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SNSなりすましの犯人を特定する方法|開示請求の条件・流れ・費用【X・Facebook対応】

部署:マーケティング担当者部署:広報・PR担当者部署:経営者・責任者レベル:実践口コミ対策風評被害
SNSなりすましアカウントの特定から開示請求までの流れと費用を示したイメージ
deletion reputation risk

この記事は約15分で読めます。

この記事でわかること

SNSのなりすまし犯人を特定できる条件

発信者情報開示請求とアカウント削除の違い

X(旧Twitter)のなりすまし犯人を特定する流れ

Facebookへの開示請求の考え方

開示請求にかかる費用・期間

開示請求が通らない代表的なケース

なりすまし発見直後に保存すべき証拠

企業が法的対応と並行して行うべき風評被害対策

「自社を名乗る偽アカウントが作られている」

「Xで経営者になりすまして投稿している人物を特定したい」

「Facebookの偽アカウントから取引先へ連絡されている」

SNSのなりすまし被害が起きたとき、アカウントの削除だけでは済まないケースがあります。

詐欺的なDMが送られた。会社の信用を落とす投稿をされた。代表者を装って取引先へ虚偽の連絡をされた。

こうなると、「アカウントを消したい」に加えて「誰がやっているのか知りたい」という問題が出てきます。

一定の要件を満たす場合、情報流通プラットフォーム対処法に基づく発信者情報開示請求・発信者情報開示命令を使い、SNS上の発信者の特定につなげられる可能性があります。

東京地方裁判所も、SNS等の運営会社にIPアドレス等の開示を求め、アクセスプロバイダ等に発信者の氏名・住所等の開示を求められる制度を案内しています。

ただし、偽アカウントがあるだけで必ず氏名・住所が開示されるわけではありません。

なお、公開投稿とは扱いが異なります。情報流通プラットフォーム対処法が対象とする「特定電気通信」は、不特定の者によって受信されることを目的とする通信であるため、DMのみを根拠として同法の発信者情報開示を求めることは原則できません。

DMによる詐欺・脅迫等が問題となっている場合は、公開投稿に対する発信者情報開示とは別の対応も含めて弁護士や警察等へ確認する必要があります。

ここを取り違えると、時間と費用をかけたのに特定まで進めないことがあります。

なお、本記事で紹介する弁護士費用は、発信者情報開示の料金を公開している法律事務所の「公開料金例」を比較したものです。すべての案件を調査した市場平均ではありません。対象となるSNS、投稿数、海外事業者への対応、どこまで開示手続きを行うか、損害賠償請求まで依頼するかなどで実際の費用は変わるため、最終的には各法律事務所への見積もり確認が必要です。

30秒でわかる|SNSなりすまし・開示請求のポイント3つ

1.SNSのなりすまし犯人は、条件を満たせば特定できる可能性がある

発信者情報開示の制度では、SNS運営会社等から通信情報をたどり、アクセスプロバイダ側の契約者情報へ進める場合があります。

ただし、情報流通プラットフォーム対処法5条では、権利侵害が明らかであることに加え、損害賠償請求権の行使など発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があることなどが要件となっています。

「名前を真似されたから犯人を教えてほしい」だけで開示が認められるとは限りません。

2.削除と犯人特定は別の手続き

XやFacebookへなりすましを通報するのは、主にアカウントや投稿への対応を求めるための手続きです。

発信者情報開示は、発信者を特定するための手続き。

東京地方裁判所も、発信者情報開示命令事件で投稿記事そのものの削除を求めることはできないと案内しています。

3.犯人を特定したいなら、削除前の証拠保存が欠かせない

アカウントが消えた後で、

「URLが分からない」
「投稿日時を残していない」
「プロフィールしかスクショしていない」

となると、その後の手続きが難しくなります。

なりすましを見つけたら、まず証拠を確保。その後で通報・削除・開示請求を切り分けます。

【編集部調査】SNSなりすまし・開示請求の最新公開情報を調査

今回、X・Facebook・Instagramの公式なりすまし報告窓口、裁判所の発信者情報開示命令制度、法律事務所が公開している開示請求費用を編集部で調査しました。

今回の調査概要

項目 内容
調査主体 リブランディング株式会社 検索ブランド相談室 編集部
調査時期 初回調査:2026年8月12日/最終確認:2026年8月25日。主要な制度・料金情報を再確認し、本記事の結論を変更する重大な更新は確認していません。
調査対象 X、Facebook、Instagram、e-Gov法令検索、東京地方裁判所、発信者情報開示の料金を公開する法律事務所
使用データ 各社公式ヘルプ、裁判所公式ページ、e-Gov法令、各法律事務所公開料金
調査方法 公開情報のデスクリサーチ

今回確認できた数字

X・Facebook・Instagramの3サービスすべてで、なりすましを報告する公式ルートを確認できました。

1申立て1,000円

東京地方裁判所では、開示命令・提供命令・消去禁止命令について、それぞれ1申立てにつき1,000円の申立手数料が案内されています。

今回確認した3事務所の公開料金例:単純合算で約55.0万〜74.8万円

今回確認した法律事務所3社について、公表されている基本料金・成功報酬等を所定の条件で単純合算すると、約55.0万〜74.8万円となりました。

※この金額帯は発信者情報開示の市場平均・標準価格を示すものではありません。各事務所で業務範囲や料金体系が異なるため、依頼時には個別見積もりが必要です。

SNSなりすましは開示請求で犯人を特定できる?

一定の要件を満たせば、可能性があります。

匿名のSNSアカウントだからといって、必ずしも身元を追えないわけではありません。

発信者情報開示では、大まかに次の情報をたどります。

SNS上のなりすまし投稿・アカウント

↓

SNS等のコンテンツプロバイダが持つ通信情報

↓

通信に使われたアクセスプロバイダ

↓

契約者の氏名・住所等

process cost

発信者情報開示では、SNS運営会社側の通信情報を手掛かりに、アクセスプロバイダの契約者情報へ進みます。契約者と実際の投稿者が一致しない場合もあります。

東京地方裁判所は、SNS等を運営するコンテンツプロバイダに対して、権利侵害投稿時やログイン時のIPアドレス等を求めたり、アクセスプロバイダ等に発信者の氏名・住所等を求めたりできると説明しています。

ここで注意したいのが、開示された「回線契約者」と「実際にSNSを操作した人物」が必ず一致するとは限らないことです。

家族で共有している回線、法人契約の回線、第三者が利用できる通信環境などでは、追加の確認が必要になるケースがあります。

「IPアドレスさえ取れば100%犯人が分かる」と考えるのは危険です。

なりすましなら必ず発信者情報を開示してもらえる?

いいえ。

情報流通プラットフォーム対処法5条では、発信者情報の開示について、侵害情報の流通によって請求者の権利が侵害されたことが明らかであること、損害賠償請求権の行使など発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があることなどが要件になっています。

そのため、

「自社と同じ名前のアカウントを作られた」

という事実だけで判断するのではなく、

どんな投稿をしているのか

誰になりすましているのか

会社の信用を落とす内容があるか

本人の写真や企業ロゴが使われているか

顧客や取引先に誤認が起きているか

詐欺的な勧誘や虚偽の連絡をしているか

といった具体的な状況を整理する必要があります。

開示請求の対象になり得るなりすましの例

たとえば会社の公式アカウントを装って、

「当社は来月倒産します」

「この口座へ代金を振り込んでください」

などと発信していたとします。

会社や代表者の権利侵害、信用毀損、詐欺等の別の問題まで生じる可能性があります。

一方、

「公式ではありません」
「パロディアカウントです」

と明確に示され、ユーザーが公式アカウントと誤認しにくい状態で意見や批評を発信しているケースは、同じ「名前が似ている」場合でも事情が異なります。

個別の違法性や開示可能性は、投稿内容と具体的な権利侵害を踏まえて判断されます。

発信者情報開示請求と「発信者情報開示命令」の違い

検索すると、

「発信者情報開示請求」
「発信者情報開示命令」

という似た言葉が出てきます。

発信者情報開示請求は、情報流通プラットフォーム対処法5条に基づき、要件を満たす場合に発信者情報の開示を求める請求です。裁判外で任意開示を求める場面も含まれます。

一方、発信者情報開示命令は、裁判所を利用して開示を求めるための非訟手続です。従来、コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダに段階的な手続が必要だった場面について、提供命令・消去禁止命令を組み合わせながら一つの裁判手続の中で進められる仕組みが設けられています。

現在の情報流通プラットフォーム対処法には、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続が規定されています。

現時点では電子申立てできない

ここは古い解説記事では拾えていない場合があります。

2026年5月21日から民事訴訟の全面電子化が始まりましたが、東京地方裁判所によると、発信者情報開示命令事件は電子申立ての対象外です。

2026年8月時点でも、申立書は従来どおり書面で提出する必要があります。

SNSなりすましの犯人を特定するまでの流れ

案件によって手続きは変わりますが、全体像をつかむなら次の5段階で考えると分かりやすくなります。

STEP1|なりすましアカウントと投稿を保存する

真っ先に行うのは証拠保存です。

削除申請より先です。

最低限、次の情報を残します。

なりすましアカウントのURL

ユーザーID

ユーザー名

表示名

プロフィール画像

プロフィール文

問題となる投稿

投稿URL

投稿日時

DM

コメント

なりすましによる問い合わせ記録

顧客・取引先が誤認したことが分かる資料

スクリーンショットだけを撮る場合も、投稿部分だけを切り抜かず、URLや日時、アカウントとの関係が分かる状態を残しておきます。

証拠保存・通報・削除そのものの詳しい手順は、関連記事「SNSなりすまし被害の対処法」で別途解説しています。

本記事では、その後の犯人特定に焦点を絞ります。

STEP2|どの権利が侵害されたのか整理する

発信者情報開示は、「なりすましだった」という名称だけで進むわけではありません。

何をされた結果、どのような権利侵害が起きたのかを整理します。

たとえば、

企業の信用・名誉を傷つける虚偽情報を投稿された

経営者本人を装って社会的評価を低下させる投稿をされた

写真や著作物を無断利用された

登録商標を使って公式アカウントだと誤認させた

などです。

この法律評価は個別事情によって変わります。

法的な請求や代理交渉まで進めるのであれば、インターネット上の権利侵害を扱う弁護士に確認する領域です。

STEP3|SNS運営会社等が持つ発信者情報の開示を求める

次に、XやMetaなどSNS側のコンテンツプロバイダが保有する情報について開示を求めます。

裁判所の案内では、権利侵害投稿時やログイン時のIPアドレス等が対象になる場合があります。

従来の記事でよく見かける、

「最初にプロバイダへIPアドレスの開示を請求する」

という説明は正確ではありません。

一般的には、まずSNS・サイト運営者などのコンテンツプロバイダが保有する通信情報を手掛かりにし、その後、アクセスプロバイダ側の契約者情報へ進みます。

「最初からアクセスプロバイダへ氏名・住所の開示を求めればよい」という単純な流れではありません。

STEP4|アクセスプロバイダ側から氏名・住所等をたどる

取得した通信情報などからアクセスプロバイダを特定し、発信者の氏名・住所等の開示を求めます。

現在の制度には、発信者情報開示命令に加えて「提供命令」「消去禁止命令」も設けられています。

東京地方裁判所でも、

コンテンツプロバイダに対する提供命令

アクセスプロバイダに対する消去禁止命令

を併せて申し立てる際の書式が公開されています。

手続きが一本の単純な直線になっているわけではないため、実際の案件では対象サービスや保有情報に合わせた組み立てが必要になります。

STEP5|特定後の対応を決める

発信者が判明したら、

損害賠償請求

示談・和解

再発防止についての合意

刑事事件に該当する可能性がある場合の警察相談

別途の投稿削除手続き

など、その後の方針を決めます。

ここで「犯人の名前を知るだけ」が目的なのか、「損害賠償まで求める」のかによっても対応は変わります。

開示請求には時間も費用もかかります。

始める前に、特定した後に何をしたいのかを社内で合わせておく方が話は早く進みます。

発信者情報開示請求と削除請求の違い

この2つは混同されやすいため、表で整理します。

deletion comparison

SNSへの通報・削除は投稿やアカウントへの対応、発信者情報開示は投稿者の特定が目的です。一方を行えばもう一方も完了するわけではありません。

項目 発信者情報開示 通報・削除
主な目的 発信者を特定する 投稿・アカウントを止める
得たい結果 IPアドレス、氏名・住所等 投稿削除、アカウント停止等
SNSへの通常通報 別手続き 利用する
裁判所を使う場合 あり 内容によってあり
投稿自体が消えるか 自動的には消えない 削除される場合がある
損害賠償につなげられるか 特定後に可能性あり 通報だけでは相手を特定できない場合がある

東京地方裁判所は、発信者情報開示命令事件において投稿記事の削除を求めることはできないと明記しています。

つまり、

「投稿を消したい」

と

「投稿した人物を知りたい」

は別々に考えた方がいいということです。

X(旧Twitter)のなりすまし犯人を特定するには?

「twitter なりすまし 特定」
「twitter なりすまし 犯人 特定」

という検索は現在も多く使われますが、サービス名はXへ変更されています。

X上のなりすましでも、まずは通報と犯人特定を分けます。

Xではなりすましアカウントを公式に報告できる

Xは、混同や誤解を招く形で特定の人物・集団・組織になりすますアカウントをポリシーで禁止しています。

本人やブランド、正式な代理人はXヘルプセンターから報告でき、Xアカウントを持っていなくても報告できます。

違反と判断された場合、アカウントの凍結や修正を求める対応が取られる場合があります。

なお、「名前や画像が似ている=すべてX上の禁止されたなりすまし」とは限りません。Xは欺く目的のなりすましを禁止する一方、一定の条件を満たしたパロディ・解説・ファンアカウントを認めています。発信者情報開示についても、アカウント名だけでなく、投稿内容や具体的な権利侵害を確認する必要があります。

Xへ通報すれば犯人の名前を教えてもらえる?

通常のなりすまし報告は、アカウントのポリシー違反を調査してもらうためのものです。

被害者へ氏名・住所を知らせる発信者情報開示とは別です。

犯人を特定して損害賠償等まで進めたい場合には、具体的な権利侵害を整理し、発信者情報開示のルートを確認します。

Facebookへの開示請求はどう進む?

Facebookでも考え方は同じです。

まず、偽プロフィールや偽ページへのプラットフォーム対応と、運営者を特定する法的手続きを切り分けます。

Facebookはなりすましプロフィール・ページを報告できる

Facebookは、他人になりすますプロフィールやページを認めていません。

公式ヘルプでは、自分、知人、公人などを装うプロフィール・ページを報告でき、Facebookアカウントを持っていない場合でも専用フォームから報告できると案内しています。

ただし、Facebookへ通報しただけで犯人の氏名や住所が開示されるわけではありません。

「Facebook 開示請求」で調べている場合は、

Facebook上のなりすましを止める対応

発信者を特定するための法的対応

を別々に整理してください。

Instagramのなりすましはどうする?

Instagramもなりすましアカウントの報告を受け付けています。

公式ヘルプでは、

自分

知人

著名人・公人

企業・組織

などを装うアカウントを報告できます。

本人になりすましたアカウントの報告では、本人確認資料の提出を求められる場合もあります。

犯人の特定まで必要な場合は、Instagram上の通報とは別に発信者情報開示の可否を確認します。

【比較表】X・Facebook・Instagramのなりすまし報告

2026年8月時点・編集部調査

SNS なりすまし報告 SNSアカウントなしでの報告 主な公式案内
X あり 可能 本人・ブランド・正式代理人から報告可能
Facebook あり 可能 なりすましプロフィール・ページを報告可能
Instagram あり 可能なルートあり 個人・公人・企業・組織等のなりすましを報告可能

出典:X Help、Facebook Help Center、Instagram Help Center。

この表から分かるのは、「SNS側に報告手段がないから泣き寝入りするしかない」というわけではないことです。

一方、公式通報は犯人の個人情報を取得する制度ではありません。

そこを分けて考える必要があります。

SNSなりすましの開示請求にかかる費用

費用は案件ごとに大きく変わります。

投稿数、対象SNS、海外事業者への対応、どこまで開示手続きを行うか、損害賠償請求まで依頼するかなどによって変動するからです。

裁判所の申立手数料は1申立て1,000円

東京地方裁判所では、

発信者情報開示命令

提供命令

消去禁止命令

について、それぞれ1申立てにつき1,000円としています。

申立人・相手方が複数なら必要額も増えます。

郵便料等も別途必要です。

ただし、これは「発信者を特定する総費用」ではありません。申立人・相手方の人数による追加の収入印紙、郵便料、海外法人に関する費用、弁護士へ依頼する場合の弁護士費用などが別途発生します。

実際の費用では、弁護士へ依頼する場合の着手金・報酬金などが大きな割合を占めるため、裁判所の申立手数料だけで費用感を判断しないよう注意が必要です。

【外部公開データ比較】開示請求の弁護士費用はいくら?

2026年8月時点の調査で、発信者情報開示に関する料金を公開している法律事務所3社を確認しました。料金情報は掲載条件が変わる場合があるため、依頼前に各事務所の最新料金をご確認ください。

法律事務所 公開料金例 単純合計
アディーレ法律事務所 基本費用33万円+報酬金41万8,000円 74万8,000円(税込)
ベリーベスト法律事務所 着手金33万円+報酬金33万円 66万円(税込)
タングラム法律事務所 CPへの請求20万円+APへの請求20万円+特定時報酬10万円(各税別) 50万円(税別)/55万円相当(税込換算)
comparison cost

編集部が確認した3事務所の公開料金例を所定条件で単純合算した比較です。市場平均や標準価格を示すものではなく、実際の費用は案件条件によって異なります。

アディーレはGoogle・X・Facebook・Instagram・Threads等の発信者情報開示請求について料金を掲載しています。

ベリーベストは投稿1件の発信者情報開示命令について、着手金33万円・報酬金33万円としています。

タングラムは、コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダへの開示請求について、それぞれ着手金20万円、発信者特定時の報酬金10万円を標準額として掲載しています。

なお、税別料金の税込換算には2026年8月時点の標準消費税率10%を使用しています。

公開料金をグラフで比較

各社公表料金を上記条件で単純合算した場合

アディーレ   74.8万円 ███████████████
ベリーベスト  66.0万円 █████████████
タングラム   55.0万円 ███████████

出典:各法律事務所公表料金をもとに弊社編集部作成(初回調査:2026年8月12日/最終確認:2026年8月25日)

これは「安い順ランキング」ではありません。

各社で、

対応範囲

投稿数

成功報酬の条件

実費

日当

海外法人への対応

損害賠償請求の有無

などが違います。

同じ条件で比較した料金ではないため、55万〜75万円が必ず相場になるわけでもありません。

費用欄は「ざっくり○万円」とだけ書くより、何にいくらかかるのかを見る方が実務的です。

開示請求にはどれくらい期間がかかる?

「最短○日で犯人特定」といった一律の数字を出すのは現実的ではありません。

相手方の対応、対象SNS、証拠、裁判所の進行、アクセスプロバイダなどによって変わります。

数か月単位を要するケースがあり、争いが強ければさらに長期化します。

もう一つ気をつけたいのが通信ログです。

必要な通信情報が残っていなければ、後から手続きを始めても発信者までたどれない可能性があります。

そのため、犯人特定まで考えているケースでは、「様子を見てから数か月後に考える」より、早い段階で必要な証拠と手続きを確認する方が安全です。

なりすましの開示請求が通らない・特定できない5つのケース

1.具体的な権利侵害を説明できない

発信者情報開示では、権利侵害が明らかであることなどが要件です。

「気味が悪い」
「自分の名前を使われている」

だけでなく、具体的にどの情報によってどんな権利侵害が生じたのかが問われます。

2.問題の投稿を保存していない

プロフィールだけ保存して、投稿URLを残していない。

投稿日時が分からない。

スクリーンショットを一部分しか撮っていない。

この状態では対象となる通信を整理しづらくなります。

削除を急ぐ場合でも、先に記録を残しておく方が後悔がありません。

3.必要な通信情報が残っていない

時間が経過し、発信者特定に必要な情報が保存されていないケースです。

開示請求を考えているなら、「まだ消されないだろう」と自己判断せず、早めに確認してください。

4.開示された契約者と実際の投稿者が違う

契約者本人が投稿したとは限りません。

家族、従業員、第三者など複数人が利用できる回線なら、契約者情報だけで実際の投稿者を断定できないことがあります。

5.投稿内容に違法性が認められない

企業や個人に不都合な内容であっても、すべてが違法な投稿になるわけではありません。

正当な批評、意見、事実に基づく指摘などでは、発信者情報開示が認められない場合があります。

「消したい投稿」と「法律上の権利侵害が認められる投稿」は同じではありません。

犯人特定を考えている企業がやってはいけないこと

SNS上で「犯人はこの人です」と公開する

社内で心当たりがあったとしても、証拠が揃わない状態で個人名を公開するのは避けるべきです。

見立てが外れていれば、新しいトラブルを生みます。

なりすまし本人と公開で口論する

公式アカウントから反論を続けると、そのやり取り自体が拡散されることがあります。

顧客への注意喚起と、なりすまし本人への反応は分けた方が安全です。

証拠保存前に削除だけを急ぐ

被害を止めたい気持ちは当然ですが、犯人特定まで考えるなら証拠を先に残します。

法律事務を弁護士以外へ依頼する

発信者情報開示請求、損害賠償請求、相手方との法的交渉などは法律分野です。

風評被害対策会社が扱えるWeb上の評判管理や検索対策と、弁護士が行う法律事務は切り分ける必要があります。

なりすまし被害は「犯人特定」と「被害拡大防止」を同時に進める

企業のなりすましでは、発信者情報開示の結果を待っている間にも被害が続くことがあります。

偽アカウントが残ったままなら、

顧客が偽DMを受け取る

求職者が公式アカウントだと誤認する

取引先へ虚偽情報が届く

SNS投稿が転載される

検索で偽情報が見つかる

といった二次被害が起こり得ます。

そのため企業対応は、2本立てで考えます。

deletion reputation risk 2

企業のなりすまし被害では、発信者情報開示の結果を待つ間も被害が広がる可能性があります。法的対応と注意喚起・公式情報整備を並行して進めることが重要です。

法的対応

発信者特定、損害賠償など。

ブランド・広報対応

SNSへの通報、公式な注意喚起、公式アカウント一覧の公開、検索結果上の誤情報確認など。

開示請求が終わるまで何もしない、という形にはしません。

削除後も検索結果に誤情報が残った場合の対応

偽アカウントが消えれば、そこで全て元通りになるとは限りません。

転載ページや関連投稿など、別のURLに誤情報が残っていることがあります。

この段階では、元のなりすましアカウントへの法的対応とは別に、

どこに情報が残っているか

検索結果に表示されているか

公式情報より誤情報が目立っていないか

正しい会社情報が検索で確認できるか

を調べます。

AI検索でも「正しい一次情報」が見つかる状態を作る

AI検索でも、企業が行うべき基本対応は、公式サイトや公式SNSから正確な一次情報を発信し、会社情報・公式アカウント・問い合わせ先を確認しやすい状態に保つことです。なりすまし削除後も誤情報が検索上に残る場合は、正しい公式情報へ到達できる導線を整備します。

MEO・Googleマップ上でも公式情報を揃える

店舗や拠点を持つ企業は、Googleビジネスプロフィールの会社名・住所・電話番号・営業時間・公式サイトURLなども実態と一致しているか確認します。SNS、公式サイト、Google上で企業情報が食い違うと、利用者が正式情報を判断しづらくなるためです。法的な犯人特定と、検索・SNS上の情報環境の修復は別の対応として並行して進めます。

SNSなりすまし・発信者情報開示のよくある質問

Q.SNSのなりすまし犯人は本当に特定できますか?

権利侵害が明らかであることや開示を受けるべき正当な理由があることなどの要件を満たし、発信者特定に必要な情報が残っていれば、発信者情報開示によって特定につながる可能性があります。

東京地方裁判所も、SNS運営者等からIPアドレス等を取得し、アクセスプロバイダ等へ氏名・住所の開示を求める制度を案内しています。

必ず特定できる制度ではありません。

Q.X(Twitter)のなりすまし犯人は特定できますか?

X上の投稿についても、発信者情報開示の要件を満たす場合は特定を求める手続きを取れる可能性があります。

通常のXへのなりすまし報告はアカウントへの対応を求めるものであり、発信者情報開示とは別です。

Q.Facebookへ開示請求できますか?

Facebook上の発信によって権利侵害を受けた場合も、事情に応じて発信者情報開示の対象となる可能性があります。

Facebookが用意しているなりすまし報告と、犯人を特定する法的手続きは分けて考えます。

Facebookへのなりすまし報告は、Facebookアカウントを持っていない人でも利用できるルートがあります。

Q.なりすましアカウントから届いたDMだけでも発信者情報開示請求できますか?

DMだけの場合、公開投稿と同じ発信者情報開示の仕組みをそのまま使えるとは限りません。情報流通プラットフォーム対処法上の「特定電気通信」は、不特定の者によって受信されることを目的とする通信を前提としているためです。

一方、DMの内容が詐欺、脅迫など別の問題に当たる可能性もあります。公開投稿の有無、DMの内容、実際の被害を整理し、必要に応じて弁護士や警察へ相談してください。

Q.アカウントが削除された後でも犯人を特定できますか?

削除された時点で必ず不可能になるわけではありません。

ただし、必要な発信者情報や通信情報が残っているかで状況が変わります。

削除済みでも特定したい場合は、手元に残っているURL、スクリーンショット、日時、アカウントID等をまとめて早めに確認してください。

Q.開示請求すればなりすましアカウントも削除されますか?

発信者情報開示と投稿削除は別です。

東京地方裁判所も、発信者情報開示命令事件の中で投稿記事の削除を求めることはできないと説明しています。

Q.開示請求は自分でもできますか?

弁護士しか申立てできない制度というわけではありません。

ただし、

権利侵害の整理

相手方の特定

発信者情報目録

証拠

提供命令

消去禁止命令

など専門的な判断が絡みます。

東京地方裁判所だけでも、発信者情報開示命令のチェックリストや複数の記載例が公開されています。

企業案件や損害賠償まで見込むケースでは、インターネット案件を扱う弁護士へ確認する方が現実的です。

Q.開示請求にはいくらかかりますか?

裁判所の申立手数料自体は、東京地方裁判所では開示命令・提供命令・消去禁止命令それぞれ1申立て1,000円です。

弁護士費用は別で、今回確認した3事務所の公開料金例では、所定条件で単純合算すると約55万〜74.8万円でした。

対象投稿数や対応範囲で変わるため、正式な金額は見積もり確認が必要です。

企業が確認すべきこと|なりすまし発見時チェックリスト

なりすましアカウントのURLを保存した

ユーザーID・表示名・プロフィールを保存した

問題となる投稿のURLを保存した

投稿日時が分かる状態で保存した

DM・コメント・メッセージも記録した

顧客・取引先からの問い合わせを保存した

実害が発生しているか社内で確認した

SNSの公式通報窓口を確認した

投稿削除と犯人特定を分けて方針を決めた

犯人特定が必要なら弁護士への相談要否を確認した

公式SNSアカウント一覧を自社サイトで案内した

顧客への注意喚起が必要か判断した

検索結果に転載・誤情報が残っていないか確認した

Googleビジネスプロフィールの会社情報を確認した

公式サイト・SNS・Google上の会社名や連絡先を揃えた

まとめ|SNSなりすましの犯人特定は「削除する前」から始まっている

SNSのなりすまし犯人は、一定の条件を満たせば発信者情報開示によって特定できる可能性があります。

現在の情報流通プラットフォーム対処法には発信者情報開示請求と発信者情報開示命令の制度があり、SNS等の事業者が持つ情報からアクセスプロバイダをたどり、氏名・住所等の開示につなげられる場合があります。

ただし、

なりすましアカウントがある=必ず開示される

ではありません。

対応順は、

証拠を残す
→ 被害と権利侵害を整理する
→ SNSへの通報・削除を進める
→ 必要なら発信者情報開示を進める

と考えると整理できます。

そして企業の場合は、犯人特定だけを待たないことです。

偽アカウントが顧客や取引先に知られているなら、公式サイトや公式SNSで正しい情報を出す。検索結果に転載が残っているなら状況を確認する。店舗・拠点型の企業ならGoogleビジネスプロフィールも最新状態にする。

法的な発信者特定と、Web上のブランド管理は別の専門領域です。

発信者情報開示や損害賠償など法律事務については弁護士へ。

一方、削除後の検索結果、サジェスト、転載情報、SNS上の風評、AI検索上での企業情報の見え方などは、デジタルリスク対策の領域として整理できます。

被害が広がってから一つずつ火消しするより、「法的対応」と「情報環境の修復」を分けて同時に動かす方が、企業としては対応しやすくなります。

参考文献・データ元

この記事で参照した情報を確認できます。

e-Gov法令検索「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」

東京地方裁判所「発信者情報開示命令申立て」

Xヘルプ「なりすましアカウントの報告」

Facebook Help Center「Report a Facebook profile or Page pretending to be you or someone else」

Instagram Help Center「Report an account for impersonation」

Google Search Central「Google検索の生成AI機能向けにウェブサイトを最適化する」

Googleビジネスプロフィールヘルプ「Googleのローカル検索結果のランキングを改善するヒント」

アディーレ法律事務所「発信者情報開示請求」料金情報

ベリーベスト法律事務所「弁護士費用」

タングラム法律事務所「SNS成りすましアカウント削除請求・発信者情報開示請求」

国税庁「消費税および地方消費税の税率」

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別案件について法的判断を行うものではありません。具体的な発信者情報開示、損害賠償請求、刑事手続などは弁護士等の専門家へご確認ください。

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削除申請≠風評被害対策|逆効果になった事例2選

「削除したら終わり」ではない理由と、削除後の企業ブランド対策はこちら。

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