議側が公開している返信に関する調査です。
評点1の口コミについて「企業からの返信がある例」と「ない例」を見せた調査では、その企業に対して「良い印象を抱かない」と回答した割合が41.8%から16.8%へ下がったとされています。
もちろん、この数字がすべての会社にそのまま当てはまるわけではありません。
ただ、「削除できない=打つ手がない」ではなく、第三者である求職者へ企業側の事実を見せる余地があることはわかります。
2.口コミへの返信は投稿者ではなく求職者に向けて書く
ここは弊社でも重視したい考え方です。
返信相手を「投稿した元社員」だと思うと、
「それは事実ではありません」
「そのような社員はいません」
という反論になりがちです。
しかし、実際に返信を見るのは、これから応募するか迷っている求職者でもあります。
その人が知りたいのは、
-
現在も同じ制度なのか
-
会社は問題を認識しているのか
-
何か改善したのか
-
会社側の説明は具体的か
です。
返信するなら、この第三者視点を意識したほうが伝わりやすくなります。
3.採用サイトで不足情報を埋める
口コミで何度も指摘されるテーマがあるなら、採用サイト側でも説明します。
例えば、
-
残業時間
-
評価制度
-
給与制度
-
リモートワーク
-
キャリアパス
-
研修制度
-
福利厚生
-
配属方法
などです。
口コミを否定するページを作る必要はありません。
求職者が口コミを読んだあとに感じる疑問へ、公式サイトで答えられる状態を作ることが目的です。
4.転職会議以外の検索結果も確認する
企業の評判は転職会議だけで作られているわけではありません。
少なくとも、
-
企業名のGoogle検索結果
-
他の転職口コミサイト
-
SNS
-
検索サジェスト
-
拠点型ビジネスならGoogleマップの口コミ
-
自社採用サイト
は同時に確認しておきたいところです。
転職会議の1投稿だけを見続けるより、求職者が企業名を検索したときに何を目にするかを一度通して見ると、優先順位を決めやすくなります。
5.同じ不満が続いているなら「評判」ではなく「原因」を見る
過去数年にわたって複数の社員が、
「評価基準がわかりにくい」
「教育体制が弱い」
など、同じテーマを繰り返し投稿している場合があります。
この場合、すべてを「風評被害」と考えて削除だけを目指すより、実際の制度や説明方法に改善余地がないか確認したほうが、長期的には同じ口コミの再発を防ぎやすくなります。
リブランディング株式会社が口コミ対策で見るのは「削除できるか」だけではない

求職者は転職会議だけで企業を判断するとは限りません。削除申請に加えて、返信・採用情報・検索結果まで含めて改善対象を整理することが重要です。
口コミ対策というと、
「この投稿を消せるか」
だけに意識が向きがちです。
しかし、採用への影響を考えるなら、もう少し広く見る必要があります。
例えば、
転職会議に悪い口コミがある
↓
候補者が企業名をGoogle検索する
↓
別の口コミサイトも表示される
↓
採用サイトを見る
↓
面接前にSNSやGoogleマップも確認する
という流れは十分考えられます。
そのためリブランディング株式会社では、口コミ1件の削除可否だけではなく、
「検索した候補者から会社がどう見えるか」
という単位で状況を整理します。
-
法的に対応すべき口コミなのか。
-
企業側から返信したほうがよいのか。
-
公式情報が不足しているのか。
-
他サイトのネガティブ情報のほうが影響が大きいのか。
この順番を間違えないことが、口コミ対策では大切です。
転職会議の口コミ編集・削除に関するよくある質問
Q1.転職会議の口コミは後から編集できますか?
はい。転職会議の公式ガイドラインでは、口コミは1投稿につき1回まで修正可能とされています。
複数回の修正は受け付けていないため、変更内容をまとめてから修正するのがおすすめです。
Q2.自分で書いた口コミなら削除できますか?
原則として自由には削除できません。
転職会議は、口コミの削除を原則受け付けていないと案内しています。
Q3.転職会議を退会すれば口コミは消えますか?
消えません。
公式ガイドラインでは、退会後も投稿した口コミは削除されず掲載され続けるとされています。
Q4.企業から転職会議の口コミを削除依頼できますか?
申し立ては可能です。
ただし、「悪い口コミだから」という理由だけではなく、問題となる記載と権利侵害の可能性、客観的な証拠などを整理する必要があります。申請しても削除が保証されるわけではありません。
Q5.転職会議の口コミ削除に弁護士は必要ですか?
削除申請そのものについては必須ではありません。
転職会議の企業向け公式ページでも、企業が直接申請する場合と弁護士を通す場合で、削除判断の基本的な基準は同じと説明されています。
一方、発信者情報開示や裁判など法的手続まで検討するなら、弁護士への相談を検討してください。
Q6.転職会議の口コミ削除率は0.02%ですか?
少なくとも現在転職会議が公開している公式集計とは一致しません。
2025年4月から2026年3月までに送信防止措置申請を受けた案件の2026年5月時点の集計は、掲載継続71.0%、全件削除21.6%、部分削除7.4%です。
ただし、これを個々の口コミの「削除成功率」と考えることもできません。
Q7.事実と違う口コミなら必ず消えますか?
必ず削除されるとは限りません。
「何が事実と異なるのか」と「それを何で証明できるのか」を具体的に整理する必要があります。転職会議も客観的な証拠に基づいて審査すると説明しています。
Q8.転職会議の口コミを書いたら会社にバレますか?
必ずバレるわけではありませんが、絶対にバレないとも言えません。
仕事の内容、部署、勤務時期、特定の出来事などから、会社内で投稿者を推測される可能性があります。
権利侵害が問題になる場合には、一定の要件のもとで発信者情報開示の手続が利用されることもあります。
企業が転職会議の口コミを見つけたときのチェックリスト
問題のある口コミを見つけた場合は、削除依頼を出す前に次を確認してみてください。
-
口コミの掲載ページ・投稿内容を保存した
-
スクリーンショットを残した
-
「口コミ全部」ではなく問題となる一文を特定した
-
主観的な低評価と、客観的事実の問題を分けた
-
事実と異なる場合は証拠を準備した
-
個人特定・プライバシー・機密情報の問題を確認した
-
感情的に投稿者へ反論していない
-
転職会議への申し立てが適切か確認した
-
法的判断が必要なら弁護士への相談を検討した
-
削除できなかった場合の返信内容も考えた
-
採用サイトに不足している情報がないか確認した
-
他の口コミサイトも確認した
-
Google検索結果を確認した
-
拠点がある企業はGoogleマップ上の評判も確認した
-
同じ内容の不満が複数回投稿されていないか確認した
まとめ|転職会議では「編集」「削除」「評判対策」を分けて考える
転職会議の口コミについて、まず覚えておきたいのは次の3点です。
-
自分の口コミは1投稿につき1回まで修正できる。
-
投稿者本人でも自由な削除は原則できず、退会しても口コミは残る。
-
企業は問題のある口コミについて削除を申し立てられるが、申請しただけで削除されるわけではない。
企業側の削除申請については、弁護士を必ず通す必要もありません。
ただし、発信者情報開示や裁判など法的対応を検討する場合は、通常の削除申請とは分けて考える必要があります。
そして、企業の採用や評判への影響を考えるなら、削除結果だけで終わらせないことも大切です。
口コミへの返信、採用サイトでの情報発信、他の口コミサイト、Google検索結果、必要に応じてGoogleマップ上の評判まで確認すると、
「本当に対処すべき場所はどこなのか」
が見えてきます。
リブランディング株式会社では、口コミ1件だけを見るのではなく、検索結果・口コミサイト・採用情報などを含めて、企業がオンライン上でどう見えているかを整理しながら対策を検討します。
「この口コミは削除申請すべきなのかわからない」
「削除できなくても採用への影響を減らしたい」
「転職会議だけでなく、検索結果や他の口コミサイトも悪化している」
という場合は、まず現在の状況を整理するところから始めてください。
法的な対応が必要な領域と、検索・採用広報などで改善できる領域を分けることで、必要以上に「削除」だけへ時間やコストをかけずに済みます。
参考文献・データ元
この記事で参照した情報を確認できます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別事案についての法的判断が必要な場合は、弁護士等の専門家へご相談ください。
‹ 親記事: ネット上の投稿を削除依頼する方法|媒体別の流れと削除できない場合の対処法
関連記事
- › JPNumberの口コミを削除する方法|削除依頼の手順・基準・事業者情報の削除まで解説
- › Yahoo!知恵袋の投稿を削除する方法|削除依頼の条件・手順と削除できない場合の対処法
- › 電話帳ナビの口コミを削除する方法|削除依頼の手順・判断基準・風評被害への対処法
- › sognoの愚痴・口コミを削除する方法|削除依頼の条件と企業の対処法
- › マンションコミュニティの悪い書き込みは削除できる?削除依頼の方法と対策
- › Yahoo!しごとカタログの口コミは削除できる?削除基準・報告方法と企業の対処法
- › キャリコネの口コミを削除する方法|削除依頼の条件・手順と企業の対処法
- › ONE CAREERの口コミは削除できる?企業側の削除依頼と採用評判対策
- › e戸建ての口コミ・掲示板投稿を削除する方法|削除依頼と住宅会社の風評被害対策
- › OpenMoneyの口コミは削除できる?削除依頼の方法と企業の採用評判対策
- › JobQ Townの口コミは削除できる?削除条件・依頼方法と企業の対処法
- › ONE CAREER PLUSの口コミは削除できる?企業の削除依頼と採用評判対策
- › 葬儀社の口コミを削除する方法|悪質な投稿への対処と風評被害対策
- › Geekly Reviewの口コミは削除できる?削除依頼の条件・手順と企業の対処法
- › みん就の書き込みは削除できる?削除依頼の方法と企業の採用評判対策
- › 就活会議の口コミを削除する方法|削除依頼の条件・手順と企業の対処法
- › Yahoo!マップの口コミを削除する方法|投稿者の削除・違反報告と企業側の対応
- › Googleの悪い口コミを削除する方法|削除条件・申請手順・再審査まで解説
- › Indeed(インディード)の口コミ削除方法|企業側の報告手順・削除基準を解説【2026年】
- › ナスコミの口コミは削除できる?削除条件・依頼方法と病院側の対処法を解説
- › ホットペッパービューティーの口コミを削除する方法|削除基準と嫌がらせへの対処法
- › OpenWorkの口コミを削除する方法|削除できるケース・申請手順・削除できない場合の対策
- › エン カイシャの評判の口コミを削除する方法|削除条件と企業の対処法
- › Google口コミに個人名を書かれたら削除できる?書かれた場合の対処法を解説
- › 不正・虚偽口コミの証拠保全方法|スクショ・URL・時系列を残す実務手順
- › 口コミ削除申請の進捗管理を標準化する方法|受付・再確認・エスカレーションのSLA設計
- › 口コミ削除依頼の一次判定シートを作る方法|規約違反・事実確認・証拠不足を分類
- › 口コミ削除申請が不成立だった後の対応|再審査・返信・法務相談・評判改善の切り替え方



