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SEO対策会社と契約する前に確認すること|実装範囲・権限・成果定義・引き継ぎ

部署:マーケティング担当者部署:経営者・責任者レベル:実践
SEO対策会社との契約書を確認しながら実装担当を整理している担当者の手元

SEO対策会社を決め、あとは契約するだけという段階でも、「どこまで実装してもらえるのか」「CMSや計測ツールの権限は誰が持つのか」が曖昧なままでは、契約後に施策が止まることがあります。

契約前に重要なのは、サービス名や提案内容だけで判断せず、調査・提案・制作・実装・検証の各工程で「誰が何をするか」を確定することです。さらに、成果の定義、追加費用が発生する条件、契約終了時に残るデータや制作物まで確認しておく必要があります。

この記事では、委託先を決めた後、契約書へ署名する前に確認したい項目を実務の流れに沿って整理します。

契約前に確認したいのは「何をするか」より「誰が実装するか」

SEO対策の契約では、施策内容だけでなく、実際にサイトへ反映する担当者まで決めておくことが重要です。

Googleも、SEO会社が提供する業務として、サイト構造の確認、技術的な助言、コンテンツ制作など複数の領域を挙げています。また、SEO会社がサイトへ変更を加える場合は、何を変更したか、その理由を説明できる状態にしておくことを案内しています。

たとえば「内部SEO改善」が契約範囲に入っていても、次のような分担では施策が止まる可能性があります。

  • SEO会社は改善案だけを提出する
  • CMSへの反映は自社が担当する
  • 技術改修は別の開発会社へ依頼する
  • 本番公開の承認は情報システム部門が行う

問題になるのは、どの形が正しいかではありません。自社の体制と契約内容が一致しているかです。

契約前には、少なくとも次の5工程に分けて担当を確認すると整理しやすくなります。

工程 確認する内容 契約前に決めること
調査 SEO上の課題を調べる 調査範囲、利用データ
提案 改善内容を決める 提案書・仕様書の範囲
制作 原稿や設定内容を作る 原稿、タグ、構造化データ等の担当
実装 CMSやコードへ反映する 実際に手を動かす担当
検証 公開後に確認する 表示、計測、検索状況の確認担当

特に確認したいのが「提案」と「実装」の境目です。

SEO支援を調査・提案・制作・実装・検証の5工程に分け、担当者を確認する役割分担図

SEO支援は、提案内容だけでなく、調査から実装後の検証まで各工程の担当者を決めておくことが重要です。

「ページを改善する」「構造化データを追加する」「タイトルを変更する」と書かれていても、SEO会社自身が実装するとは限りません。自社や制作会社が実装する場合は、SEO会社がどこまで指示書を作り、実装後の確認まで担当するのかを決めておきます。

実装担当が自社の場合は社内工数も契約条件として考える

SEO会社が分析と提案までを担当し、実装を自社で行う契約もあります。

この場合は、契約金額だけではなく、自社側に必要なCMS更新、開発、確認、承認の工数まで見ておく必要があります。

社内に実装できる担当者がいなければ、改善案が出ても反映できません。反対に、社内に開発体制がある企業なら、外部会社には調査や優先順位付けを任せ、実装を内製する方法もあります。

契約前には「誰が実装するか」だけでなく、「実装担当者が実際に確保されているか」まで確認してください。

CMS・Search Console・GA4などの権限を先に整理する

SEOでは、CMSだけでなく、Google Search Console、Google Analytics 4(GA4)、Google Tag Manager(GTM)など複数の管理画面を利用することがあります。

権限設計で重要なのは、外部会社へ必要な作業権限を渡しながら、自社側でも管理できる状態を維持することです。

Google Search Consoleでは「所有者」「フルユーザー」「制限付きユーザー」などで利用できる機能が異なり、他のユーザーを追加・削除できるのは所有者です。

GoogleはSEO監査の段階について、Search Consoleは読み取り権限にとどめ、最初から変更権限を渡す必要はないと案内しています。

また、Google Tag Managerではアカウントとコンテナごとに権限を設定できます。Googleは、アカウントを外部代理店だけで管理せず、自社組織内の担当者が管理することも推奨しています。

GA4でもAdministrator、Editor、Analyst、Viewerなどの役割が用意され、Administratorはユーザー権限の管理が可能です。

契約前には、次のように整理すると分かりやすくなります。

対象 自社側で確認すること 外部会社について決めること
CMS 管理者を誰が持つか 投稿・編集・公開のどこまで許可するか
Search Console 所有者を自社で確認できるか 閲覧のみか、操作も必要か
GA4 管理者を把握しているか 分析に必要な権限
GTM 自社管理者がいるか 編集・承認・公開のどこまで許可するか
サーバー・DNS 契約名義と管理者 技術改修でアクセスが必要か
ソースコード 管理場所と承認者 外部会社が直接変更できるか
自社が管理主体を維持しながらSEO会社へCMSや計測ツールの必要な権限だけを付与する概念図

外部会社へ必要な作業権限を渡しながら、自社側にも管理権限を残す設計にします。

すべてのツールでSEO会社へ最高権限を付与する必要はありません。

契約内容と実際に必要な作業を照らし合わせ、必要な範囲で権限を決めます。

成果は「検索順位」だけでなく契約上の評価方法まで決める

SEO契約では、「成果」という言葉を曖昧にしないことも重要です。

Googleは、検索結果1位を保証できるSEO会社は存在しないとして、順位保証をうたう事業者への注意を促しています。

そのため、契約では検索順位だけを約束の中心にするのではなく、何を実施し、何を測定し、どのように改善を判断するのかを確認します。

たとえば、次のように段階を分けられます。

段階 確認する指標の例
実行 記事公開数、改修完了数、技術課題の対応状況
検索 表示回数、クリック数、検索クエリ、対象ページの変化
サイト 検索流入、閲覧ページ、導線利用
事業 問い合わせ、資料請求、商談など

ここで大切なのは、すべての指標について「必ず増やす」と約束することではありません。

契約期間中にどの指標を確認し、何を根拠に次の施策を決めるのかを双方でそろえることです。

また、順位、流入、問い合わせでは成果が現れる位置が異なります。「成果が出たか」をどれか1つの数字だけで判断するのではなく、施策の実施状況から最終成果までのつながりを確認できる設計にします。

SEO契約の成果を実行・検索・サイト・事業の4段階で確認するフロー図

SEOの成果は検索順位だけではなく、施策の実行から問い合わせ・商談まで段階を分けて確認します。

追加費用が発生する作業を契約前に分ける

SEOでは、調査時点では分からなかった改修が途中で必要になることがあります。

そのため、月額費用や初期費用に何が含まれるかだけでなく、「何を超えると追加費用になるか」も確認します。

特に確認したいのは次の項目です。

  • 記事や既存ページの修正回数
  • CMSへの入稿・公開
  • デザイン修正
  • HTMLやJavaScript等の技術改修
  • 構造化データの実装
  • 開発会社向けの仕様書作成
  • 開発会社との打ち合わせ
  • 実装後の動作確認
  • 緊急時の修正対応
  • 契約当初に含まれない追加調査

たとえば「技術SEO支援」が含まれていても、SEO会社が課題を指摘するだけなのか、開発用の指示まで作るのか、本番反映後まで確認するのかで必要な工数は変わります。

追加作業の判断者、見積もりを出すタイミング、着手前の承認方法まで決めておけば、施策途中の認識違いを減らせます。

契約期間・更新・解約条件は初回契約時に確認する

契約期間を見るときは、単に「6か月」「12か月」といった期間だけを見るのではなく、終了までの条件を一緒に確認します。

一般的な業務委託契約でも、業務内容、報酬、検収、知的財産権、解除などは重要な確認事項として挙げられています。

SEO契約では、特に次の項目を確認します。

  • 契約開始日と終了日
  • 最低契約期間
  • 自動更新の有無
  • 更新を止める場合の通知期限
  • 中途解約の条件
  • 中途解約時の費用
  • 契約終了日までに実施する作業
  • 未完了作業の扱い
  • 終了後のアカウント権限
  • データや制作物の引き渡し方法

ここで確認したいのは、「何か月契約するのが正解か」ではありません。

自社が契約内容を見直したいときに、どの時点で、どの条件なら変更や終了ができるのかを理解していることが重要です。

制作物・データ・改善履歴を終了後に引き継げる状態にする

契約期間中に作ったものが、終了後にどこまで自社へ残るかも確認しておきます。

SEOでは、記事だけが成果物ではありません。

たとえば次のような情報が蓄積されます。

  • 調査レポート
  • 対策キーワードや対象ページの一覧
  • 記事原稿
  • リライト原稿
  • 技術課題の一覧
  • 実装指示書
  • 改修した内容の記録
  • Search ConsoleやGA4を使った分析資料
  • 月次レポート
  • 制作した画像やその他のデータ
SEO契約前から終了時の引き継ぎまで、制作物・分析データ・改善内容・管理権限を管理する流れ

契約終了時に慌てて確認するのではなく、何を自社へ残すかを契約前から決めておくと引き継ぎやすくなります。

契約終了時に初めて確認すると、「資料は閲覧できるが編集データは渡せない」「特定ツール内にしか記録が残っていない」といった問題が起きることがあります。

契約前に、納品される成果物、ファイル形式、保存場所、著作権などの権利関係、契約終了後の利用可否を確認しておきます。

権利関係は成果物や契約方式によって異なるため、契約書の具体的な法的判断が必要な場合は、自社の法務担当者や弁護士へ確認してください。

アカウントの引き継ぎは「終了日に渡す」だけでは不十分

Search ConsoleやGA4、GTMなどは、単純なファイル納品とは異なります。

まず自社側で必要な管理権限を持っていることを確認し、その後に外部会社の権限を整理する流れが安全です。

Search Consoleでは、所有者が他ユーザーを追加・削除できます。確認済み所有者がいなくなるとアクセス管理に影響するため、契約終了時だけでなく契約開始前から所有者を把握しておく必要があります。

GTMについても、Googleは社内側で管理できる状態を推奨しています。

署名前に確認したい12項目

最終的には、契約書、申込書、見積書、業務範囲表などを横断して、次の項目に答えられる状態にします。

確認項目 契約前の質問
1. 調査範囲 どのページ・データまで確認するか
2. 提案範囲 改善案はどの形式で提出されるか
3. 制作範囲 記事・設定・仕様書は誰が作るか
4. 実装担当 CMSやコードへ誰が反映するか
5. 検証担当 公開後の確認まで含まれるか
6. CMS権限 誰が管理者で、外部会社へ何を許可するか
7. 計測権限 Search Console・GA4・GTMを誰が管理するか
8. 成果の定義 何をどの頻度で評価するか
9. 追加費用 どの作業から別料金になるか
10. 契約終了 更新・解約の期限や条件は何か
11. 成果物・権利 何が自社へ残り、どう利用できるか
12. 引き継ぎ データ・資料・権限をどう戻すか

契約書だけでは細かい実務分担を書ききれない場合は、業務範囲表や役割分担表などを別紙でそろえる方法もあります。

大切なのは書類の名称ではなく、双方が同じ内容を確認できる状態にすることです。

契約前にSEO会社へ聞いておきたい質問

契約内容が分かりにくい場合は、専門用語を使わず、実際の作業を質問すると整理しやすくなります。

たとえば次のように確認できます。

  • 「改善案が出た後、CMSへの反映は御社が行いますか」
  • 「開発が必要な場合、開発会社へ渡す指示書まで作成しますか」
  • 「開発会社とのやり取りや、実装後の確認も支援範囲ですか」
  • 「Search Console、GA4、GTMは弊社側でも管理権限を維持できますか」
  • 「月額費用とは別に費用が発生する作業は何ですか」
  • 「契約終了時にもらえるデータや制作物を一覧で教えてください」
  • 「契約終了時、アカウント権限はどのように整理しますか」

回答が口頭だけの場合は、契約書や見積書、業務範囲表など、後から双方で確認できる形へ整理します。

自社だけで契約範囲を決めにくい場合

SEO支援の契約条件は、自社のCMS、開発体制、計測環境によって必要な範囲が変わります。

特に、

  • 社内にSEO担当者がいない
  • CMSを誰が変更できるか分からない
  • 制作会社とSEO会社が別
  • 分析はできても実装できる人がいない
  • Search ConsoleやGA4の管理者が分からない
  • 現在の契約から何を残すべきか判断できない

といった場合は、契約書を確認する前に、現在のサイト運用体制と権限を棚卸しすると整理しやすくなります。

SEO対策の範囲や、分析から実装までどこを外部へ任せるべきか判断しにくい場合は、現状の体制を整理したうえで専門会社へ相談する方法もあります。

まとめ

SEO対策会社との契約前に確認したいのは、提案内容や金額だけではありません。

特に重要なのは、「調査・提案・制作・実装・検証を誰が担当するか」「CMSや計測ツールの管理権限を誰が持つか」「終了後に何が自社へ残るか」の3点です。

施策内容が良くても、実装担当がいなければ改善は進みません。また、アカウントや制作物を外部会社だけが管理していると、担当変更や契約終了時に引き継ぎが難しくなります。

署名前に業務範囲、実装責任、権限、成果の評価方法、追加費用、契約終了、引き継ぎまで確認し、契約後に実際に動かせる条件になっているかを確認してください。

契約前チェックだけでなく、内製・外注・ハイブリッドの選び方から見直したい場合は、SEO導入の体制構築の判断基準を確認してください。

契約前チェックのさらに前段階として、依頼内容を要件化しておきたい場合は、SEO支援会社への提案依頼書の作り方を確認してください。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

‹ 親記事: SEO導入の体制構築とは?内製・外注・ハイブリッドの判断基準と進め方の全体地図

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